Botanical Water Technologies社 様
新たな水資源を提供する

富士通は食品の製造過程で排出された水分を回収、濾過、精製する独自の技術を持つBotanical Water Technologies(BWT)社のパートナーに選ばれました。選考に当たっては当社の専門性やサステナビリティを支える企業文化が評価されました。安定した水取引の実現に向けたブロックチェーンプラットフォームの構築を富士通が担います。
- 課題BWT社はその大胆かつ野心的なシステム「Botanical Water Exchange」(BWX)を用いて透明性が確保された安定した水取引を実現するために、ブロックチェーンプラットフォームを探していました。
- ソリューションこの新しいプラットフォームの基盤となるのが富士通のTrack and Trustサービスです。ブロックチェーン技術を用いることで、プロセスの初めから終わりまで透明性とトレーサビリティが確保されます。
- 導入効果
- ブロックチェーンにより、持続可能な水の安定した取引が可能になります。
- 精製から販売、購買、引渡し、使用までを完全に見える化します。
- 計量台からポンプ、モニタリングまで生産工程がリアルタイムで確認できます。
富士通チームのサステナビリティへの熱意や思いに心を打たれました。
富士通のRicexやFertxの追跡記録にも説得力がありました。
テリー・ポール、Botanical Water Technologies共同創業者、兼CEO
課題・背景
ブロックチェーンを節水に活用する
果物やサトウキビ、野菜を圧搾して抽出したジュースを蒸留して濃縮液や砂糖を作ると、同時に大量の水分が出てきます。Botanical Water Technologies独自の特許技術を使ってこの水を濾過して精製すれば、年間3兆リットルが節水されると見込まれます。もしこの素晴らしい計画が実現すれば、水不足に見舞われる地域に大きく影響するかもしれませんが、Botanical Water Technologiesはこの可能性を活かす方法を模索していました。水の製造をどう追跡して証明し、供給者と顧客をどう結び付ければよいか?その答えはブロックチェーン技術を用いた、不変で分散化した検証可能なデータであると判断しました。ふさわしいパートナーを求めてBWTは80ページに及ぶ提案依頼書(RFP)を発行しました。
Botanical Water Technologies共同創業者、兼CEOであるテリー・ポール氏はこう説明しています。「私たちは6か月以上かけて20を超えるベンダーに声をかけ、重要条件として技術要件、世界展開の状況、サービスの水準、料金、スケジュールなどを調べました」さらに「最終的にパートナー候補を2社に絞り、それぞれに対し数週間かけてディスカバリーワークショップを実施しました。私たちは富士通のサステナビリティに対する熱意と思いに心を打たれました。富士通のRicexやFertxの追跡記録にも説得力がありました。」と続けています。
ソリューション
製造状況をリアルタイムに見える化する
新たに開発したこのBotanical Water Exchange(BWX)プラットフォームは、富士通のTrack and Trustサービスを基盤としてます。ブロックチェーン技術を用いることで、製品の精製から販売、購買、引渡し、使用までのプロセスの初めから終わりまで透明性とトレーサビリティが確保されます。このたびBWXによって水取引の透明性とセキュリティが向上したことで、Botanical Water Technologiesの特許プロセスで精製された水をジュース濃縮工場、製糖工場、蒸留酒製造所、飲料製造業者などの企業が取引できる、オープンマーケットの創造を目標にすることが可能になります。
ポール氏はこう付け加えています。「富士通のTrack and Trustのおかげで計量台からポンプ、モニタリングまで製造工程がリアルタイムで見ることができます。ブロックチェーンを用いることで供給源を確認できます。通常、水源は証明できるものですが、このアプローチではつまり精製装置自体を証明することができます。」
導入効果
人のために役立つ取り組みを後押しする
BWTは2025年までの目標として、世界中で最も弱い立場にある1億人の人々に清潔な飲料水を届けることを掲げています。BWXでは商取引ごとにその1%以上がBotanical Water Foundationに自動的に寄付されます。この基金の目的は、社会、環境、慈善活動プロジェクトを介して必要な人々に清潔な飲料水を無償提供することです。富士通はブロックチェーン基盤の安定性の高い許可型プライベートプラットフォームを活用し、24時間年中無休体制で世界中をサポートしながらこの目標の達成を応援します。生産サイクルのすべての段階をリアルタイムで見える化することで、データセキュリティが保証され、データ検証の実施が確保されていることをBWX、そのパートナー、取引先、サプライヤーの皆さまに確信していただけます。
ポール氏は次のように締めくくっています。「富士通が経営幹部まで全社を挙げて賛同してくださり感銘しました。そしてこのイノベーションの重要性を皆さんが理解し、実現するためのチームを用意してくれました。富士通が尽力してくれたおかげで、すでにプロジェクトが予定より早く進んでおり、発売日を2か月前倒ししました。」
Botanical Water Technologies社 様
業種 | 水製造 |
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所在地 | イギリス |
ホームページ | https://wegrowwater.com![]() |
概要 | BWTは持続可能な植物由来の飲料水の新たな供給源を開発し、これを地域社会に向けて、また環境プロジェクトに関連して提供することで水不足に好影響を及ぼしています。製糖や野菜の加工時に出た水分を回収し、独自の小売ブランド「AquaBotanical」に使用しています。 小売(AquaBotanical)、卸売り(飲料製造業者向け原材料)、社会/慈善活動インパクト・イニシアチブ向けに植物由来の水を販売しています。 |
[2022年6月掲載]