SPARC/Solaris 探検隊
第10回:SPARC M10を起動してみよう!(前編)

2013年7月16日


 

前回はSPARC M10-1を19インチラックに搭載しました。

早速このサーバを使いたいところですが、サーバを使うには、まずサーバを起動させなければいけません。
今回から2回に渡って、SPARC M10を起動させたいと思います。

SPARC M10を起動させるときは、このような流れで操作します。

SPARC M10にケーブルを接続、XSCF起動

今回の記事ではここまで 

XSCFにログイン & XSCFの環境設定

  

SPARC M10起動

ここで、"XSCF" について説明します。
XSCFとはSPARC M10内部に搭載されている機構で、サービスプロセッサによってSPARC M10本体を制御して、本体を起動・停止させたり、本体が正常に稼動しているか監視したりするものです。

SPARC M10に電源ケーブルを接続すると、通電してXSCFが起動しますが、これだけではサーバ本体は起動しません。XSCFにログインして、起動コマンドを入力することで、初めてサーバを起動できるのです。

XSCFの詳細については、こちらもご参照ください。
システム監視機構(XSCF)によるサーバの監視・制御

(注)サービスプロセッサについては、第5回の記事を見てみてくださいね。

SPARC M10-1を観察しよう!

まずは、SPARC M10-1のポート(ケーブルの差込口)やLEDランプなどを観察していきましょう。

前から観察!

SPARC M10-1を前から観察してみましょう。

電源に関わる部分は右上の赤色の枠のあたりです。
この部分をもっとよく見てみましょう。

拡大してみました。
①は装置の状態を教えてくれるLEDランプです。3つのLEDの点灯はそれぞれ違う状態を示すのですが、それは後でお話していきます。
②はモードスイッチと呼ばれる、サーバの保守に使用するスイッチです。今回はXSCFにログインするときに使用します。
③は電源スイッチです。これを使ってサーバを起動させたり、停止させたりすることもできるのですが、SPARC M10はサーバに接続したパソコンを使って起動させることが多いため、あまり使用しません。

後ろから観察!

今度はSPARC M10-1を後ろから観察してみましょう。

後側にはケーブルを挿すためのポートがたくさんあります。
①は電源ケーブルを挿すためのポートです。SPARC M10-1は電源ユニットが冗長化されているので、電源ケーブルを2本接続して使います。

②,③はそれぞれXSCF, OSにネットワーク接続するためのLANポートです。
通常は②のポートでXSCFに接続してサーバの電源を入れるのですが、最初はネットワークの設定をしていないため、このポートは使えません。
そこで、④のポートを使います。このポートはXSCFと操作用のパソコンを直接シリアルケーブルで接続するためのシリアルポートです。

まず、これらのポートにケーブルを接続していきます。

ケーブルを接続します

それではケーブルを接続していきましょう。
まずは、XSCFのシリアルポートにシリアルケーブルを接続し、次にXSCFのLANポートとOSのLANポートにそれぞれLANケーブルを接続します。

シリアルケーブルは操作用のパソコンに、LANケーブルはLANのハブにそれぞれ接続します。

今度は電源ケーブルを接続します。
接続する際には、抜け防止の機構(緑色の輪)を使って、しっかりと固定します。

抜け防止機構のおかげで、こんな風に引っ張っても電源ケーブルはほとんど抜けません。
(注)皆さんはマネしないでくださいね。

電源ケーブルを接続した後、SPARC M10とシリアル接続したパソコン上でターミナルソフトウェアを起動すると、このようなメッセージが表示されます。

Welcome to System Control Facility Module Version 2032
    Copyright (c) 2011-2012 FUJITSU LIMITED, All Rights Reserved.


Diagnostics :

 1.CPU Register Test               ##morethan####morethan## OK
 2.L2 Cache Test                   ##morethan####morethan## OK
 3.RTC Low Battery Test            ##morethan####morethan## OK
 4.SDRAM Test                      ##morethan####morethan## OK
 5.RTC Operation Test              ##morethan####morethan## OK
 6.SPI-FMEM Test                   ##morethan####morethan## OK
~(省略)~

これは、XSCFが起動し始めたことを示すメッセージです。

ここでサーバ前面のLEDを見てみましょう。

真ん中の"XSCF" と書かれたLEDが緑色に点滅しています。
(写真ではLEDが点いたり消えたりしている様子をお伝えできませんが・・・)

さらに3分ほど経過すると、このLEDの状態が点滅から点灯に変わり、XSCFの起動が正常に完了したことを教えてくれます。

ターミナルソフト上には以下のメッセージが出力されます。

multi_set_system_scf_ready.sh -- complete
-- initialize complete (SCF_READY)

localhost login:

ログインプロンプトが表示され、XSCFにログインできるようになりました。
今回はここまでです。
次回はXSCFにログインして、SPARC M10-1を起動させたいと思います。


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