ディスラプター(破壊的企業)に打ち勝て!2025年の崖を乗り越え、企業が成長し続けるために必要なこととは?(後編)
クラウドネイティブNow
UberやAirbnbなど、デジタル技術を活用し、既存のビジネスモデルや商習慣、業界の壁を破壊・変革するディスラプターが世界中で登場しています。それらのディスラプターの猛攻に耐え、企業が成長・発展し続けるには、大きな発想転換が必要です。組織や風土、意識を変えると同時に、デジタル技術をうまく活用していく・・・。そのカギを握るのがDX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)です。前編では今の企業を取り巻く状況、後編ではそれを乗り越えるためのDXの概要などについてご紹介します。
DXは既存ビジネスモデルの見直しが必要
前編では、日本の企業を取り巻く状況を紹介し、ディスラプターに駆逐されないためにも、DXに取り組むことが不可欠であると述べました。「DX、DXというけど、IT化やデジタル化には取り組んでいる。それと何が違うのか」と思っていらっしゃる方もいるでしょう。
DXの歴史から紐解いていきましょう。DXは2004年にスウェーデンの学者たちによって提唱されました。当時のDXの概念は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」というもの。この概念が発展し、現在、経済産業省では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。この定義からもわかるように、デジタル化のようにデジタル技術を活用するだけでは実現するモノではなく、ビジネスモデルの変革も促すものなのです。
ですが、既存ビジネスモデルを見直し、変革を促そうと思っても、それを阻む障壁が存在します。その一つが、老朽化した既存システムです。「クラウドネイティブ本格化で再確認 ~DXレポート解説~」という記事で「前編」および「後編」の二回に渡って紹介したように、老朽化した既存システムが存在するまま、デジタル技術を導入しても、データの利活用・連携が限定的となり、その効果も限定的となることや、既存システムの維持に費用や要員がとられてしまうことで新しい技術が導入できないなど、DXが進まない大きな要因になっているのです。DXには既存ビジネスモデルの改革が必要であり、そのためには既存システムの改革も欠かせないというわけです。
DXの取り組みはトライアンドエラーの繰り返し
ではどうやってビジネスモデルや既存システムの改革を進めていけば良いのでしょう。DX時代においては、新しい革新的なアイデアが見つかればすぐトライし、評価して結果が出なければすぐ、その事業は止めるというスピード感が求められます。その一方で、企業規模にもよるとはいえ、DX推進計画はおそらく多くの企業で非常に大規模なものとなるでしょう。その大規模な計画を、スピード感を持って進めるためには、従来のようなウォーターフォール型のやり方ではうまくいきません。一気に進めるのではなく、小さな単位に分割し、できるところから着手する。そしてトライアンドエラーで計画を遂行していく。つまりアジャイル型で取り組んで行く。それが成功への第一歩です。
とはいえ、資金・リソースには限りがあります。DXに関係ない領域・分野は、SaaSなどのクラウドサービスを利用し、コスト削減していくことも必要でしょう。
変化に追随するためにはクラウドネイティブのシステムが欠かせない
新しいビジネスモデルをトライアンドエラーで構築していくには、それに追随できるシステムが必要になります。では変化に追随し、成長しているディスラプターたちはどんなシステムを構築しているのでしょうか。答えは簡単です。「クラウドネイティブ」なシステムです。
CNCF(Cloud Native Computing Foundation)では、クラウドネイティブを「スケーラブルなアプリケーションを実行するための能力を組織にもたらすためのもの」と定義しています。つまりクラウドネイティブは、組織規模の大小によらず、ビジネスを最も効率的に回す仕組みをつくるための技術なのです。
クラウドネイティブなシステムにすることで、変化に追随できる柔軟なシステム構築が可能になります。ですが、ここで忘れてはならないのは、「クラウドネイティブシステムを構築すること = DXではない」ということ。先述したようにクラウドネイティブシステムは、あくまでビジネスを最も効率的に回す仕組みをつくるための技術であり、永続的な事業継続、発展のための手段。クラウドネイティブでシステムを構築することが、DXの推進、新たなビジネスモデルの創出を促進させる、いわばカンフル剤的な役割を担うというわけです。
もちろん、すべてのシステムをクラウドネイティブなシステムにする必要はないでしょう。企業にとってオンプレミスの方がメリットの多い場合は、オンプレミスのままでも良いかもしれません。ですが、ビジネスを取り巻く変化のスピードはますます加速しています。そのような状況の中で、ユーザー自身が変化に追随し、障害やトラブルにスピーディーに対応していくことはますます難しくなっていくことは予想に難くないと思われます。
ディスラプターに打ち勝ち、2025年の崖を乗り越え、企業が成長し続けるためには、クラウドネイティブへのシフトは必要不可欠な条件と言えるのかもしれません。
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