学校法人明治大学 様

4万人の学生・教職員が利用するMeijiMailシステムをマイクロソフトのOffice 365で構築 24時間365日止まらない情報基盤を実現

学校法人明治大学様 駿河台キャンパス リバティタワーの写真

130年余りの伝統をもつ明治大学様は、東京を中心に4キャンパスを展開。2011年に策定された学校法人明治大学長期ビジョンでは、「世界へ-国際人の育成と交流のための拠点 世界で活躍する強く輝く『個』を育てる教育研究の実現」を掲げています。その一環として国際連携にも取り組んでおり、2014年にはスーパーグローバル大学創成支援に採択されました。時期を同じく、学内で利用しているメールシステムをMeijiMailシステムとして統合。マイクロソフトのOffice 365の導入ノウハウをもつ富士通の支援を受け、約4万人の学生・教職員のアカウント移行を3か月で完了しました。学生や教職員の研究を支える基盤としての利用を視野に、利用範囲の拡大も検討しています。

業種: 文教
ソリューション: Office 365 導入支援サービス
課題
効果
課題学内からでも学外からでも同じ操作性で使えるシステムを実現したい
効果Office 365を利用することで、どこからでもアクセス可能なメールシステムを多言語で展開できた
課題4万人におよぶユーザーアカウントを確実にスムーズに移行したい
効果Office 365の導入ノウハウをもつ富士通のサポートにより、利用が少ないユーザーのアカウントから順次移行。計画的に進めたことで大きなトラブルもなく3か月で完了した
課題法定点検時にも止まらないシステムを構築したい
効果クラウド化により、24時間365日止まらないシステムを実現。さらにサーバ台数が1/4に削減でき、管理負荷も軽減した

これまでキャンパスや学部ごとに分かれていたメールドメインが『@meiji.ac.jp』に統一されました。このドメインで発信した人間は、明治大学の構成員であることを担保することができます。この点に、まずこの新システムの大きな意義があると考えています

明治大学
理工学部
電気電子生命学科
情報基盤本部長
専任教授/工学博士 鎌田 弘之 氏

導入の背景

グローバルな大学に必要な多言語に対応したメールシステム

少子高齢化や国際競争力の加速など大学を取り巻く環境が変わってきているなか、創立150周年を見据え、伝統を守りつつ改革と国際化を進めている学校法人明治大学様(以下、明治大学様)。2013年4月、国際化・先端研究・社会連携の拠点として中野キャンパスをオープン。さらに、世界で活躍できる人材育成を目指した「世界へ!MEIJI8000 -学生の主体的学びを育み、未来開拓力に優れた人材を育成-」が、文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援(2014年度)」事業に採択されるなど、国際的な視点からの人材育成でも注目されています。

こうした取り組みを支えるべく、情報システム分野も積極的な改革を展開中。多様な教育・学習活動を支援するシステム「Oh-o!Meijiシステム」をはじめ、教学の仕組みから研究支援、事務システム、情報基盤まで各所で様々な取り組みが始まっています。

メールシステムにおいては、その操作性に課題がみえていました。その状況を情報基盤や基盤サービスを統括している理工学部 電気電子生命学科 情報基盤本部長 専任教授/工学博士 鎌田 弘之 氏は「これまで、約4~5年の間隔でオンプレミスのメールシステムをリプレースしてきましたが、そのたびに操作性が変わっていました。また、システムへの接続方法によっては、その都度VPN(Virtual Private Network)接続が必要なことや、学内と学外での使い勝手が異なること、タブレットやスマートフォンに対応していないなど、解決したい点がありました」と説明します。

さらに、キャンパスや利用開始した時期でドメインが異なっていることによる課題もみえてきました。

明治大学 理工学部 電気電子生命学科 情報基盤本部長 専任教授/工学博士 鎌田 弘之 氏の写真 鎌田 弘之
明治大学 理工学部 電気電子生命学科 情報基盤本部長 専任教授/工学博士

導入の経緯

いつでもどこでも、多機能に低コストに。条件を満たすのはクラウドのシステム

今回のメールシステム更新にあたってコンセプトとしたのは、大学のグローバル化の流れに沿ってさらにグレードアップされた情報基盤を構築することだったといいます。例えば、メール機能だけでなくナレッジ共有やオンライン機能を提供することもそのひとつ。さらに、統一された操作性のもと海外からでもセキュアにアクセスできることや、PC、タブレット、スマートフォンなど機器やOSに関わらず、どのような端末からも利用できることなどが要件としてあがりました。

「これらの要件すべてをオンプレミスでカバーするのは、運用負荷やコストなどを考えると合理的ではありません。必然的にクラウドサービスの利用を前提に検討を始めました」と、鎌田氏は語ります。

各社のサービスを比較した結果、Office 365をはじめとする3つに絞られました。最終的な決め手になったのは、既存のExchangeのシステムとの親和性に加え、マイクロソフトのビジネス製品を対象にしたプレミアサポートでした。Office 365のほか、ビジネスソフトウェアもサポートの対象となります。さらに教育機関向けライセンスプログラムEESなどとの組み合わせによるコストメリットも期待できます。

そして、導入を支援するベンダーは競争入札により公募され、富士通の「Office 365 導入支援サービス」が採用されました。その経緯を情報メディア部 システム企画事務室の石山 隆弘 氏は次のように語ります。「富士通には以前から本学の情報システムにおいて、構築・運用を担当してもらっていました。本学の業務や状況などを熟知していただいたうえで提案されたのは、他社よりも短期間でのメールシステム構築、アカウント移行という内容であり、コストも抑えられたものでした。また、本サービスの導入実績が豊富なことも安心感につながりました」。

明治大学 情報メディア部 システム企画事務室 石山 隆弘 氏の写真 石山 隆弘
明治大学 情報メディア部 システム企画事務室

導入のポイント

約2TB、利用者4万人規模のアカウントを3か月で移行

システム更新にあたって、最大の焦点となったのがアカウントの移行でした。その利用者数4万人、データにして約2TBという規模の大きさに加え、メールデータの継続性も重視されたのです。

通常のアカウント移行作業では、メールシステムの停止を伴います。クラウド環境への移行と4万人規模の一斉移行を同時に行う今回の作業では、長期にわたりメールシステムを停止する状況になることが懸念されました。

そこで鎌田氏から「移行作業をアカウントごとに行い、すべてのアカウントが切れ目なく使えるようにしてほしい」という要望が出てきました。

この要望に対し富士通から提案されたのが、段階的なメールアカウントの移行です。情報メディア部 メディア支援事務室で主にユーザーサポートを担当している瀧澤 静 氏は次のように説明します。「提案されたのは、キャンパスや学部ではなく、利用頻度によるユーザーのカテゴリー分けです。利用頻度の低いライトユーザーから移行を始め、徐々に利用頻度が高いユーザー、最後にヘビーユーザーへ展開していくものです。こうすることで、移行作業の問題点を洗い出して作業を改善することができますし、ヘビーユーザーの移行を効率的に行うことができます。これは本学の状況にあったいい方法だと思いました」。

移行作業や移行後の利用方法などは、ユーザー一人ひとりに移行前後に3回程度通知されました。こうした個別の案内も、ツールを利用することで作業負荷が抑えられたといいます。

石山氏は、当時の作業を振り返って次のように語ります。「当初、6か月かかるとのことでしたが、実際には3か月で完了しました。また、利用頻度で分けた移行計画のおかげで、佳境となるヘビーユーザーの移行期間は1か月程度で終わりました。長期間にわたって大きな負荷が予想された作業が、これほど効率的に短期間で終わったことに、とてもほっとしたことを覚えています」。

移行作業は2014年10月からスタートし12月に終了。新MeijiMailシステムは、いろいろな場面で利用が始まっています。

明治大学 情報メディア部 メディア支援事務室 瀧澤 静 氏の写真 瀧澤 静
明治大学 情報メディア部 メディア支援事務室

導入効果と今後の展開

グローバルに活躍する学生、教職員をサポートする情報基盤を構築

システムの移行のタイミングで、これまでキャンパスや学部ごとに分かれていたメールドメインが「@meiji.ac.jp」に統一されました。「こ のドメインで発信した人間は、明治大学の構成員であることを担保することができます。この点に、まずこの新システムの大きな意義があると考えています。学 生にとっては、まず就職活動の際に役立つはずです。PCからでもスマートフォンからでも利用できるように設定してほしいと思います」と鎌田氏は言います。

また、保守・運用面では、オンプレミスでは不可能だった24時間365日の稼働が可能になったこと、管理するサーバが1/4に削減できたことで管理 の負荷が大幅に軽減できたことなどを評価しています。「法令による設備点検やシステムメンテナンスのため、年に数回サービスの停止をする必要があり、その 際にメールシステムが使用できないことをユーザーに連絡する必要がありました。今回クラウドサービスを利用したことで、こうした運用負荷からも解放されま した」と石山氏は説明します。

さらに、Office 365が標準でもっているレポート機能も、システムを更新したことによるメリットとしてあげています。例えば、ユーザーがどの 端末で利用しているのかといった情報もタイムリーに確認できます。「実は、この機能でOWA(Outlook Web Access)の利用が圧倒的に多いことが分かりました。利用状況が分かることで、運用の改善につなげていくことが可能になります。運用面の判断が必要な 場面ではレポートの内容を積極的に活用していきたいと考えています。」と石山氏。 国内・海外を問わず、いつでもどこからでもつながる情報基盤を得て、次の時代に向けさらなる進化を遂げようとしている明治大学様。富士通は、大学が取り組 む様々なテーマに向け、豊富な実績と先進的な技術で支援していきます。

学校法人明治大学様のシステム構成図です。Office 365を活用し、各キャンパスと連携したメールシステムは、メールドメインの統一を実現するとともに、24時間365日止まらない情報基盤の確立を図りました。

(写真)明治大学様ご担当者様と富士通株式会社プロジェクトメンバー 明治大学様ご担当者様と富士通株式会社プロジェクトメンバー

日本マイクロソフト株式会社 担当者からの一言

明治大学様の場合、アカウント数が多く、移行には手間がかかるものと思っていました。しかし、トラブルはおろか、移行に際しての問い合わせもほとんどありませんでした。それは、富士通のプロジェクトメンバーが体制を整え、綿密に立てられた計画のもと、弊社のリソースとしてはプレミアサポートも上手く活用いただきながら、着実に作業を行ったことが大きいと思います。

お客様である明治大学様のことを考え、つねに最善なことを先回りして実行されていたようで、プロジェクトに取り組まれる姿勢に学ぶものがありました。

学校法人明治大学 様

所在地 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1
代表者 理事長 日高 憲三
創立 1881年
教員数 2,945名(2014年7月現在)
学生数 33,552名(2014年6月現在)
概要 「権利自由」「独立自治」の建学の精神を胸に。明治大学は、世界へ。
明治大学は、強い「個」を目指す教育を揺るぎない伝統として継承し、歴史を重ね、社会に貢献する有用な人材を送り出してきました。これからも時代を見据え、世界的な教育・研究拠点となり、世界規模で活躍できる人材を育成するトップユニバーシティを目指します。

学校法人明治大学様のロゴマーク

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[2015年06月25日掲載]

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