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有識者が語る

無線LANの障害対応とセキュリティ対策に不可欠な“可視化”をどう実現するのか

無線LANの状況を可視化し、障害対応やセキュリティ対策の難しさといった課題を解消するソリューションがある。専門家に詳細と有効性を聞いた。

安定したビジネスにはネットワークの可視化が不可欠

 地球温暖化などの気候変動や原油など資源価格の上昇、世界各地で激化する紛争や戦争など、世界情勢が混迷を極めている。先行きが不透明な時代を生き抜くために、企業はビジネス環境の変化に俊敏かつ柔軟に対応しなければならない。

 富士通の斎藤 建氏(グローバルマーケティング本部 ソリューションマーケティング統括部 リードジェネレーション部 マネージャー)は、変化に強い強靱(きょうじん)な経営基盤を構築するには人が移動しないことを前提とした業務環境が重要だと語る。

 「大規模震災やコロナ禍の教訓を基に、有事の際に従業員がどこにいても業務が進む環境を整えることが経営基盤作りの一つだと言えるでしょう」(斎藤氏)

富士通 斎藤 建氏
富士通 斎藤 建氏

 そうした基盤の一つが「ネットワーク」だと斎藤氏は続ける。

 「ネットワークに接続できさえすれば、ホワイトワーカーの多くは仕事を進められるでしょう。自社の業務に最適なネットワーク環境をつくることがビジネスの安定につながります」(斎藤氏)

 「最適なネットワーク環境の構築には、社外からのスムーズなアクセスだけでなく、社内ネットワーク環境の最適化も求められます。オフィスのどこにいて、どのような端末を使っていても社内ネットワークにアクセスできること、アクセス元の多様化に備えてゼロトラストのアプローチでセキュリティを確保することが重要です」と斎藤氏は説明する。

「障害対応」と「セキュリティ」──無線LAN運用で企業が直面する2つの課題

 社内ネットワークの選択肢として無線LANの採用が増えている。無線LANを利用することで、PCやスマートフォン、タブレットなどの業務端末が社内ネットワークにスムーズにアクセスできる。

 「無線LANの安定運用に際して、企業は2つの課題に直面していると富士通の船渡川 克巳氏(インフラストラクチャシステム事業本部 エンタープライズネットワーク事業部 ネットワーク企画部)は話す。一つは「障害が起きてから復旧までに時間がかかること」、もう一つは「セキュリティの不安」だ。

富士通 船渡川 克巳氏
富士通 船渡川 克巳氏

 「無線LANは配線が目に見えないので、どのような問題が起きているのかを管理者が把握しにくいという特性があります。そのため、有線LANよりも障害原因の特定や復旧が難しく、時間がかかってしまうのです」(船渡川氏)

 無線LANは電波干渉や遮蔽(しゃへい)物によって通信品質が変化するという性質も、この問題に拍車を掛けている。

 セキュリティの観点から言えば、無線LANの高い利便性は潜在的なリスクにもつながると富士通の田村優人氏(インフラ&ソリューションセールス本部 デジタルビジネス推進部 ストレージ&ネットワークビジネス推進部)は話す。

 「無線LANはモバイル端末との親和性が高く、生産性の向上に寄与します。しかし、BYODを含むさまざまなデバイスの接続が増えることで、セキュリティの懸念も伴います。サポート切れのOSが接続されると、マルウェアなどへの感染リスクが高まります」(田村氏)

富士通 田村優人氏
富士通 田村優人氏

無線LANの可視化で迅速な障害対応を支援

 富士通はこれらの課題を解消する無線LANアクセスポイント製品に力を入れている。「Fujitsu Network SR-Mシリーズ」(以下、SR-M)だ。「簡単に使える“Smart”」「インテリアに調和するデザイン“Stylish”」「安定した無線LAN環境を提供する“Stable”」「社会に優しい“Sustainable”」の4つを特長とする。

SR-Mの特長を表す「4つのS」(出典:富士通の提供資料)
SR-Mの特長を表す「4つのS」(出典:富士通の提供資料)

 「Smart」を実現するのは、SR-Mに内蔵された「スマートワイヤレスマネージャ」機能だ。無線LANに接続しているアクセスポイントや端末、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名、通信量の他、自動診断による異常の有無などもダッシュボードで可視化する。

 「ログや接続端末の情報を常に監視してネットワークに障害が起きていないかどうかを自動診断しています。障害発生時には、該当するアクセスポイントや端末、自動診断に基づく障害の原因と対処方法を掲示します。この対処方法に従うことで迅速な障害対応が可能になり、復旧までの時間を大きく短縮できます」(田村氏)

 接続端末のOSのバージョンも分かるので、OSのサポートが切れている端末はワンクリックでネットワークから切り離せる。

 無線LANアクセスポイントの導入と運用の負荷を下げることもスマートワイヤレスマネージャ機能の特長だ。画面の指示に従って作業するだけで、導入時の初期設定は完了する。各項目の隣の「i」マークをクリックすると、該当項目のヘルプ情報を簡単に表示させられる。

 「無線LAN製品は設定項目が多岐にわたり、そこにベンダーの特色が表れます。スマートワイヤレスマネージャのヘルプ機能はどんな人でもスムーズに使えることをコンセプトにしており、富士通製品に初めて触れる方でも安心してご利用いただけます」(田村氏)

 どのようなインテリアにも調和するスタイリッシュなデザインも、SR-Mが導入企業に高く評価されているポイントだと船渡川氏は話す。

 「SR-Mはホワイトのシンプルかつ目立たないデザインを採用しています。あらゆる場所に無線LANを導入する上で重要なポイントです。無線LANアクセスポイント製品の中にはLEDがまぶしいくらい点滅するものもありますが、SR-MのLEDは消灯させることもできます」(船渡川氏)

設置場所になじむシンプルなデザイン(出典:富士通の提供資料)
設置場所になじむシンプルなデザイン(出典:富士通の提供資料)

 無線LANアクセスポイントは電波が届きやすい場所、言い方を変えれば目立つ場所に設置される。SR-Mは、落ち着きが求められる医療機関やインテリアとの調和が求められるカフェなどでも利用されている。

クラウドで社内ネットワークの管理を実現

 SR-Mは、富士通のSD-WAN/LANプラットフォーム「Fujitsu Network NXconcierge(エヌエックスコンシェルジュ)」(以下、NXconcierge)と組み合わせることでネットワーク管理の利便性をさらに高められる。

 NXconciergeは、社内ネットワークの無線LANアクセスポイントやルーター、スイッチなどのネットワーク機器をクラウドの管理ポータルで一元的に管理するソリューションだ。インターネットにつながりさえすればどこからでも利用できる。

 「現在はテレワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークが浸透しつつあります。SR-MとNXconciergeを組み合わせれば(注)、NXconciergeの管理画面からスマートワイヤレスマネージャのダッシュボードにシングルサインオンでアクセスし、社外からSR-Mを管理できます」(船渡川氏)

SR-MとNXconciergeを組み合わせることで管理を効率化(出典:富士通の提供資料)
SR-MとNXconciergeを組み合わせることで管理を効率化(出典:富士通の提供資料)

注:NXconcierge連携には、 NXconciergeライセンスの購入が必要です。 SR-Mのスマートワイヤレスマネージャ機能(オンプレミスで集中管理する機能)はSR-M本体の購入費用だけで利用できます。

ゼロトラストセキュリティの実現にも好適

 NXconciergeは、無線LANとの組み合わせによって力を発揮するだけでなく、ネットワーク最適利用の実現にも寄与する。富士通のルーター「Fujitsu Network Si-Rシリーズ」と組み合わせて使うことで、従来のデータセンターや特定の出口を経由せずに、社内ネットワークからインターネットを介して「Microsoft 365」などのSaaSに直接アクセスする「インターネットブレイクアウト」を実現する機能も備わっている。

 「多くの従業員がデータセンターを経由してSaaSを利用する従来の方法では、トラフィックの増大によってネットワークが逼迫(ひっぱく)し、ネットワークダウンやパフォーマンス低下の原因になります。NXconciergeを使うことでこのリスクが軽減され、ネットワークの安定運用が実現します」(船渡川氏)

 NXconciergeのインターネットブレイクアウト機能は、ゼロトラストセキュリティの実現でSASE(Secure Access Service Edge)ソリューションの活用を進める企業にも好適だ。通信量に基づく従量課金を採用しているSASEソリューションの場合、トラフィック量が増えると利用料金が高額になるという問題があるが、NXconciergeのインターネットブレイクアウト機能により、Microsoft 365などセキュリティが問題ないと判断したサービスにはインターネットから直接アクセスさせることで、SASEソリューションの利用料金を抑えられる。

 「企業の活動を支える社内ネットワークの安定運用は、SR-MやNXconciergeなどのソリューションを駆使して高い運用管理性とセキュリティを維持することが不可欠です。富士通はその他にも、ゼロトラストを意識した幅広いセキュリティソリューションをそろえています。サイバーセキュリティは一筋縄ではいかない分野で、一つのソリューションだけでの対策は不十分です。富士通の多様なソリューションを組み合わせて、お客さまのビジネスにフィットした最良の対策をしていただけます」(斎藤氏)

 富士通は、NXconciergeについて、インターネットブレイクアウト先のネットワークを可視化して、そのパフォーマンスを常時監視する機能を備えている。インターネット回線の輻輳(ふくそう)状況が一目で分かり、「現在利用しているPPPoE接続はパフォーマンスが悪いため、IPoE接続への切り替えを推奨する」といったネットワークの最適運用を支援する。

転載元:TechTargetジャパン
TechTargetジャパン 2023年12月5日掲載記事より転載。
本記事はTechTargetジャパンより許諾を得て掲載しています。
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2311/14/news03.html

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