レジ待ちなし!スマートカートなど「スマートショッピング」最前線

リテールDX

人手不足やコロナ禍により、小売業は新たな売り方への変革に直面しています。社会が人との接触を避ける中で、損失した機会を取り戻すだけでなく、新たな販売チャンスの創出を期待されている「スマートショッピング」。 セルフレジ、スマートカート、VRコマースなど、小売の現場に登場している新たな「お買い物スタイル」に迫ります。

セルフレジとスマートフォンで変わる、
新たな「お買い物スタイル」とは

2019年末から始まったコロナ禍は、私たちを取り巻く社会を急激に変えつつあります。それは日常生活の基盤となる、店舗で商品を買う消費行動も例外ではありません。お店に足を運び、商品を手に取って確認し、買うものを決めてレジで支払う。こうした見慣れた買い物の姿は、デジタルの力でより安全で確実に、そして便利に変わろうとしています。社会に大きな変革が起こる中で、さらなる顧客満足を追求する小売業の新しい取り組みをご紹介します。

人手不足だけでなく、コロナ禍の解にもなった「セルフレジ」

スーパーなどでよく目にするセルフレジ。これまでレジ要員が対応していた商品スキャンや支払いを、専用の機械が行うものです。商品スキャンから支払いまですべて顧客が行うのが「フルセルフレジ」、レジ要員が商品をスキャンし、支払いは精算機で行うものは「セミセルフレジ」といいます。

日本でセルフレジが導入され始めたのは、2003年頃からです。人手不足が叫ばれる中、セルフレジはレジ要員の削減を目的としていましたが、コロナ禍の密集や接触も回避できることから近年さらに導入が加速しています。「スーパーマーケット年次統計調査報告書(2020年)」によると、レジ要員が商品を登録するセミセルフレジから普及が進んでいることがわかります。

・セミセルフレジ
全国の設置率は75.1%。保有店舗数11店舗以上の企業では、設置率が8割を超えている。
「セミセルフ精算レジを新たに設置したい」18.5%、「設置数を増やしたい」29.3%。


・フルセルフレジ
全国の設置率は25.2%。51店舗以上の企業で設置率が72.2%。
「セルフレジを新たに設置したい」28.7%、「設置数を増やしたい」12.9%。


セルフレジの支払いは、現金だけでなくクレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、幅広い選択肢に対応できるものが増えています。現金のやりとりが少なくなれば、日々の売上計算にかかっていた業務の負荷も軽減されることでしょう。

最近では、個人のスマホアプリから店舗にチェックインし、スマホでバーコードを読み込んで商品を登録、決済まで完了できるサービスも登場しています。これまでレジの機械が行っていた商品バーコードの読み込みや決済機能を、個人のスマホで担うことができれば、レジ待ちのない、より快適な買い物を実現できるでしょう。

また購入点数の少ないコンビニとセルフレジの親和性も高く、様々な形態でセルフレジの導入が進んでいます。セルフレジとスマホの組み合わせにより、消費者に新たな利便性を提供できることが期待されます。

「レジ不要」「店舗行かず」さらに進化する
スマートショッピング

デジタルという時間や距離、物理的な存在を越える技術は、セルフレジに留まらず、様々なシーンで「スマートショッピング」が拡大しています。その中で今回は、実店舗におけるオフラインサービスである、レジそのものがいらなくなるスマートカートと、店舗に行かなくてもオンライン上で買い物できるVRコマースなど、新たな取り組みを紹介します。

オフライン:カートがレジになる「スマートカート」

スマートカートとはレジ機能を搭載したショッピングカートです。
スマートカートは顧客が商品をかごに入れるときに商品を検知し、支払いまでできるので、レジコーナーに並ぶ必要がありません。商品を見ながら登録できるので、自分のペースで買い物ができ密集も回避できます。またスマートカートには商品をチェックする機能がついているものもあり、スキャン漏れも防ぐことができます。

この先、市場性含めて検証が進んでいくスマートカートは、各社が様々なサービスを展開しています。そのバリエーションをみてみましょう。

例えば、カートの形がスキャン用機器と一体型になっているタイプやスキャン用のタブレット端末が充電用に取り換えられるようになっているタイプ、商品をスキャンする時に、二次元バーコードを読むだけでなくAIが商品を識別してくれるタイプなどがあります。
そのほか支払い方法についても、カート内で完結するパターンと専用レジに連携するパターンとがあります。
さらに量り売りに対応できる重量センサーがついたカートや、カートに入った商品からAIがおすすめ商品を表示する機能などについても話題を集めています。

導入が進めば、新たな機能として、顧客一人ひとりのパーソナライズや、カートが個人を認証することによる会員ランクに応じた値引き、冷蔵庫の残り少ない食材の通知や、嗜好に合わせた食材のレコメンドを行うなど、新たな顧客ニーズを発掘できるようになるかもしれません。

オンライン:仮想現実に入り込む「VRコマース」

VRコマースとは、仮想現実(Virtual Reality)を活用した買い物をいいます。ヘッドマウントディスプレイと呼ばれるゴーグルをつけて仮想現実の空間に入り込み、歩き回りながら商品を選ぶことができます。

VRコマースのメリットは、大きさや広さを体験できる点にあるでしょう。家具や大きなインテリア用品は、実際の大きさを実感してから買いたいという声が多いものです。これまで店舗に足を運ばないとわからなかったサイズ感を、自宅からでも確認できるのがVRコマースです。また家具の色や質感も、バーチャルな空間であれば瞬時に確認することができます。

VRコマースのもうひとつのメリットは、臨場感のあるショッピング体験です。コロナ禍では、人が集まる様々なイベントが中止になりましたが、リアルなイベント商戦を仮想現実に移す取り組みも行われています。顧客はバレンタインなどのイベント用に作られた豪華なVR空間を歩き回りながら、特別感のあるショッピングを楽しむことができます。

小売業は、新しい売り方への変革を求められている

外部環境が大きく変化する今、新たな変革を求められている小売業は少なくありません。どの企業も顧客が求める商品を開発し、それを届ける使命は共通しています。しかしそこに介在する「売り方」のあるべき姿は、企業によって大きく異なります。新たな時代の小売業の最適解に、より早く到達するにはいったい何が必要でしょうか。

変化を加速させる「ヘッドレスコマース」

小売業にとって消費者との接点は変化が激しく、柔軟に対応することが求められます。セルフレジ、スマートカート、VRコマースなど、新たな売り方が次々と登場する中で、ヒントになるのが「ヘッドレスコマース」です。

ヘッドレスコマースでは、フロントエンドUIとそれを支えるバックエンドを切り離し、それぞれを独立した存在としてとらえます。バックエンドの影響を最小限とすることで、新たな顧客接点、チャネル、ユーザーニーズに素早く、柔軟に対応することを目指します。

このヘッドレスコマースの構造を採用し、開発されたプラットフォームが「Brainforce」です。APIを活用するBrainforceは、小売業の現場に必要なサービスの実装を段階的かつスピーディに支援します。

今後も変化し続けるOMOでの消費者接点や購買体験。環境変化に追随する小売業のDXを実現するため、新しい価値を提供するプラットフォームの利用を考えてみては如何でしょうか。

お問い合わせ

最先端デジタルテクノロジーの活用によって、たのしく快適な購買体験、安全で効率的な店舗業務のあり方、新たなリテールモデルを最新事例と共にご提案いたします。
流通ソリューションに関するご質問・ご不明点等ございましたら、下記よりお問い合わせください。

Webでのお問い合わせ
  • Webフォーム

    当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ
ページの先頭へ