ビジネスと社会の変革

Fujitsu Technology and Service Vision 2022

「Fujitsu Technology and Service Vision 2022」は、CEOをはじめとするビジネスリーダーがデジタルイノベーションによってサステナビリテイ・トランスフォーメーションを実現するための方法を提言しています。

前ページ(テクノロジービジョン)ではテクノロジーの進化が切り開く4つの未来ビジョンを示しました。

このページでは、まず、これらのビジョンに向けて動き始めた具体的な変革のストーリーを 見ていきます。これに続き、サステナビリティ・トランスフォーメーションを推進するわたしたちの新しいビジネスの取り組み「Fujitsu Uvance」 をご紹介します。

わたしたちがフォーカスする7つの重点領域(Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Healthy Living、Trusted Society、Digital Shifts、Business Applications、Hybrid IT)における課題を明らかにし、未来ビジョンをどのように具現化していくのかについての考えをお伝えします。

ビジネスと社会の変革をイメージした、晴れた日に街を歩く人々の画像。

変革への第一歩

持続可能な未来に向けて、企業はどのように変革を進めればよいのでしょうか?気候変動やエネルギー問題、地球環境や生態系の保全、人権や食の安全、健康や高齢化、都市問題やグローバル・サプライチェーンのレジリエンスなど、様々な課題が存在します。
これらの中から企業が優先すべき課題は、属する業界や事業の特徴によっても異なります。

ビジネスと社会の変革をイメージしたカラフルな空の画像。

Borderless Worldボーダレスな働きかた:富士通の働き方改革

パンデミックを経て、ハイブリッドワークがニューノーマル(新しい日常)となりつつあります。富士通も即座にグローバル13万人をリモートワークにシフト、社員が働く場所を選ぶことができる「Work Life Shift」に取り組んでいます。

この変革を推進するわたしたちの強い思いは、すべての社員の幸せ(ウェルビーイング)にあります。場所や時間にとらわれることなく、一人ひとりの自律性と互いの信頼に基づいて多様な人材が集い、お客様への価値提供や社会の変革に継続的に取り組む働き方を目指しています。導入から2年が経過し、生産性や社員のエンゲージメントの向上にも成果が見えてきました。今後は、リアルとデジタル、仕事とプライベートな生活のボーダレスな相乗効果によって社員のウェルビーイングを高めると共に、イノベーションを加速することがチャレンジです。

ボーダレスな働き方をイメージした会議の画像。

これに対し、働き方改革の第一人者であるロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授が創設したHSMアドバイザリーと共に、ハイブリッドワークに関するグローバル共同調査を実施しました。この調査から、「パーパス」を深いレベルで共有して社員とつながることと共に、リモートワークでイノベーションを醸成する「場」づくりが、持続的に高いパフォーマンスを生み出すために不可欠であることが確認されました。

わたしたちは、常に全社員からのフィードバックを尊重しながら、アジャイルに「Work Life Shift」を進化させていきます。そして、自らの経験をお客様の変革にも活かせるように、努力していきます。

私たちの働き方は、大きく変わりました。これまでの働き方を見直し、ハイブリッドモデルに移行するためには、各組織独自のストーリーやスタイルを作り上げていく必要があります。リンダ・グラットン
ロンドン・ビジネススクール教授 / HSM アドバイザリー創設者

Dynamic Resilience持続可能な都市:ミュンヘン市のシェアードモビリティソリューション

今後も拡大を続ける都市。都市交通で発生するCO₂の排出や渋滞による経済損失は大きな社会問題となっています。その解決に向けて政府自治体や企業が様々な取り組みを進めていますが、その一つが自転車やe-Scooterを活用したマイクロモビリティのシェアードサービスです。このような取り組みは各地で展開されていますが、利用状況をリアルタイムに把握できなかったり、自転車やe-Scooterが放置されて、交通の妨げになるといった課題も発生しています。

Hexagonと富士通は、自転車、e-Scooter、自動車や市内の各種センサーから収集したデータをリアルタイムに収集して現在の利用状況を可視化するスマートモニタリング・ソリューションを共同で開発・提供しています。時空間情報に基づくデジタルツインを構築して、過去の履歴等との比較を行い、利用時間や利用場所に関するパターンを分析、新たなe-Scooterステーションの設置等によるサービス改善につなげます。

シェアサイクルやe-Scooterの画像。

ドイツのミュンヘン市は、このソリューションの適用に向けて、シェアードモビリティを管理するための実証実験を実施しました。本SaaSソリューションによって、さまざまなモビリティ・プロバイダーからのIoTデータの追跡、可視化、分析が可能となり、さらに、電動スクーターや自転車などの共有車両の監視も可能になりました。リアル世界をデジタル世界にリアルタイムに写像するダイナミックなデジタルツインを通じてミュンヘン市の全体像を把握することによって、同市の企画担当者は、新しいプロセスを導入する前にバーチャルの世界で検証することができるようになりました。

シェアードモビリティは、あらゆる地域で重要な取り組みとなっています。このサービスは、未来の都市モビリティに向けて、トラフィックパターンを可視化し、改善することに貢献します。Maximillian Weber
SVP, EMEA, Hexagon’s Safety & Infrastructure and Geospatial divisions

Discovery Revolutionがん治療の未来:愛知県がんセンターでのAI活用

人の命を奪う難病の治療は、一人ひとりの生活の質の向上や社会保障費の抑制につながる重要な取り組みです。がん治療に貢献するため、富士通はこれまで様々な大学や研究機関、病院と共に、革新的な「説明可能なAI」技術を応用して、がん、遺伝子変異、薬剤の間の関係性を可視化し、医療の専門家や医師を支援する研究開発を進めてきました。

愛知県がんセンターと富士通は、2019年11月から、臨床現場で活用できるAIシステムの研究開発に取り組んできました。今回、外部の複数のデータベース内で様々な表現やルールによって管理されたがん種および遺伝子変異に対応した薬剤情報やその治療効果を評価する実験データなどを、愛知県がんセンターの治療薬選択のノウハウと富士通のAI技術を用いて、共通の表現やデータ形式に整理した上で富士通の「Knowledge Graph」にマッピングできる新たなシステムを開発しました。

医師からの説明を受ける患者をイメージした画像。

これにより、様々な治療薬の中から効果が期待できる薬剤を迅速に絞り込むことが可能となり、医師が臨床現場で薬効を推定し、その根拠となるデータを探索する時間を大幅に短縮できるようになりました。患者一人ひとりで異なるがんの遺伝子変異に応じた薬剤候補を効率よく正確に提示することにより、治療効果の向上と不必要な治療の回避が期待されます。

愛知県がんセンターと富士通は、今後もAI技術のゲノム医療への適用を共同で推進し、がんゲノム医療の普及を促進していきます。

患者さん一人ひとりに寄り添ったがん治療のためには、できるだけ多くの信頼できる情報を医師に迅速に提供することが重要です。医師の意思決定をアシストしてくれるAIゲノム医療に大きな期待を寄せています。井本 逸勢
愛知県がんセンター 研究所長

Trust in Everything安心安全な水を誰にも:世界初のブロックチェーンを活用した水取引プラットフォーム

「安全な水とトイレを世界中に」 20億人以上の人が、水道の設備がない暮らしをしています。一方で、食品工場で野菜や果物の圧縮時に発生する何百万トンもの水はこれまで廃棄され、環境にも影響を与えていました。

イギリスのBotanical Water Technologies LTD.(BWT社)は、食品工場で野菜や果物の圧縮時に発生する従来廃棄されていた水分を植物由来の純水(Botanical Water)として精製する革新的な技術を保有しています。BWT社は富士通をテクノロジーパートナーとして選定。様々な企業がBotanical Waterを売買する市場を形成し、安心安全な水とウォータークレジットの取引を実現する世界初のブロックチェーン技術を活用した水取引プラットフォーム「Botanical Water Exchange」を協力して構築しました。

流れる蛇口の下に手を置いて笑っている少女の画像。

濃縮ジュース工場や砂糖工場は、Botanical Waterの精製、販売、購入、配送、利用といった各工程における高いトレーサビリティを実現すると同時に、Botanical Waterを他の食品、飲料メーカーへ販売することができるほか、再利用可能な新しい水として循環的に自社で利用できます。

BWT社と富士通は、この取り組みを通して、水使用量を抑制し、クリーンな水を提供する循環型経済を実践する取り組みを進めています。

製造工程の無駄を減らすことが循環型経済の実現において重要なポイントです。例えば、サトウキビから砂糖を抽出した後、まだ利用可能な60%の水分を回収することができます。Terry Paule
Co-Founder and CEO, Botanical Water Technologies

Fujitsu Uvance

富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にする」というわたしたちのパーパスに基づき、ビジネスや社会におけるクロスインダストリーの重要課題にお客様と共に取り組んでいきます。そのために、未来に向けた新しい事業としてFujitsu Uvanceを立ち上げました。

Fujitsu Uvanceには、多様な価値を信頼でつなぎ、変化に適応するしなやかさをもたらすことで、誰もが夢に向かって前進できるサステナブルな世界をつくるという思いがこめられています。富士通の先端技術、専門スキル、産業ドメインのナレッジを駆使して、ヒューマンセントリックなサービスの提供や、データドリブンなレジリエンスの強化、信頼ある価値が流通するコネクテッド・エコシステムの構築にチャレンジし、サステナビリティ・トランスフォーメーションを推進していきます。

ここから、Fujitsu Uvanceで注力していくバーティカル領域(Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Healthy Living、Trusted Society)とホリゾンタル領域(Digital Shifts、Business Applications、Hybrid IT)における重要課題と富士通が取り組む主要なテーマをご紹介します。

サステナブルな世界を実現する 7 Key Focus Areas。バーティカル領域(Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Healthy Living、Trusted Society)。ホリゾンタル領域(Digital Shifts、Business Applications、Hybrid IT)。

バーティカル領域
ホリゾンタル領域

Sustainable Manufacturing

世界を取り巻く不確実性が極度に高まっています。新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ危機は、世界経済と人々の生活に対し、過去数十年間経験したことのない規模の混乱をもたらしました。グローバル・サプライチェーンは分断され、世界的な半導体不足や物流システムの混乱、資源の高騰を引き起こしました。今、これまで築き上げてきた効率化を追求した最適地生産というグローバリゼーションの戦略は、根本的な見直しを迫られています。

また、気候変動や環境汚染、生態系の破壊の危機に対して、これまでのように負の影響を最小化する努力だけでなく、共有されたゴールに向けてより積極的な行動を取ることがすべてのステークホルダーから求められています。このような環境面のサステナビリティだけでなく、自社の従業員のみならず、グローバル・バリューチェーン全体において労働者の尊厳や健康的な生活が守られているかに対しても企業の責任が拡大しています。さらに、数多くの国で高齢化が急速に進む中で、熟練者の経験やスキルをどうやって新しい世代に継承していくのかも大きな課題です。

地球の画像。

これらの困難な課題に対し、より持続可能な未来の実現に向けてどのような中長期的な戦略を取るべきでしょうか?わたしたちは、データとデジタルテクノロジーを活用することにより、変化に対してしなやかに対応し、人と地球が豊かに共存するビジネスに変革できると考えています。

人と地球の共存

富士通は87年間にわたるマニュファクチャリングの経験を持ち、近年ではエンジニアリングとサプライチェーンの両面でのデジタルトランスフォーメーションを推進してきました。わたしたち自身の経験を活かしつつ、AIやデジタルツインなどの最先端のデジタルテクノロジーを駆使し、不確実性に対するレジリエンス向上と、人と地球が共存する持続可能なビジネスへの変革を支援していきます。

Carbon Neutrality

CO₂排出量を可視化し、削減を推進 サプライチェーン全体のCO₂排出量を可視化し、カーボンニュートラルに向けた戦略・施策を策定。

People Enablement

人とロボット・AIの協働 デジタル技術を活用した設計から製造、保全までのプロセス自動化を通じて人をエンパワーし、労働者不足の解消と熟練者の技能継承を可能に。

Value Chain Optimization

再生型社会へのシフト バリューチェーン全体のトレーサビリティを強化して需給を最適化、資源再利用を促進するサーキュラー・エコノミー構築を推進。

Enterprise Visualization

プロセスを可視化し、意思決定を支援 財務指標や非財務指標を含めたあらゆる企業活動の現在と将来を可視化し、急激な変化に対してデータドリブンで迅速な意思決定を実施。

Resilient Supply Chain

不確実性に対する対応力を向上 リスク事象発生時のシミュレーションとリスク情報のタイムリーな把握により、グローバルサプライチェーンの自律的な再構成を支援。

Consumer Experience

これからの10年で消費スタイルはどのように進化するでしょうか?世代交代が進み、2030年にはミレニアル世代、Z世代が生産年齢人口の70%近くを占めるという予測もあり、今後の主力購買層となっていくことは間違いありません。彼らは地球環境の保全や企業の倫理的な事業活動に非常に敏感で、ブランドや価格よりも自分の価値観にあった経験を強く意識しています。市場をドライブするのは、デジタル世界でつながり合った一人ひとりの共感であり、多様な価値観を持つ人々の共感をどう獲得するのかが鍵となります。

個人の価値観が多様化する一方で、市場はボーダレス化が進んでいます。リアルとデジタルの消費体験が融合していくと共に、消費者が商品化プロセスに主体的に参画する様々な形態が生まれ、消費者と企業を隔てる境界線も曖昧になってきています。さらに、小売と決済・ファイナンス、物流を始めとして、多様なビジネス機能が「As a Service」としてクラウドを基盤に提供されていきます。このような多様なサービスがデジタルインターフェースでつながり合い、目に見えない形で消費者のライフサイクルに自然に埋め込まれていくのです。

野菜売り場でスマホを見ている女性の画像。

これからのパーソナライズされた、サステナブルな消費スタイルの実現に向けて、データとデジタルテクノロジーを活用してビジネスの変革を進めることが不可欠です。

サステナブルな消費

サステナブルな未来に向けて、パーソナライズされた多様な購買体験を実現する高度なRetail as a Serviceや、環境・社会の負荷を軽減する持続可能なサプライチェーン、個人や企業間の新たな価値交換のしくみづくりが重要です。​富士通は、生活者自身が意識せずとも環境や社会に貢献し、より豊かな生活を創造する消費のかたちを追求していきます。​

Smart Retail

リアルとデジタルを融合したパーソナライズされた価値 ボーダレスな世界で消費者とつながり、一人ひとりのニーズに応じたサービスを提供することにより、エクスペリエンスを最大化。

Smart Enterprise

自動化とデータ活用によるアジリティ向上 オペレーションの自動化により従業員の負荷を軽減し、従業員のエクスペリエンスと生産性を向上。データに基づいて消費者やバリューチェーンの変化を察知・予測し、戦略を迅速にアップデート。

Smart Platform

データ流通や無形の価値交換による新経済圏 分散型トラスト技術を活用することにより、国境や業種を越えて多様な無形の価値が流通する仕組みを構築。

Smart Supply Chain

サステナブルな消費を支えるバリューチェーン グローバル・バリューチェーン全体での安全性などのトレーサビリティを強化すると共に、廃棄ロスを削減することを通じて、エシカル消費を促進。

Healthy Living

新型コロナウイルスのパンデミックは世界中の人々の健康に脅威をもたらすと共に、医療従事者の負担を増大させました。また、新しいワクチンや治療薬の早期提供も喫緊の課題です。今回の危機の経験は、大きな不確実性に対するレジリエンスや対応スピードの重要性を浮き彫りにしたと言えます。

また、多くの国々で急速に高齢化が進む中で、生活の質(Quality of Life)の維持が大きな課題となっています。人が年齢や性別、住んでいる場所にかかわらず、心身ともに健康な生活を送れるようにするために、どうすればよいでしょうか?

データとデジタルテクノロジーは、人々が健康な生活を送るために不可欠なものになっていきます。重要なことは、病院や大学研究機関、企業、行政などに分散して存在する健康に関するデータをヒューマンセントリックに再構成してつなぎ合わせ、そのデータを分析して得られる知見を病気の治療だけではなく、病気の予防や予後にまで一貫して役立てることです。

自然の中で腕を伸ばしている女性の画像。

さらに、HPCやAIなどのデジタルテクノロジーを活用することにより、新しい有効な薬や治療方法の開発を加速することが期待されます。

一人ひとりの可能性を広げる

あらゆる人のライフ・エクスペリエンスを最大化し、個人の可能性を拡張し続けられる世界の実現を目指して、以下のテーマに取り組んでいきます。

Self-reliant

治療から予防へ 病気にかかってから病院に行くのではなく、日常的に自分の健康を管理して病気を予防、オンラインヘルスケアで健康状態をチェック。ゲノム情報を含め、データ分析を活用して一人ひとりに最適化されたサポートを提供。

Ignite

制約からの解放 AR/VRやロボットテクノロジーによって、心と身体、五感、人とのつながり方を拡張し、誰もが年齢やハンディキャップの制約から解放されて可能性を最大化。

Seamless

日常生活に溶け込んだヘルスケア 医療とその周辺事業者をつなぐデジタル・エコシステムの構築を通じて、予防、治療から予後までのEnd-to-endのヘルスケア・ジャーニーをサポート。

Enhance

多様な選択肢 高度なコンピューティングやAI技術、アナリティクスなどのデジタル技術を活用して、創薬・製薬のプロセスや医療オペレーションを革新。治療計画やケアプラン、医療行為の選択肢を拡張。

Trusted Society

わたしたちが暮らす都市は、政府・自治体が提供する住民サービスや、エネルギー、交通などの様々なサービスシステムがつながり合う複雑なエコシステムです。一つひとつのシステムの環境負荷を低減し、不確実性に対するレジリエンスを高め、誰も取り残さないインクルーシブな公共サービスに変革していくために、どうすればよいでしょうか?そのつながり合う全体をより持続可能にするにはどうすればよいでしょうか?

わたしたちは、時代の変化に対応し、人々が豊かに安心して暮らせる、持続可能な社会を築いていかなければなりません。そのためには、リアルタイムに得られるデータを活用して現在の状況を可視化し、起こりうるリスクやシナリオを検討することが重要になります。さらに、デジタルテクノロジーを活用して人とサービスをつなぎ、住民参加のもとでより良い社会を共創していくことが不可欠です。

熱い飲み物を持った女性が座って、外でノートパソコンを操作している画像。

豊かで持続可能な社会

ヒューマンセントリックな公共サービスや、低環境負荷の交通サービス、地球環境に配慮したエネルギー供給の領域を中心に、信頼あるサービスの創出と都市のレジリエンス向上に取り組み、豊かで持続可能な社会の実現に貢献していきます。

Human-centric Public Services

住民参加型のインクルーシブな公共サービス 官民連携のもとで住民が参加し、必要な人に必要なサービスがとどけられる新しい公共サービスを可能に。多様なニーズに応え、デジタルデバイドの無いサービスを実現。

Sustainable Energy Cycle

クリーンエネルギーによる脱炭素社会 従来の化石燃料に依存した社会から、再生可能エネルギーを含む多様なエネルギー源と蓄電池・電気自動車などを連携させた新たな再生型社会へのシフトを推進。リアルタイム・データを活用してエネルギー需要・供給バランスを予測・制御し、レジリエントなエネルギー供給を可能に。

Sustainable Transportation

人とモノのサステナブルな移動 誰もが利用でき、交通弱者をつくらない移動サービスやレジリエントで低環境負荷の輸配送サービスの構築を支援。大気汚染、騒音、渋滞、交通事故などの様々な社会問題解決を促進。

Digital Shifts

新しいビジネスのかたち

サステナビリティ・トランスフォーメーションを成功に導くためには、人のエンパワーメントと高度なデータ活用が不可欠です。場所や時間の制約から解き放たれたハイブリッドワークを通じて、多様な人材がコラボレーションする、クリエイティブな働き方へのシフトがこれからの課題です。

また、社内に分散されているデータを有機的につなぎ合わせて分析することにより、変化の予兆を察知、未来のシナリオを検討してアジャイルにアクションを起こすデータ駆動型ビジネスが不可欠です。富士通は、自社のトランスフォーメーションの経験にもとづき、企業のデジタルシフトを支援していきます。

Work Life Shift
働き甲斐のある環境を提供し、従業員の自律的な働き方を支援
リアルとデジタルのシームレスな融合を進め、働く場所や時間を自律的に選ぶ働き方に変革し、社員の働き甲斐やウェルビーイングを向上。同時に、デジタルチャネルを通じたアップスキル教育を拡充して個人の成長を支援し、生産性とエンゲージメント両方の向上を図る。
この図は「働き方と生き方の変革」と「アップスキル」の相関関係を示しています。「働き方と生き方の変革」は「働き甲斐の向上」につながり、「アップスキル」は「エンゲージメントの向上」につながります。
Data Driven
データインテリジェンスによる意思決定の高度化
企業内の様々なデータをつなぎ、ビジネスをダイナミックに可視化、データ間の目に見えない関連性やシナリオ分析から洞察を導き意思決定を支援。将来的に企業間やクロスインダストリー・データと組み合わせて分析し、革新的な価値を創出。
この図はデータインテリジェンスによる意思決定の高度化を示しています。企業内データの可視化から、デジタルツイン構築による業界内データ連携、そして高度な意思決定支援による業界間データ連携へと発展していきます。

Business Applications

ビジネスのアジリティを支える

目まぐるしく変化する顧客ニーズや予測困難な市場環境の変化、環境・社会課題の先鋭化に対し、迅速な対応が求められています。しかし、既存のITシステムでは柔軟でタイムリーな対応が困難であることも指摘されています。また、デジタルアプリケーションのアジャイル開発が普及してきていますが、人材やスキル不足は大きな課題です。今後、クラウドネイティブなアプリケーションを新たに作るのではなく、迅速に様々なサービスをつなぎ、組み合わせて使うモデルに変化していくと考えています。

富士通は、エコシステムパートナーのテクノロジーに、インダストリーのナレッジや自社の強いテクノロジーを組み合わせ、環境・社会・ビジネスの課題の解決を支援する様々なビジネスアプリケーションをグローバルに提供します。ビジネスをテクノロジーで支えるナビゲーターとして、アジリティを高めるアプリケーションとサービスを強化していきます。

  • 使うグローバル標準の多様なサービスを組み合わせて活用。
  • つながる業種アプリケーションと業種共通のアプリケーションをAPIで柔軟に統合。
  • 組み合わせる業種ノウハウやAI活用の知見をコンポーネント化した、コンポーザブルなアプリケーションを組み合わせて、アジャイルな対応を可能に。

富士通は、業種アプリケーション(Sustainable Manufacturing、Consumer Experience、Healthy Living、Trusted Society)と共通アプリケーション(ERP、CRM、SPM、HRM)をAPIでつなぐAPIインテグレーションプラットフォームを提供し、政府自治体、ヘルスケア、金融、製造、小売・流通、物流・交通、環境、エネルギー向けの様々なビジネスアプリケーションを提供します。

Hybrid IT

リアルとデジタルの世界を安心・安全につなぐ

サステナブルな未来を実現するために、これからのITインフラには何が求められるでしょうか?様々な企業や研究機関が、HPCのコンピューティングパワーや5Gの高速ネットワークを自在に活用できるようになれば、困難な環境・社会課題を克服するイノベーションを加速することが期待されます。また、ボーダレス・ワールドの安心・安全を守るセキュリティや、リスクや障害に自律的に対応するレジリエンスの向上が不可欠です。

富士通は、クラウド移行からリアルとデジタルの融合、その先のヒューマンセントリックなつながる世界の実現に向けて、Hybrid ITを進化させていきます。誰もが安心して使えるサービス基盤を提供することにより、リアル・デジタルを横断して人とデータ、モノ、サービスを安全につなぎ、新たな価値創出と社会課題解決に貢献していきます。

  • クラウド型HPCとNetwork and Edge as a Service HPCやネットワークを「より簡単に、使いたいときにすぐ使える」基盤として提供。
  • セキュリティリアルとデジタルの融合を次世代セキュリティよって安心安全に支え、ボーダレスな社会の拡張を実現。
  • レジリエントサービスAIによる障害の事前検知、真因解析、影響分析、意思決定支援によってシステムダウンにより生じる事業リスクを低減。

富士通は、クラウド移行からリアルとデジタルの融合、その先のヒューマンセントリックなつながる世界の実現に向けて、Hybrid ITを進化させていきます。現在のHybrid ITでは、マルチクラウドサポート、ゼロトラストネットワーク、サイバー攻撃対策、クラウドネイティブサービスを提供しています。今後、リアルとデジタルの融合した世界(Advanced Hybrid IT)の実現に向けて、レジリエントインフラストラクチャ、Network and Edge as a Service(Software Defined 5G)、リアルとデジタルをつなぐセキュリティ、トラスト基盤、HPCクラウドを提供していきます。そして、Hybrid Servicesで、誰もが安心して使えるサービス基盤を提供することにより、ヒューマンセントリックなつながる世界を実現します。

イノベーションによるビジネスや社会の変革

富士通は、すでに様々な領域のサステナビリティ・トランスフォーメーションを推進しています。

製造ラインの品質保証のためのモニタリング装置の画像。
AIによる製造現場の品質確保

SUBARU

エンジン部品の研削(けんさく)工程の加工品質を高精度に判定するAIモデルを開発し、群馬製作所大泉工場での本格稼働を開始しました。AIモデルによる全数リアルタイム品質推定により、従来の抜き取り検査と比べて、品質保証レベルの向上が可能となりました。

スーパーでの買い物でスマートフォンで支払いを行う女性の画像。
OMOによる顧客接点強化

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H.)

U.S.M.H.は、オンラインとオフラインを融合したスマートな買い物体験として消費者のスマートフォン向けアプリ「Scan&Go、OnlineDelivery」を提供しています。
アプリの継続的な機能強化を富士通とアジャイル開発にて推進し、消費者接点強化を図っています。

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