兵庫県神戸市 様

医療機関向けのSI運用マネジメント・データアナリスト経験の全てを地元に還元

スーパーコンピュータ「富岳」を運営する理化学研究所がある街として有名で、阪神淡路大震災の被災地でもある神戸市。震災復興にかかった負債の返済がようやく終わり、未来に向けて挑戦的な予算投入ができる環境となり、これからさらに魅力的な街に変わろうとしているという。
富士通から即戦力、岡 健士郎がデジタル人材として派遣され現地移住することで、地域の一員となり、地域の発展と持続可能なまちづくりへの貢献、課題解決を目指して活動しています。

富士通で得たもの

2015年入社。大学で、読影医に向けた画像解析にAIを使用し研究していた経歴から、医療機関向けのシステムインテグレーション・運用保守に関するマネジメント業務に従事。

神戸市で発揮したもの

2023年8月~現職。

  • 神戸市で行っているスマートシティの推進業務(医療・健康):コンソーシアムで進めるプロジェクトの運営/BeSmartKOBE事業の推進にかかる支援など
  • システム管理運営
  • データサイエンティスト:データ分析による政策立案など

DX人材としての成果

  • 医療SEで培ったスキルや経験を広範囲で活用
  • ポータルサイトの魅力向上とサイト集約によるIT投資圧縮
  • データアナリストの視点での施策分析
  • 個人の目標でもある、生活に身近なサービス設計に従事
岡 健士郎 氏写真
これまでのスキルを広範囲で活用できること、また富士通の中ではできなかった、企業や分野を越えて多くの企業とサービス共創していけるところに魅力を感じています。

岡 健士郎(スマートシティ担当)

出向背景と経緯

神戸市は、1998年に医療産業都市構想を立案し、医療産業都市として日本の先進医療を牽引してきました。医療業界に強い富士通はPHR事業等で以前からお付き合いがあり、医療の知見がある人材を求められていることを知りました。
ビジネス創出にも積極的で、『地元企業をより強くする』『新しいベンチャーを育てる』などの取り組みを通して、神戸市を活気ある街にしていこうとしています。「このような取り組みに参画し地元神戸への貢献ができることは私自身のモチベーションにもつながるため、出向しようと決意しました」と岡は語る。

神戸市での主な取り組み

「私の知見と、富士通の強みを医療分野に特化した形で進めて欲しいとの要望があり、現在は下記3点を中心に担当しています。SE時代に培ったスキルが、ここでも役に立ちました」(岡)。

  1. 神戸市で行っているスマートシティの推進業務(医療・健康)
    • コンソーシアムで進めるプロジェクトの運営:スマートシティの実現に向けて、市民・企業・行政・研究機関など様々な方に参加いただき共創する場の提供と運営を担当。地域課題をベースに、新しいサービスを検討する際に、勉強会やイベントの実施などを神戸市としての立ち位置で支援をしています。
    • BeSmartKOBE事業の推進にかかる支援(医療):市民サービス向上に資するサービス実現に向けたの支援を担当。企業が考えた新サービスの実装までを「応援します」という意味を込めて、一部の補助金と実証支援制度を実施。中でも、医療関係のビジネス『電子お薬手帳を活用した薬の相談窓口サービス』や『運動習慣改善を促すサービス実証』などの実装に向けたサポートをしています。
  2. システム管理運営
    • ポータルサイト「スマートこうべ」の機能向上:神戸ライフをサポートし、市民が毎日見るようなポータルサイトを目指して提供しているサイトの魅力向上を担当。地元新聞社との記事連携やイベント情報の集約、新コンテンツ開発など、今後は防災・防犯情報の連携を計画しています。
    • IT投資圧縮:公式HP以外の特設サイトのWEB基盤の集約・サイト情報の整理によりITコストの最適化を推進。具体的には、PV数調査から基準に満たないサイトの廃止や類似コンセプトのサイト集約。基盤集約によるレンタルサーバー費用の削減、AWS上で運用可能なサイトの選定やサイト事業者との移行設計および運用委託仕様の見直しなどがあります。
  3. データサイエンティスト
    • データ分析による政策立案:神戸市が推進しているEBPM(注1)において、データ分析のスキルを活かした業務支援を行っています。プログラミングのスキルを活かし、内製でプログラムを実装するなど幅広く担当しています。

(注1)EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング/エビデンスに基づく政策立案)とは、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすること。政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータを活用したEBPMの推進は、政策の有効性を高め、市民の行政への信頼確保に資するものとなる。

取り組み効果

  1. スマートシティの実装支援は、まだこれからという段階です。サービスが生み出す価値の実感やそのサービスを継続するために、マネタイズを含めて検討し、企業が自走できるよう、医療SEとして培った現場の感覚を存分に活かし、よりよいサービス実現に貢献したいと思います。
  2. ポータルサイトの魅力向上は、コンテンツ充実や各々の趣味趣向に合わせた記事・イベントを表示できるようにしました。イベントなどでの広報活動を積極的にしていることもありPV数は着実に伸びています。ユーザビリティテストといって、市民の方にサイトに触れていただき評価してもらう中で、まだできることも多いと感じ、引き続き魅力あるサービスとして提供できればと思います。また、サイト集約の取り組みによるIT投資圧縮は着実に効果が出始めています。サイト移行の課題、集約のスピード感や移行にかかる費用などの課題も明確になってきました。移行にかかる費用も含め投資対効果を最大化できるように進めています。
  3. データ分析により、施策の効果がデータに基づいて判断できることで、新しい施策の検討と継続してきた施策の継続要否の判断への活用を進められています。データで見ていると、廃止という選択肢もまた市民の方のメリットとなるケースがあることも発見できました。また、データサイエンティストの観点が施策分析だけでなくスマートシティ推進にも役立っているとは感じています。過去の施策評価も限られた情報のみで実施する必要があるため、遡って新たな情報収集はできないため分析が難しいことがあります。そのため、最終的にどのように評価するかを見据えて施策検討することは重要で、その中でデータサイエンティストとしてどういった情報を収集しておくべきかを考える視点は役に立っています。

感じたやりがい と 今後の展望

これまでのスキルを広範囲で活用できること、また富士通の中ではできなかった、企業や分野を越えて多くの企業とサービス協創していけるところに魅力を感じています。中でも、生活に身近なサービス構築を検討できるところにも大きなモチベーションがあります。神戸市に行くという判断をしてまだ半年ですが、これまでに蓄えてきた知識をフル活用し、自分にしか出来ない業務に携われることに働きがいを感じています。
今後の展望としては、庁内DX人材教育に関わりたいと思っています。神戸市は変化に対して積極的な職場で、内製で業務改善や効率化のための人材育成に取り組んでいます。一人ひとりが業務改善・改革を実行できるように人材育成のサポートをしたいと思っています。

派遣先プロフィール

兵庫県神戸市
企画調整局 調整課 スマートシティ担当

約半年で、すでに幅広くスキルを発揮いただき多くの業務を推進していただいています。特に自治体職員では経験できないスキルや技術をお持ちで、システム管理運営面での特設サイト集約やポータルサイトの運営をお願いしています。他にもデータ分析での新規プログラム開発など高度な取り組みと成果を出していただき、東京大学政策評価研究教育センターでデータ分析の取り組みを発表いただくなど今後の取り組みにも期待をしています。また、神戸市は先進的な取り組みも多く進めていますが、出向者から見れば自治体のDXが遅れていると感じる部分もあるかと思います。これからも変えるべきところがあれば積極的に提案・推進いただけると嬉しく思います。

神戸市デジタル監(最高デジタル責任者)正木 祐輔 氏

富士通ではお客様のDX促進、社会課題の解決に取り組みに向けて、出向または業務委託にて対応いたします。

ご不明な点やご要望などございましたら、
お気軽に下記お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

DXプロデュースに関するお問い合わせ・ご相談

お電話でのお問い合わせ

0120-933-200

受付時間 : 9:00~12:00および13:00~17:30(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

Webでのお問い合わせ

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。