丸井産業株式会社 様 導入事例

AIによる需要予測から調達、生産、在庫管理、物流まで
基幹業務システムのモダナイゼーションにより、全社的な効率化やリードタイム短縮、輸送費低減などを実現

レガシー化した既存システムがデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)など業務改革の障壁となることへの懸念が高まる一方、レガシーシステムの代名詞であるメインフレームやオフコンのサービス終了が近づきつつある。丸井産業様では、環境変化に的確かつタイムリーに応えるには、より柔軟で高精度なシステム環境へのモダナイゼーションが必要と考え、既存のメインフレームからの段階的な脱却を計画。AIによる需給予測に始まる、一貫したデータ連携により、全社規模での合理化・効率化を実現した。

課題

  • 需要予測が難しく、欠品や余剰在庫が発生しがち
  • 生産計画から調達、生産、物流に至る業務フロー全体を効率化したい
  • 手組のメインフレームでは環境・組織変化への対応に時間がかかる

効果

  • AIによる需要予測に基づく需給計画システムを構築し、生産計画を最適化
  • 各種ソリューションの導入により、一連の業務フローを「見える化」「平準化」して効率化を実現
  • 業務ごとのソリューションに移行し、変化に柔軟に対応できるシステム環境を実現
丸井産業株式会社 代表取締役副社長 吉村 良介 氏 写真
モダナイゼーションにより、一連の業務フローが整備されたことで、事業活動全体の効率化とともに、顧客満足度の向上にもつながりました

丸井産業株式会社
代表取締役副社長 吉村 良介 氏

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  • 事業内容: 建築資材・設備資材・電設資材の製造、販売
  • 本社所在地: 広島市西区商工センター1丁目1-46
  • 従業員数: 1,376人
  • Customer's website

一連のシステムを組織改革とあわせて刷新することで基幹業務を一気通貫したデータ経営を実現

1958年の創業以来、「メーカー×商社」という独自の経営手法により、建設資材の開発・製造・販売をトータルに担ってきた丸井産業様。全国83営業所と東西の物流センター2拠点からなる業界屈指のネットワークを駆使し、建設作業の合理化・省力化に大きく貢献している。近年では、地域初の総合美術施設「Simose Art Garden Villa」の運営、被災地やウクライナへの支援など社会貢献にも注力。その理由を「ただ収益を追うのでなく、社会とともに成長できる企業でありたかったから」と語るのは、代表取締役副社長として同社の舵取りを担う吉村良介氏だ。

「当社製品の需要は全国各地の建設動向や競合製品の状況にも左右されるため予測が難しく、担当者の経験や過去データに頼った従来のやり方では、欠品や余剰在庫を生むリスクが少なくありませんでした。アイテム数が2万を超えることもあり、適正在庫をどうもつか、物流センターの2拠点化を決めた際には、社内外から在庫の拡大が懸念されたものでした」と吉村氏は同社の経営課題を語る。

加えて、基幹業務を支える情報システム面でも課題を抱えていたという。
「オフコン全盛期に構築されたメインフレームに社内の情報システムが集約されていたため、法令対応や事業所新設などの度にシステムを改修する必要があり、多大な時間とコスト、労力がかかっていました。また、過度なカスタマイズによってシステムがブラックボックス化するとともに、業務の属人化が効率化の妨げとなるのはもちろん、担当者の異動・退職時に引継ぎが困難になっていました。これらの課題により、このままでは業務拡大に支障が出ると感じていたのです」(吉村氏)。

そこで同社では、需要予測に基づく需給・生産計画から、資材調達、生産、在庫管理、物流に至る一連の基幹業務について、組織とシステムの両面から再整備し、モノの流れの見える化を図ることとした。「全社の業務を合理化・効率化するには、業務フローの最上流にある需要予測の精度を高める必要があり、そこにAIを導入することにしました。また、環境変化や業務改革に柔軟かつスピーディーに対応できるよう、サーバーへのインフラ更改に合わせて、ホストから各システムを段階的に切り出す形でモダナイゼーションを進めました」と吉村氏は語る。

業界に先駆けたAIによる需給予測システムをはじめ、富士通の多彩かつ高機能なソリューションを導入

モダナイゼーションにあたって富士通をパートナーに選んだ理由について、「富士通には各業務に応じた高機能なソリューションが充実しており、一連の基幹業務システムを富士通製品で統一することで、各業務の平準化と業務間のデータ連動をスムーズに実現できると期待しました」と吉村氏は語る。

こうした期待に応え、2016年に一般会計システムを富士通のグループ会計ソリューション「GLOVIA SUMMIT」注1に切り替えたのを皮切りに、同ソリューションの機能を活かして固定資産や債権管理なども順次、ホストから移行。並行して、生産子会社の再編とあわせて生産管理システム「PRONES」注2を、購買部門の強化と合わせて購買管理システム「QsConnest購買管理」注3を導入するなど、富士通ソリューションを活用して個別業務ごとに環境を整えた。

富士通を選んだもう1つの理由が、AI技術への期待感だったという。当時はまだAIのビジネス活用は限定的だったが、富士通グループの知見と技術力を結集させた結果、AIソリューション「ODMA」注4を駆使した需要予測システムを開発。製造業向け計画管理パッケージ「PROFOURS」注5と組み合わせて需給計画システムを構築することで、最適な生産計画の立案を可能にした。

「当社事業への理解と、AIなど先端領域を含めた総合的な技術力を持つ富士通だからこそ、実現できたと思っています」と吉村氏は一連のプロジェクトを振り返る。

  • 注1
    FUJITSU Enterprise Application GLOVIA SUMMIT
  • 注2
    FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PRONES
  • 注3
    QsConnest購買管理(株式会社 富士通九州システムサービス)
  • 注4
    FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics
  • 注5
    FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PROFOURS

事業の拡大に合わせてモダナイゼーションは続く

「AIの予測に基づき最適な生産計画を立て、必要な量だけ部材を調達して生産し、スピーディーに配送する。一連の業務フローが整備されたことで、事業活動全体の効率化とともに、顧客満足度の向上にもつながりました」と吉村氏はモダナイゼーションの成果を語る。「特にAIによる需要予測が奏功し、物流拠点が2つになっても在庫が増えることはなく、リードタイム短縮や輸送費低減などの効果をもたらしました」(吉村氏)。

今後はモダナイゼーションによる成果を、顧客への付加価値向上につなげていくという。「各システムが一気通貫でデータ連携されたことで、発注や生産指示などはほぼ自動化され、各担当者はイレギュラーな事態にだけ対処すれば良く、その時間をお客様の課題把握や新たなソリューション提案に向けられるようになりました。例えば構造計算などソフト面のサポートもあわせて提供するなど、新たな価値創出に努めます」と吉村氏はビジョンを語る。

最後に、吉村氏に富士通に対するメッセージをいただいた。「当社はこれからも事業の領域や規模を拡大させていきますので、システムの最適化にも終わりはありません。今後も当社の強力なパートナーとして、引き続きのサポートをお願いしたいと思います」。

丸井産業様、モダナイゼーション後の需給計画および在庫・生産計画システム全体のイメージ図
需給計画および在庫・生産計画システム全体イメージ

既存情報システムを最適化し、DX基盤としてのあるべき姿に

富士通は、独自の強みをお客様の価値に変え、お客様資産の最適化とDXをご支援します。

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