UHF帯RFID導入ガイド 第5章 アンテナの設置方法(2)
アンテナ単体での読み取り可能範囲の確認
アンテナを設置する際、まずはその読み取り可能範囲をイメージすることが重要です。
対象物に貼り付けたRFIDタグがアンテナの前を通過する場合、どの位置(ライン)を通過するかを事前に確認することが必要となります。
まずは、1台のアンテナを利用して、読み取り可能範囲を確認しておきます。原則として、アンテナとRFIDタグの向きは、互いに正対の向きであることが読取精度を向上するうえで重要となります。
以降は、右図のような構成イメージで説明します。
天面からみた場合のRFIDタグの最大読み取り距離と読り取り範囲の導出
読み取り距離の確認
RFIDタグを移動させ、読み取り可能範囲の境界をたどるように読み取り位置を確認します。読み取り位置を導出する際は、 最低10回以上連続で検知できること(安定した読み取り状態)を確認できたときのみ"OK"とします。
読み取り範囲の確認
実際の業務で対象物が通過するラインが読み取り可能範囲に収まっているかが重要となります。なお、読み取り可能範囲の境界付近(図の△(三角)地点)は、安定した読み取りが期待できないと考えたほうが良いです。
- ※読み取り可能範囲内に長く滞在することで読み取り機会が増加し、読取精度も向上すると考えることができます。
横からみた場合のRFIDタグの読り取り範囲の導出
RFIDタグが通過する際は、そのラインが読み取り可能範囲に収まっている必要があります。
読み取り可能範囲を外れてしまう場合は、複数台での対応が必要となりますので、新たにアンテナの増設を実施します。
通過する対象物のサイズや積み方などを考慮し、アンテナ台数の増減を検討する必要があります。
原則として、業務上RFIDタグが通過するラインが明確になっている場合は、そのRFIDタグの通過ラインとアンテナの中心が同じ位置(高さ)になるように設置することが望ましいです。