パーパスとサステナビリティ

Fujitsu Technology and Service Vision 2021

「Fujitsu Technology and Service Vision 2021」では、大きな時代の変曲点の後の新しい世界を形づくる5つの重要なトレンドを紹介するとともに、より持続可能な世界の構築に向けた富士通のレスポンシブルビジネスへの取り組み、富士通が今後重点を置く領域での未来シナリオ、そしてその実現に貢献するテクノロジーイノベーションのビジョンを紹介します。

複雑で困難な課題に直面する今、社会的価値を共創するエコシステム型への変革が迫られています。長年にわたりテクノロジーを通じてお客様に価値を提供してきた富士通のレスポンシブルビジネスの実践を紹介します。

富士通のパーパスとサステナビリティへのコミットメント

目的駆動の社会へ

ビジネスの目標と社会の目標の方向性を合わせる

現代の社会は、パンデミックのみならず、気候変動、高齢化、産業廃棄物、健康、不平等などの困難な問題に直面しています。これらは、各国の政府が取り組むだけでは解決することができない、複雑な課題です。ビジネスはこれらの問題にどう向き合うべきでしょうか。

世界のビジネスリーダーの意識は急速に変わってきています。富士通が2020年に実施した調査では、92%の回答者が社会への価値提供はビジネスの中長期の持続可能性にとって重要だと答えています。ビジネスの目標と社会の目標の方向性を合わせることが不可欠なのです。国連が2015年に定めた持続可能な開発目標 (SDGs)は、より良い世界に向けたグローバル共通の目標です。これらの目標に向かって、様々なステークホルダーがコラボレーションすることが求められています。

ここでは、富士通のパーパス(社会における存在意義)、再生型の社会に向けた変革のステップ、SDGsおよび脱炭素社会への貢献を含めた責任あるビジネスへの富士通の取り組みをご紹介します。

17の持続可能な開発目標(SDGs)のアイコン

わたしたちのパーパス

イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく

イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく

世界はより複雑に結びつき、様々な困難な課題に直面しています。テクノロジーにはこれらの課題を解決する大きな力があります。富士通は長年にわたりテクノロジーを通じてお客様に価値を提供してきたグローバル企業として、社会の変革に主体的に貢献する責任があります。

その強い思いの下、2020年に富士通のパーパスを新たに定めました。「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」に全社の事業活動をフォーカスさせていきます。

人々が抱える課題に共感し、スピード感をもって協力して解決策を生み出し、環境・社会・経済により良いインパクトをもたらしていくためには、わたしたち一人ひとりがこのパーパスを自分の事としてとらえることが不可欠です。

そのためにパーパス・カーヴィング (Purpose Carving) という取り組みを始めました。このプログラムは、一人ひとりが自分自身の生きるパーパスについて思いをめぐらせ、彫りだして (Carving)、それを会社のパーパスと重ね合わせることを通じて未来に向けて何をしていくべきかについて考える機会を与えるものです。経営層に続き、全世界の社員にこの取り組みを展開していきます。

2030年に向けて

誰も取り残されない持続可能な社会に向けて、人・地域・企業・もの・データがつながり合い、生活者視点の価値が提供され、社会課題を解決するイノベーションを生み出していくことが重要です。

パーパスに掲げた社会に信頼をもたらすイノベーションを実現するためには、3つの要素が重要だと考えています。第1に、生活者一人ひとりのウェルビーイングや個性と尊厳を重視した「ヒューマンセントリック」なアプローチ。第2に、高まる不確実性に対して「予測・予防」により変化への対応力を強化。第3に複雑化する社会課題に対する「コネクテッド」サービスです。これら3つの要素を組み合わせることが必要です。

社会に信頼をもたらすイノベーションを実現するための3つの要素

ヒューマンセントリック
誰も取り残さず、人の可能性を最大化するパーソナライズされたサービスを提供。

コネクテッド
誰もが安心してコネクテッドライフを享受できる信頼あるデジタル社会の形成。より多くのデータと知識をつなぎ、革新的なサービスを共創。

予測・予防
予測・予防シミュレーションによって、人々が豊かで健康的に暮らすことができるデジタル社会を形成。リアルタイム・データの解析により最善策を提示。

デジタルトランスフォーメーションのステップ

より信頼できる社会に変革していくために、変化への対応力、社会への価値提供、そしてエコシステムにおける価値共創を段階的に強化していくことができます。
複雑な社会問題の解決には、1社単独ではなく、多くのプレーヤーが知恵と技術を出し合うエコシステム型の取り組みが不可欠です。これは、より信頼できるビジネス・社会へのロードマップです。逆に、ステークホルダーからの信頼を得られなければ淘汰されることになるでしょう。

1 レジリエンス強化

デジタル化を通じて、変化への対応力を強化

2 社会価値の強化

社会により大きな価値をもたらすよう既存ビジネスを変革

3 エコシステム型ビジネスへの進化

ビジネスモデルを社会的な価値を共創するエコシステム型に変革

エコシステム型のビジネスモデルに変革するための3つのステップ

エコシステムがつながる再生型の社会

エコシステム型ビジネスモデルを実現するための鍵は信頼できるデータをつなぎ、循環型のスキームを創ること

人の時代へと変化するにあたって、従来の縦割りの産業構造は崩れ、人が必要とする価値を生み出すさまざまなエコシステムが形成されていきます。

これらのエコシステムの中でデータがエンドツーエンドにつながることにより、かつての大量生産・大量消費のスキームから循環型のスキームに経済・社会構造が変革し、これまでの成長の副産物である環境・社会課題の解決につながる可能性があります。

これまでの経済・社会は、財務的な価値を世界共通の評価指標とし、その循環によって成り立ってきました。しかし、今後構築すべき目的駆動の社会においては、財務的な価値に加えて、共通の目的に合致した非財務的な無形の価値を世界共通の評価指標として、その価値を誰もが信頼できる形で示し、循環させることが大きな意味を持っていきます。例えば、世界中で行われる生産・消費活動のバリューチェーンの中で、CO2排出をどれだけ抑制し再生可能エネルギーに切り替えているかといった取り組みが無形の価値として評価されることです。

富士通は、信頼できるデータでさまざまなサービスをつなぎ、データから価値を生み出してエコシステム型ビジネスモデルの実現を可能にしていきます。

レスポンシブルビジネス

気候変動やパンデミック、格差の拡大などの環境・社会課題が深刻化する中で企業には全てのステークホルダーに配慮する経営を行うことが求められています。富士通では、グローバル企業として責任あるビジネスを行うために、サステナビリティ経営の重要課題をグローバル・レスポンシブルビジネス (GRB) と定めました。人権・多様性、ウェルビーイング、環境、コンプライアンス、サプライチェーン、安全衛生、コミュニティの7つの課題において、ありたい姿と2022年度のKPIを定め、活動を開始しています。

これらの活動はお客様・社会からの信頼獲得や、パーパスを実現する企業カルチャーへの変革と従業員のエンゲージメント向上につながると考えています。そこで、従来の財務指標(売上や利益)に加えて、非財務指標(従業員エンゲージメント、顧客NPS*1、DX指標)を経営の成功を測る指標に設定し、財務指標と非財務指標のバランスの取れた成長を目指していきます。

*1 Net Promoter Score

グローバル・レスポンシブルビジネス

人権・多様性
人権・多様性
全企業活動で人間の尊厳に配慮し、人を中心とした価値創造を行う。多様性を尊重し、誰もが自分らしく活躍できる文化を醸成する。
ウェルビーイング
ウェルビーイング
全ての社員が生き生きと働くことができる環境を作り、社員が自己の成長を実現させて、力を最大限に発揮できる機会を提供する。
環境
環境
気候変動対策としてパリ協定の1.5℃目標の達成と、革新的なソリューション提供による環境課題解決に貢献する。
コンプライアンス
コンプライアンス
Fujitsu Wayの「行動規範」を組織全体に周知徹底し、社会的な規範を含むより高いレベルの企業倫理を意識し、誠実に行動する。
サプライチェーン
サプライチェーン
自社やサプライチェーンにおいて、人権や環境、安全衛生に配慮した責任ある、かつ多様性に富む調達を実現する。
安全衛生
安全衛生
心とからだの健康と安全を守ることを最優先し、各国地域の事情に合わせた、安全で健康的な職場環境を提供する。
コミュニティ
コミュニティ
社会課題への共感を高めて活動し、社会経済に良いインパクトをもたらす。創出したインパクトをさらなる価値につなげる。

SDGsへの貢献

富士通の社員は自主的にSDGコミュニティ絆に参加

レスポンシブルビジネスの実践には、従業員一人ひとりの意識向上と、地球規模の課題への認識を高めることが重要です。富士通では、2020年度に従業員が自発的に参加するSDGsコミュニティ|絆を立ち上げ、現在、日本を含めて対象地域を拡大しています。これは、社員がSDGsのゴールを自主的に1つ選択し、就業時間の一部を割り当てて、社員同士で情報やアイデアの共有や協力を促進するプラットフォームです。以下は、その自発的な活動の一例です。

富士通中国でのSDGイニシアティブ
中国
西安市の子供介護施設と協調し、服やおもちゃ、本を寄付。
富士通インドでのSDGイニシアティブ
インド
HelpAge Indiaと協力してインドの高齢者の権利を擁護し、より健康的な生活を送るための支援を実施。
富士通ポーランドでのSDGイニシアティブ
ポーランド
従業員の子供たちに、地域や社会貢献への意識を高めるための人権・語学・環境に関する教育を実施。
富士通フィリピンでのSDGイニシアティブ
フィリピン
Makabata FoundationやSOS Children’s Villageと提携して、ITスキルや日本に関する教育を実施 。
富士通コスタリカでのSDGイニシアティブ
コスタリカ
女性の社会進出を支援するVoces Vitales Costa Ricaと提携し、メンタープログラムを提供。
富士通ポルトガルでのSDGイニシアティブ
ポルトガル
PIN Academyと長期的な関係を構築し、発達障害を抱える子供たちへのワークショップを提供。
富士通マレーシアでのSDGイニシアティブ
マレーシア
様々な文化を理解するイベントを従業員と家族向けに実施し、民族や宗派を超えたつながりを醸成。
富士通ロシアでのSDGイニシアティブ
ロシア
動物シェルターでの清掃や食事の提供などを継続的に実施し、カザン市からBest Social Projectを受賞。

環境課題への挑戦

気候変動が世界の安定を揺るがす問題であるという認識が定着し、世界が脱炭素化に向かっています。すでに、EUおよび日本を含む120ヶ国以上が2050年のCO2排出を実質ゼロとすることを宣言しています。

富士通はグローバルテクノロジー企業として、脱炭素社会に率先して取り組み、当社自身のCO2排出ゼロの実現、お客様や社会の脱炭素化への貢献、気候変動に対する社会の適応策への貢献を進めています。

わたしたちは自社のCO2排出を2050年までにゼロにすることを2017年に発表していましたが、その動きを加速する取り組みを進めています。気候変動、資源循環、自然共生の3つの観点で9項目の目標を設定し、推進しています。さらに、2030年度の事業所における温室効果ガス排出削減目標を2013年度比で33%削減から71.4%削減まで引き上げ、2017年に取得したSBT*2の「2℃水準」を更新し、今回新たに設定した目標が「1.5℃水準」との認定を受けました。

*2 Science Based Targets:科学的根拠に基づいた企業のGHG 削減目標設定に関するグローバルイニシアチブ

富士通のCO2ゼロエミッションの実現
自らのCO2
ゼロエミッションの実現
脱炭素社会への貢献
脱炭素社会への貢献
気候変動に対する社会の適応策への貢献
気候変動に対する
社会の適応策への貢献

脱炭素化に向けた取組み

脱炭素社会に向けて

脱炭素社会に向けてすでに様々な取り組みを進めており、2021年2月には、日本国内で提供するクラウドサービス FJcloudの運用に必要な電力を2022年度までに100%再生可能エネルギーとすることを発表しました。FJcloudをご利用いただくお客様は、その業務分のCO2排出はゼロとなり、お客様の脱炭素化の一助となります。その他、様々な業種のお客様と協働して、生産や物流の最適化によるCO2排出の削減や、社会における再生可能エネルギーの普及拡大に取り組んでいます。

また、物流の最適化によるCO2排出量の削減にも取り組んでいます。例えば、富士通の量子コンピューティング技術 デジタルアニーラを活用した大規模物流効率化の実証をトヨタシステムズと北米の実データを使用して進めています。数百を超える仕入れ先から部品を仕入れ、数か所の中継倉庫を通り、数十の工場へ配送する300万以上のルートを探索する問題に対してデジタルアニーラで計算し、トラック数、総走行距離、仕分け作業などを含めた物流の最適化を実施しました。これにより、有効な新しい物流ルートの発見、積載効率の向上、トラック数や総走行距離の削減ができることを実証しました。この革新的な技術が物流におけるCO2排出量の削減につながると確信しています。

さらに、データとデジタル技術を活用し、気候変動にともない発生する自然災害へのレジリエンスの強化に取り組み、誰もが安心して暮らせる社会の実現に貢献していきます。


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  1. 目的駆動の社会へ
  2. わたしたちのパーパス
  3. 2030年に向けて
  4. デジタルトランスフォーメーションのステップ
  5. エコシステムがつながる再生型の社会
  6. レスポンシブルビジネス
  7. SDGsへの貢献
  8. 環境課題への挑戦
  9. 脱炭素化に向けた取り組み
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