POSの機能とは?これからの小売業に求められる3つのポイント

リテールDX

小売業でよく使われる「POS」。POSと一口に言っても業態によって、その機能はさまざまです。いずれの業種・業態も販売した商品の管理や売上の記録を行うことがメイン機能です。POSシステムもネットワークやクラウドシステムの発展と共に機能が進化しています。本記事では、これからのPOSシステムに求められる機能を中心に、POSシステムの概要やおすすめのソリューションについてご紹介します。

POSとは?

POSとは「Point of Sale」の略で、日本語では「販売時点情報管理」と訳されます。小売店で「商品が販売された時点」の情報を管理するため、商品のバーコードをスキャンすることで販売が成立したとみなし、「何が」「いつ」「どこで」「いくらで」売れたのか、といった情報をすべてデータ化し、売上の記録や商品管理をリアルタイムに行います。

これらの情報を集めるだけでなく、分析まで行う一連のハードウェアからアプリケーションまでを合わせて「POSシステム」と呼んでいます。一般的に「POSシステム」というとアプリケーションのことを指すと思われがちですが、本来は店頭のレジなどに搭載されているシステムから、サーバー側の機能まで一連のシステムを指す言葉です。

POSシステムは、その内容や外観によって「ターミナル型」「パソコン型」「タブレット型」の3つに分類されます。

● ターミナル型・・・従来の据え置き型レジにPOSを導入したもの。レガシーPOSとも呼ばれる。
● パソコン型・・・法人用のPCにPOSソフトをインストールして使う。パソコンとして一般的な業務にも使える。
● タブレット型・・・オ文字通り、タブレット端末に専用のアプリをインストールして使うもの。近年ではスマホを利用することもあり、低コストで持ち運びやすいのが大きなメリット。

POSの歴史

初めてレジスターが登場したのは1878年、19世紀の終わりごろのことでした。初めはカフェ経営者により、スタッフの不正を防止するために開発されたと言われています。それから約30年後、日本でも百貨店がレジスターを導入、消費が増えるとともにレジスターにもさまざまな機能が追加されていきました。

そして最初のレジスターが開発されてからほぼ100年後の1970年代、アメリカのスーパーマーケットで生まれたのがPOSレジです。これは、利益の減少を止めるために詳細な商品管理が必要であるとしたもので、日本にも輸入されバーコード技術と合わせて急速に普及が進みました。

1995年にはインターネットを利用したPOSレジが開発され、必ずしも据え置き型のレジスターにシステムを搭載しなくてもよくなりました。近年ではクラウド技術の発達とともに、タブレット型のPOSレジが主流になりつつあります。

POSレジとPOSシステムの違い

POSシステムとよく混同されて使われる言葉に「POSレジ」があります。「POSシステム」はPOSの仕組みの総称であるのに対し、「POSレジ」は実際に商品の情報を読み取って集める「POSシステムが搭載されたレジ」のことを指します。つまり、POSシステムの中にPOSレジが組み込まれている、というわけです。

POSシステムは売上で登録したデータを売上情報として、在庫システムや分析システムと連携することで、活用が可能です。POSシステムを搭載したPOSレジの導入により、流通業、サービス業など、POSシステムの重要な機能である商品の売上状況把握、在庫管理、顧客データの収集や分析が行えるのです。

今後、小売業で求められるPOSシステムの機能一覧

では今後、特に小売業で求められるPOSシステムの機能にはどんなものがあるのでしょうか。例えば、以下のような機能が挙げられます。

● データの連携による情報の利活用
● 機能選択で個別開発のコスト削減
● マルチプラットフォームへの対応

それぞれの機能について、詳しく見ていきましょう。

データの連携による情報の利活用

One to oneマーケティングを実現するためには、「誰が、何を購入したか」といった顧客の行動情報を集約する必要があります。そのためにはPOS単体ではなく、他のシステムと連携して収集した顧客情報を活用していかなくてはなりません。

例えば、既に導入が進んでいるキャッシュレス決済はもちろん、決済機能付きのショッピングカートを導入したり、ウォークスルーチェックアウト機能と連携したりすれば、顧客一人ひとりの嗜好に合わせた新たな顧客体験の提供につながります。

また、データを元に多様化が進む顧客の嗜好を理解できれば、来店中の顧客のスマートフォンへタイムセールや特売などのプッシュ通知を行うなど、付加価値の高いプロモーションが行えます。

さらに、店舗全体の売上をリアルタイムに把握できれば、棚割りや商品ごとの売り上げデータを店舗オペレーションに活用できます。これにより、適正在庫の確保や顧客の利便性向上に寄与できるでしょう。

機能選択で個別開発のコスト削減

一口に小売業といっても百貨店や量販店、専門店など業態はさまざまで、従来のPOSシステムではそれぞれに特化した製品を個別に開発してきました。そのため、ある機能が新しく欲しいとなった場合や、他の端末を利用したいと思った場合、一つ一つ開発しなくてはなりませんでした。

しかし、必要な機能を選択できるプラグイン構造のPOSシステムを利用すれば、グループ内に複数の形態の小売店舗があってもそれぞれに合った機能を採用するだけで対応できるようになります。例えば、レストランにはオーダーエントリーシステムを採用することができるでしょう。一方、物販の業種にはリアル店舗とECサイトとのシームレスな在庫管理の連携を行うなどが挙げられます。

顧客が注文した内容をデジタル化して厨房やレジに通知する、モバイルオーダーシステムも近年導入が進むシステムの一つです。他にも、マーチャンダイジングシステムと連携することで、オンライン・オフラインの在庫管理を一元化し、在庫管理や商品の受発注がシームレスに行えるようになります。

マルチプラットフォームへの対応

これまで、POSシステムはターミナル型が主であり、専用のPOS端末に依存していたため自由にデバイスを選ぶことができませんでした。しかし、POSレジやパソコン、タブレット、スマホなど複数デバイスの制御を1つのシステムで行い、各種デバイスの差異を吸収することで同一のアプリケーションがさまざまなデバイスやOSで動作するようになります。

すると、デバイスごと、OSごとに別々の開発を必要としないため、大幅な開発コストの削減につながります。費用面でのコストはもちろん、時間的コストの削減にもなるでしょう。また、店舗の雰囲気に合わせてPOSレジ、タブレット、スマホなどさまざまなデバイスが選択できるのは、小売店が店舗設計を行う上での選択肢を広げることにもつながります。

豊富なPOS実績で求められる機能を実現するTeamStore/DX

富士通の「TeamStore/DX」なら、今後求められるPOS機能を網羅しています。まず、顧客の行動情報や顧客接点情報を集約することで、売上情報の一元化が行えます。また、POS単体ではなく他のシステムと連携することで、ウォークスルーアウトなど新たな顧客体験の提供が可能です。

他にも、店舗とECで同様の優待やサービスの提供を実現することにより、OMO(オンラインとオフラインの融合)を加速できます。複雑化しているインセンティブを共通化できる「API連携」という機能によるサポートです。また、「TeamStore/DX」はPOS端末のほかパソコンやタブレット、スマートフォンなどのさまざまなプラットフォームで動作するため、OSごと、デバイスごとの開発が必要ありません。

さらに、誰でも操作しやすい直感的でわかりやすいUIにより、スタッフへの教育時間の短縮化、戦力化への時間短縮が図れます。前述のワンソースによる短期間・低コストでの導入が実現できたりするメリットもあります。 

POS機能は進歩を続けている。多様な機能を使いこなそう

POSシステムの機能は1970年代に登場して以来、商品の売上記録や在庫管理などを中心に利用されてきました。しかし、近年では決済方法や顧客嗜好の多様化とともに、顧客情報と紐づけた管理やそれによる新たな顧客体験の創出、OMOの加速、デバイスによらないマルチプラットフォームへの対応などが求められるようになってきています。今後求められる多様な機能を使いこなすために、直感的でわかりやすいPOSシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

お問い合わせ

最先端デジタルテクノロジーの活用によって、たのしく快適な購買体験、安全で効率的な店舗業務のあり方、新たなリテールモデルを最新事例と共にご提案いたします。
流通ソリューションに関するご質問・ご不明点等ございましたら、下記よりお問い合わせください。

Webでのお問い合わせ
  • Webフォーム

    当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ
ページの先頭へ