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独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所 様

独立行政法人 水資源機構 ロゴ独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所 様

職員総出の迅速・確実な防災対応に向けて
直感的に理解できる作業指示と遠隔支援をIoTで実現

琵琶湖は、近畿圏1,450万人の貴重な水源として人々の暮らしや産業界を支えてきた。一方で、四方を山に囲まれた立地環境でもある。琵琶湖沿岸部の低標高地には水門などが設置され、台風や大雨に伴って洪水が生じる前に琵琶湖からの逆流を防ぎ、水を琵琶湖側に送る排水機場が設けられている。(独)水資源機構 琵琶湖開発総合管理所(以下、琵琶湖開発総合管理所)では、排水機場において作業者の経験や習熟度を問わず、常に確実・安全・迅速に最適な措置を実現するため現場支援ソリューションを導入。確かな成果を上げつつある。

課題と効果

  • 災害発生時に、防災対応の経験・知識が全くない職員でも確実に機器操作を行えるようにしたい
    デジタル化した手順書をAR連携することにより、ウェアラブルデバイスの画面で手順が確認でき、誰でも確実な操作が可能に
  • 排水機場が琵琶湖周辺に多数あるが、災害時の同時多発的な対応にあたれる専門職は不足している
    ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を経由した映像・音声のリアルタイム共有により、遠隔からの臨機応変な作業支援体制を確立

導入の背景

作業員のスキルやノウハウの継承・平準化が課題に

四方を山に囲まれた琵琶湖には、合計117本に及ぶ一級河川が流入している。一方、主要な流出経路は瀬田川(淀川)1本だ。降雨量の増加などに伴う低標高地の浸水被害軽減のために各所に設置された水門で琵琶湖からの逆流を防ぎ、河川の水を強制的に琵琶湖側に吐き出す役割を果たすのが排水機場だ。琵琶湖開発総合管理所長 青井保男氏はこう説明する。

「湖岸線総延長約235kmに及ぶ琵琶湖に、北湖に12箇所・南湖に2箇所、合計14箇所の排水機場を設け、管理しています。排水ポンプを制御するために立ち並ぶ操作盤群は、複数のスイッチ類が並ぶ複雑な構造であり、最適な操作を行うためには、高度なノウハウが求められます」そこで、従来排水機場ごとにマニュアルを準備し、防災対応時に役立ててきた。同管理所機械課 副参事 岩松裕二氏は語る。

「有事には、防災対応に詳しい少数の専門職だけでなく、職員総出で対応にあたる必要があります。そこで、マニュアルはなるべく専門用語を使わず写真や図版を多用して、誰もが理解しやすい工夫を図ってきました」
とはいえ、紙のマニュアルは細かなニュアンスなどが伝わりにくく、また現場作業では手をふさいでしまう。さらに風雨の中で見にくく、水のダメージも受けやすい問題もあった。台風などの自然災害はいつ起こるか予想不可能なので、実際の防災対応を経験したことがない職員も多く存在する。折から、2015年5月に水資源機構全体で「内部統制とIoT導入」が推進されたこともあり、琵琶湖開発総合管理所でも、排水機場のマニュアルの電子化を進め、現場と管理所の双方向で作業指示や確認が行える環境整備を進めることになった。

「そこで、習熟度などの属人性に左右されず、緊急時に誰でも迅速に最適な措置が実行できるようなソリューションの導入を考えました」(青井所長)

  • 独立行政法人 水資源機構
    琵琶湖開発総合管理所 所長
    青井保男氏

  • 独立行政法人 水資源機構
    琵琶湖開発総合管理所 機械課 副参事
    岩松裕二氏

導入のポイント

現場状況に即して誰でも最適な処置が行える

導入にあたり、参加企業が公告で募集された。ここで、HMDは野外使用にも耐える堅牢性、作業しやすい視界の確保や指示画面の見やすさなどの要件を提示。さらに、現場─管理所間の指示はもちろん、埼玉の本社、支社・局や他事務所から、経験者、現場にいない専門職からもリアルタイムで指示を聞けるように、同時に4者以上で通信ができることも必須条件だった。

「4者間通話などの機能追加や改善要求に関しても、一番積極的な取り組みをみせてくれたのが富士通でした」(青井所長)

こうして2017年4月の本格運用開始に向けて、防災時に対応にあたる各班に1台ずつ合計9台のHMDに加え、排水機場設備の要所には「ARマーカー」が配された。ARマーカーを確認すると、機器への作業指示が簡潔に表示されるのだ。従来の紙マニュアルから、カードサイズに作業手順をデジタルデータ化し、一つの作業を終えると作業者の音声指示で次のカードが表示できるようになっている。「カード作成に当たっては、操作盤を主管する私たち機械職だけでなく、土木や建築、環境など広範な部門の参加で、より立体的な視点を盛り込みました。それまで操作盤に触れたこともない新人や事務職員などを含め『誰でもすぐに理解することができる指示』を目指したのです」(岩松氏)機械職以外の意見も取り入れた細かな指示が盛り込まれ、現在そのカード総数は250枚に至っている。ARマーカーは管理所で発行することができるので、機器の入れ替えや、手順の見直しでもタイムリーな更新が自在だ。今後さらに、画像情報を増やすなどの工夫とともに拡充していく予定だ。

また、本システムで特長的なのは、HMDとARの連動だ。「HMD単体でARマーカーの認識と情報表示が行えるのは富士通だけでした。これは公募要件にはない付加価値でした。ARとHMDの連携というのは当初想定していなかったメリットですね」(岩松氏)トラブルなどで作業が行き詰まった時でも、素早く遠隔支援に切り替えることで、臨機応変な対応が可能になる。作業者と管理所間でリアルタイムに映像・音声を共有・記録したり、管理者が画像に作業指示を書き込んで作業者に送ることもできる。検証では、現場経験のない事務職員にも協力を仰ぎ、直感的な表示で容易に理解でき、すぐにアクションが起こせることが証明された。「今回の導入に際して、操作手順や手法の再吟味や体系化が進み、対応ノウハウ自体がさらに磨かれていくという効果も生まれています」(青井所長)

今後の展開

作業報告書の迅速な作成に貢献し、新たな活用も視野に

今回導入したカード式での作業手順では、作業の確認として写真を撮るステップも用意している。「防災対応後の報告書作成においても、現場の作業データをそのまま生かすことができます。確認すべきポイントを撮る指示を盛り込むことで、誰が作業しても、実施報告書を同じフォーマットで作成することができ、作業実施の負荷軽減と精度アップの両立も図れます」(岩松氏)
「今後は、防災対応時だけでなく、平時での活用も進めていきたいと思っています。例えば機構内にある水路施設などの巡視や、バルブ操作など作業プロセスのリアルタイムな情報共有にも活用していきたいですね」(青井所長)

試験運用で運用コストの4割削減が見込めるなど、手ごたえを感じている琵琶湖開発総合管理所のIoT活用。今後も現場支援ソリューションを核として、活用拡大を見込んでいる。

利用シーン

  • ARマーカーと連動し作業手順を確認
    設備に貼られたARマーカー(赤丸箇所)を認識すると、作業手順を示すカードが表示される。
  • 作業手順を示すカード
    広島信用金庫 本店
    カードに従い作業し、完了時には音声で次のカードを表示させることができる。
  • 管理所から遠隔で作業を支援
    手順通りに操作ができない場合や不測のトラブルの場合には、現場の映像を共有し管理所から遠隔支援ができる。
独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所 様
本社 〒330-6008 埼玉県さいたま市中央区新都心11-2
琵琶湖開発総合管理所 〒520-0243 滋賀県大津市堅田2-1-10
事業内容 水を必要とする地域に対する水の安定的な供給の確保、及び洪水の氾濫被害から地域を守る事業
ホームページ http://www.water.go.jp/

[2017年4月掲載]

電話でのお問い合わせ先
富士通株式会社 ユビキタスウェア サポート窓口
050-3116-7791
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