製造業に求められるビジネス変革、5つの潮流を読み解く

市場の声から考えるものづくりとは?

これまでものづくりは、「もの」を、企業が企画開発、製品化、量産、デリバリーするという一方通行型の仕組みが中心でした。しかし、2000年以降インターネットの普及により顧客が商品に関する豊富な情報と商品を入手する様々な選択肢を得ることが可能となり、顧客を獲得するためにB to Bの生産財を含めて、企業も顧客の声を商品開発に取り入れることに本腰を入れるようになりました。

この様に市場の声を取り入れ、市場の変化に迅速に対応するために、設計・製造のビジネスプロセス全体をデジタル化し、社内外や業種を超えてつながる仕組みとなるエコシステムをいかに作るかが、製造業の戦略の根幹となってきています。

この図はこの記事ページのイメージ写真です。

さらに世界中の国で健康や経済への脅威となっている新型コロナウイルス感染症の影響により、現場でのものづくりが行えなくなるなど、製造業は事業継続が困難になるという課題にも直面しました。

このような中で、不確実性にも柔軟に対応できるものづくりの体制を構築することが求められています。そのためにも、ものづくりのデジタル化を加速することが求められています。

ここでは、製造業を取り巻く5つの潮流、そしてものづくりのデジタルトランスフォーメーションについて紹介します。

富士通が考えるものづくりの未来

顧客の求める様々な価値を1社だけで全て実現することは困難です。原材料サプライヤーから、販売代理店等の顧客接点までがエコシステムとしてつながることで顧客に価値提供が可能となります。そのためには、社内プロセスをデジタル化してデータで連動させるだけでなく、社外のエコシステム・パートナーとも機能をデータでつなぐ必要があります。

更に、ウイルス感染拡大の経験にもとづき、今後同様な危機にも対応できるよう、製造工場や主要なサプライチェーンを製品需要の近接地に分散するなど変化に対応できる仕組みを再構築することも必要です。

未来のものづくりでは、顧客が欲しいものを組み合わせて選択すれば、ものづくりプロセス全体が、1つの装置のように連動して、顧客が求めるものをタイムリーに供給することが可能となるでしょう。このデータでつながるエコシステムに製造業の企業をはじめ様々な企業が参加することになります。

この図は上の文章を図にしたものです。

ものづくりの5つの潮流

ものづくりは今後どのように変わっていくのでしょうか?富士通はものづくりにおけるデジタルトランスフォーメーションの潮流を、以下の5つの切り口で整理しました。

経験価値から考えるものづくり
顧客の価値観は多様化し、パーソナライズされた経験価値が重要視されています。市場の声をものづくりに活かす企業が増えてきています。顧客と常につながることで、データから顧客を深く理解する必要があります。
エコシステム上で実現するものづくり
エコシステムを形成する企業群は、プラットフォームとして支える企業、独自性を武器に個別サービスを提供する企業、デジタル技術を提供する企業の3つに分類できます。多様化する顧客要望に応えるためには、3つの企業群が協調して経験価値を生み出す必要があります。
ソフトウェア主導でものが創られる
ユーザーが受け取る価値はフィジカルなものから、ソフトウェアや情報といったデジタルなものに大きくシフトしました。変化の速い市場が求める価値を迅速にソフトウェア開発で実現するためには、社外の様々な企業やスタートアップ、研究機関等から技術を取り入れるオープンイノベーションの活用が重要となります。
ものづくりにおける人の役割変化
生産の効率化や技能継承を目的としたものづくり現場のデジタル技術の活用は既に始まっており、人が介在しなければならない業務の領域は極めて小さくなっていくと考えられます。人間とコンピューターとのコラボレーションが拡大していく未来では、人間はデータに基く重要な判断をするなど人間だけが持つ創造性や、想像力、共感力が求められていきます。
ものづくりでSDGsの達成に貢献する
企業を取り巻くステークホルダーが社会・環境の持続可能性を求める傾向が強まる中、製造業は社会・環境により配慮した商品やサービス開発がますます求められます。製造業の強みを活かして、ものづくりでSDGsの達成に貢献する戦略を立てる必要があります。

富士通はデジタルトランスフォーメーションを推進するためのコンサルティング・サービスやプラットフォームの提供や環境に配慮する活動を通して、持続可能な未来をお客様と共に創造します。 詳細は「ものづくりのデジタルトランスフォーメーション」をご覧ください。

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