株式会社ウイング様

Fujitsu Softwareビジネスプログラムを活用し、競合から協業へ

~1社では成し遂げられなかった出会いから、新たな市場へ~

新潟県新潟市に本社を置く株式会社ウイング(以下、ウイング)は、1991年創業のIT企業だ。2024年現在新潟県内2拠点と東京、大阪に計4拠点を構え、ローコード開発プラットフォーム「GeneXus」のライセンス販売や同製品を利用したシステム開発等、国内代理店としてのビジネスを展開している。
2022年、新たなビジネス戦略を見据えたウイングは「Fujitsu Softwareビジネスプログラム」へと加入した。加入に至った背景やもたらされたメリット、今後の展望についてウイングに聞いた。

課題
効果
課題GeneXusの認知度を向上させ、新たな顧客層に向けて製品・サービスを展開したい
効果Fujitsu Enterprise Postgres(以下、Enterprise Postgres)との連携で、高性能なデータベース要件に対してもソリューションとして提案が可能に。
Fujitsu Software ビジネスプログラム(注1)が提供する会員支援策を活用し、1社単独のプロモーションでは出会えなかった顧客にも効果的にアプローチ。
課題さらなる販路拡大を見込んで、協業パートナーを増やしたい
効果ビジネスマッチングにより、新しい販売パートナーや導入支援パートナーとの出会いに期待

背景

新製品ひしめく「ローコード・ノーコード開発時代」の中で、拡販の方向性を模索

GeneXusの国内代理店であるウイングは、世界的な「ローコード・ノーコード開発ブーム」の隆盛に先立ち、2005年から同製品の取り扱いを開始した。120社400ライセンス以上という国内トップクラスの導入実績を誇り、独自開発テンプレートの展開や導入コンサル等、上流工程から技術サポートまでをカバーする、トータルで手厚いサービス展開を特徴としている。
そんなウイングの課題となっていたのが、新製品ひしめく「ローコード・ノーコード開発時代」におけるビジネス戦略だ。ウイングで同製品の営業・拡販を統括するLowCode開発事業部 営業統括責任者 中川氏は、「プロモーションの勢いで他社に押し負けていると感じることも正直ありました」と当時を回想する。
「2010年代後半から、ローコード・ノーコード開発関連市場には次々と新しい製品が登場してきました。目新しく直感的な製品が登場すると、やはりそちらに市場・顧客の注目が集まる。老舗の開発者向け製品は相対的に注目度が下がりやすく、今後のビジネス戦略に対する課題感を持っていました」(中川氏)

株式会社ウイング
LowCode開発事業部
営業統括責任者
中川正也氏

そんな折、ウイングにコンタクトを取ってきたのが富士通のパートナービジネス担当者だった。中川氏は、「実は、過去に富士通製データベースとGeneXusを組み合わせて顧客に提供したことがありました」と経緯を説明する。「その際は、案件ベースでの単純な組み合わせ提案だったんです。今回の打診は、『当時の連携を元に両製品の検証を改めて実施し、ソリューションの形に仕立てて新たに展開しないか』という内容でした」(中川氏)

ポイントと効果

Enterprise Postgresとの連携を軸にプロモーションを展開、製品の認知度向上へ

富士通からの提案について、社内検討の中心となったLowCode開発事業部 マネージャー 伊藤氏は、「高性能なデータべース要件を持つお客様に組み合わせソリューションとして提案を行う際の、よい選択肢になると感じました」と当時を振り返る。

株式会社ウイング
LowCode開発事業部
マネージャー 伊藤創氏

「GeneXusは、顧客要件に合わせてデータベースを自由に選択できます。富士通の『Enterprise Postgres』は高性能で、富士通のサポートが受けられるという安心感がありました。PostgreSQLベースのオープンスタンダードなデータベースである点も、私たちが得意とするアジャイル的な考え方と非常に親和性が高いです」(伊藤氏)

   
  

「検証と並行して打診されていたのが、『Fujitsu Softwareビジネスプログラム』への加入でした」と、伊藤氏は話を続ける。「新しく設立されるビジネスコミュニティー、とのことで。話を聞く中で『ソフトウェア業界の発展を目指す』という理念に共感し、また、提供される支援策が当社の抱えるビジネス課題を解決する糸口となる、と強く感じたため、加入を決めました」(伊藤氏)

   
  

Fujitsu Softwareビジネスプログラム(以下、ビジネスプログラム)は、会員のビジネス拡大とソフトウェア業界の発展を目指す富士通主管のビジネスコミュニティーだ。2024年1月現在約120社の会員企業が所属し、それぞれの「得意技」を生かした新ビジネス創出を目指している。
新規ビジネス創出に向け、同プログラムは会員向け支援策を多数展開する。ウイングが利用したのはセミナーへの集客協力だった。「Enterprise Postgresの連携を軸に、エンドユーザー向けのWebセミナーを開催しました。そのセミナーの集客にビジネスプログラムが協力してくれる、というのが支援の概要です」(伊藤氏)

セミナー開催を担ったマーケティング推進室 浅川氏は、「富士通のメルマガ等での情報発信後に申込数がぐっと増え、影響力を実感しました」と当時を回想する。「これまで自社のみでは繋がりを持てなかったお客様からも、数多くお申込をいただきました。新たな接点でウイングの良さを訴求できた、と手ごたえを感じました」(浅川氏)

株式会社ウイング
マーケティング推進室
浅川亨子氏

セミナーを発端に、新たな協業の芽も生まれている。「セミナーに参加したトータルシステムデザイン様から、『GeneXusを自社ビジネスに活用したい』と連絡があったんです」と、浅川氏は話を続ける。
株式会社トータルシステムデザインは、茨城県に本社を構えるシステム開発会社だ。エンドユーザー向けにシステム開発から保守運用までを長年担ってきたが、ビジネスが拡大するにつれ、技術者の人員不足に悩まされるようになったという。同社開発部の林氏は、「ウイング様のことは、富士通から案内を受けて参加したセミナーで初めて知りました」とコメントを寄せる。「技術者不足解消のため、ローコード開発ツールの調査を進めていました。その中でも確かな歴史や金融系大手ユーザーでの採用事例といった信頼性の部分から採用を決め、ウイング様に声をかけました」(林氏)
現在同社はウイングの支援を受けながら同製品のスキルを習得すると共に、新規会員としてビジネスプログラムにも加入。Enterprise Postgresの技術習得にも前向きに取り組んでいる。浅川氏は、「新たな技術パートナーとして、実案件をベースに協業が進んでいます」と近況を語る。「きっかけとなったビジネスプログラムの支援策には、非常に感謝しています。このような機会を、今後さらに増やしていきたいですね」(浅川氏)

今後の展望

進化を続けるローコード・ノーコードビジネスで、プログラムを通じた新たな出会いに期待

ビジネスプログラムを通じたウイングの未来について、「今後は既存の推論エンジンのみならず、他社のLLMも活用した自然言語処理が搭載される予定です」と中川氏はツールの展望を語った。「AI技術の活用でソフトウェア開発の垣根が低くなれば、ウイングとしてもまた違った形でお客様へのアプローチを考える必要がある。ビジネスプログラムは定期的に会員向けの交流イベントを開催しているので、今後のビジネスを考える新たな出会いの場として、支援策やイベントをさらに活用していきたいです」(中川氏)

同プログラムが2023年6月に開催した会員向けイベント「名刺交換会」には、ウイングを含む約200名の会員が参加した。製品連携等、会員同士が新たな協業を進めるための「ビジネスの芽」はイベントからも複数生まれており、プログラムの規模拡大に伴ってその数は増え続けている。
「ローコード・ノーコード開発製品を扱う、いわゆる『競合他社』がプログラム内に複数社いることも、よい刺激になっています」と、中川氏は語る。「話を聞いてみると実は同じように悩んでいることもあり、共通の場でフラットに話ができる機会は貴重だと感じます。入会のきっかけは『競合他社に負けないプロモーションを』という思いでしたが、今はビジネスプログラムがメッセージとして発信している『競合から協業へ』というフレーズにも、実感を持って共感しています。市場への新たな価値を提供に向けて、今後も他社との協業の形を模索していきたいと思います」(中川氏)

ウイングの皆様
ウイングの皆様

株式会社ウイング様

本社所在地 東京都千代田区神田松永町18番地 ビオレ秋葉原4F(東京本社)
設立 1991年5月17日
代表取締役社長 樋山 泰三
資本金 93,225,000円
従業員数 91名(2023年7月31日)
ホームページ https://weing-genexus.com/
事業概要 LowCodeシステム構築支援、LowCode製品及びサービス販売、導入支援、先端技術を利活用したDXシステム構築と販売

[2024年2月掲載]

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