クラウド運用管理

高信頼な基幹システムの移行におすすめの国産クラウドサービス ~FJcloud-Oの可用性~

パブリッククラウドの浸透に伴い、オンプレミスで運用していた基幹システムをクラウドへ移行するお客様が増えています。
基幹システムをクラウド化した場合でも、オンプレミスと同等の可用性は維持したいと考えるお客様は多いです。
オンプレミスからパブリッククラウドへのスムーズな移行を実現したい方におすすめの国産パブリッククラウドサービスがFUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O(以降、FJcloud-Oと略す)です。
本記事では、クラウドサービスで提供されている可用性とクラウドサービスを利用するお客様が検討すべき可用性のポイントについてまとめています。

本記事はこんな方にお勧めします

  • オンプレミスの高い信頼性が求められるシステムをクラウドへ移行しようとしている
  • オンプレミスでは可用性設計をしていたが、クラウドでの可用性設計をこれから検討しようとしている

次の3つの観点で可用性について記載しており、高い信頼性が求められるシステムを移行しようとしている方は必見です。

  • インフラストラクチャー
  • 仮想サーバー
  • ソフトウェア

本記事で説明する可用性の観点

図1. 本記事で説明する可用性の観点

1. FJcloud-Oの概要

FJcloud-Oは、各種機器、ソフトウェアの販売・サポートをしている富士通が構築、運用するオープンソース基盤の国産クラウドサービスであり、4つの特長があります。

  1. 移行性:「小さく始めて柔軟に拡張、既存システムからの移行や連携が容易」
    サービスポータルでの随時構成変更、データの持ち込みやオンプレミスの仮想サーバーをインポートする機能などを提供しています。

  2. 継続性:「ソフトウェアの長期サポートや割引制度で長期に安定した利用が可能」
    Red Hat Enterprise Linux AUS (Advanced Mission Critical Update Support)による特定マイナーリリースの長期にわたる継続的な修正、FJcloud-Oの無停止保守によるシステムの継続利用などを提供しています。

  3. 機密性:「堅牢なデータセンターとリソースの使い分けで機密性を確保」
    堅牢な国内データセンター上でサービスを稼働することで、データの国外流出リスクが比較的低くなります。
    また、共有リソース・専有リソース両環境を提供することによりお客様の利用用途やコンプライアンスレベルに合わせてご利用が可能です。

  4. 拡張性:「ビジネス要件に合わせた柔軟なネットワーク拡張が可能」
    閉域ネットワーク基盤であるDigital enhanced EXchange(以降、DEXと略す)を提供することで、FJcloud-Oと富士通データセンター内のお客様環境の接続が簡単にでき、他社クラウドサービスとの接続も可能です。
    DEXで接続した富士通データセンター間でディザスタリカバリー(災害復旧)や遠隔バックアップの仕組みを構築することで、可用性を高めることも可能です。

なお、詳細については以下の資料を参照してください。

2. FJcloud-Oの可用性

2.1.インフラストラクチャーの可用性

FJcloud-Oでは、地震などの影響を受けにくい国内の堅牢な富士通データセンターを利用しており、物理サーバー、ストレージ、ネットワークなどが完全に冗長化されています。
そのため、オンプレミスのようにお客様がインフラストラクチャーの可用性を設計する必要がありません。
また、冗長化によりFJcloud-Oでメンテナンスやリプレースが行われる場合でもお客様のシステムを停止する必要はありません。
しかし、災害が発生してデータセンター全体が停止してしまった場合、これだけでは可用性を保つことができません。
そのような場合に備えるには、複数のリージョンで冗長性を持たせるように業務システムを構築することが有効です。
FJcloud-Oは、東日本と西日本それぞれにリージョンが存在します。(2023年10月時点)

FJcloud-Oのリージョン

図2. FJcloud-Oのリージョン

2.2.仮想サーバーの可用性

FJcloud-Oでは、仮想コンピューティング環境を仮想サーバーとして提供しています。
仮想サーバーの可用性を向上させるにはオートフェイルオーバー機能を利用することが有効です。
この機能を有効化することで物理ホストマシンが故障などで停止した場合、その上で稼働していた仮想サーバーを自動的に別のホストマシンに移動して稼働させることができます。
故障によるシステムの停止時間を抑えることで、ビジネス損失の発生も抑えることができます。
クラウドサービスとして提供されているため、オンプレミスのようにお客様がオートフェイルオーバーの仕組みを構築する必要がありません。

オートフェイルオーバー

図3. オートフェイルオーバー

2.3.ソフトウェアの可用性

FJcloud-OはIaaS・PaaSを提供しています。
FJcloud-OをIaaSとして利用した場合、仮想化基盤またはインフラストラクチャーのようなハードウェアの可用性はFJcloud-Oのサービスとして提供されています。
しかし、OS・ミドルウェア・アプリケーション・ユーザーデータなどのOSから上のレイヤーの可用性は、FJcloud-Oを利用するお客様が検討をする必要があります。
例えばオートフェイルオーバーの場合、物理ホストマシンの故障などで仮想サーバーが別のマシンで起動するまではFJcloud-Oのサービスで実施可能ですが、仮想サーバー起動後のアプリケーションについてはお客様が起動状態を確認し、異常発生時はお客様が対処をします。
この例での対処としては、OS・ミドルウェアなどのソフトウェアの状態を監視することで、ソフトウェアに異常が発生したことを検出し、ソフトウェアの再起動や待機系サーバーへの切替えなどを実施する必要があります。
この対処をお客様自身で仕組みを構築して実施することは時間・費用などのコストが大きくなります。

ミドルウェア異常検出時の対処例

図4. ミドルウェア異常検出時の対処例

そのため、弊社で提供している「Fujitsu Software PRIMECLUSTER」のようなHA(High Availability)クラスタソフトウェアなどを活用することでお客様のコストを抑えつつも、システム全体の可用性を高めることはクラウド環境でも有効です。
ミドルウェアやアプリケーションなどの異常によるサービス停止の早期復旧およびデータセンターの災害も考慮したFJcloud-Oでの可用性設計の一例として、ミドルウェアやアプリケーションなどの異常はデータセンター内の仮想マシンにPRIMECLUSTERを導入することにより冗長化し、データセンターの災害はデータセンター間のストレージをDEXで接続することで冗長化することができます。

PRIMECLUSTERとDEXを活用した構成例

図5. PRIMECLUSTERとDEXを活用した構成例

HAクラスタリング・ソフトウェア「Fujitsu Software PRIMECLUSTER」の詳細は下記のページをご覧ください。

基幹システムを支える信頼の国産クラウド「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O」の詳細は下記のページをご覧ください。

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