ディスラプター(破壊的企業)に打ち勝て!2025年の崖を乗り越え、企業が成長し続けるために必要なこととは?(前編)
クラウドネイティブNow

UberやAirbnbなど、デジタル技術を活用し、既存のビジネスモデルや商習慣、業界の壁を破壊・変革するディスラプターが世界中で登場しています。それらのディスラプターの猛攻に耐え、企業が成長・発展し続けるには、大きな発想転換が必要です。組織や風土、意識を変えると同時に、デジタル技術をうまく活用していく・・・。そのカギを握るのがDX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)です。前編では今の企業を取り巻く状況、後編ではそれを乗り越えるためのDXの概要などについてご紹介します。

ビジネス的に生き残ることがますます難しくなっている

現在、世の中は日々、大きく変化しています。その一例が2020年初頭から流行し、世界中にパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症。コロナ禍により、私たちの日常生活、働き方は大きく変わりました。日常、外出時にはマスク着用が当たり前となり、働き方ではテレワークが進みました。このような禍が起こることはもちろん、その影響が2年にもわたった現在も続くことなど、想像できた人は誰もいません。
コロナ禍は日本経済にも大きな影響を及ぼしました。2020年の実質国内総生産(GDP)はマイナス4.5%と大幅に減少。2021年度もGDPはコロナ禍に振り回され、10月から12月期のGDP速報値では、実質VDPが前期比年率プラス4.7%とプラス成長が予想されていますが、昨年末から流行しだしたオミクロン株の爆発的な感染力により、2022年度の前半もコロナ禍は日本経済に大きな影響を与えそうです。コロナ禍による日本経済への影響は、帝国データバンクの調査でも明らかです。グラフを見ればわかるとおり、コロナ禍による関連倒産件数は累計で約2,700件に到達。2022年1月の倒産件数も100件を超えています。

新型コロナウイルス関連倒産 累計発生件数推移

経済環境の変化だけではありません。企業を取り巻く競争環境も大きく変化しています。近年、「こういった企業が、こんなことをやるとは」というような、まったく異なる分野の破壊者が表れ、これまでの業界・領域を脅かしています。今では私たちの生活の中に浸透したAmazonはその先例でしょう。Amazonは今では本だけではなく、コンピューターソフトウェア、ハードウェア、音楽メディア・ビデオや生活雑貨、家電、ファッションなどあらゆるものを扱っていますが、サービス開始当初はオンライン書店としてスタート。Amazonの飛躍により(もちろん、活字離れ、電子書籍の普及などの影響もあるが)、町の小さな書店だけではなく、大型書店の姿が消えつつあります。このような破壊者の登場はますます加速しており、世界中で活躍。UberやAirbnbなどはその代表例と言えるでしょう。

世界で活躍するディスラプターの特徴

ディスラプターとは、デジタル技術を活用し、新しいビジネスモデルにより既存の市場原理を破壊する可能性を秘めたベンチャー企業のことです。米国CNBCでは2013年より毎年、「Disruptor 50」というリストを発表しています。この「Disruptor 50」には先に紹介したAmazonなど、すでに上場した企業は登場しておらず、すべて未上場で、設立15年以内の企業が対象。例えば2020年の「Disruptor 50」は12社が上場、さらに4社が特別買収目的会社(SPAC)に買収されたため、2021年の「Disruptor 50」では27社が新たにランクインしました。このように、日本では知られていないさまざまな業界のディスラプターが毎年、すさまじい勢いで登場し、業界変革が行われていることがわかります。

話題によく取り上げられる代表的なディスラプター

  • Airbnb:民泊マッチングサービス
  • Uber:ライドシェアリング
  • Stripe:オンライン決済
  • Netflix:配信登録制のストリーミングサービス
  • Robinhood:金融サービス

ディスラプターと一口に言っても、さまざまなタイプがあります。ビジネスモデルで優れた顧客体験を生むタイプやプラットフォームで需要と供給をつなぐタイプ、模倣されにくい独自の技術を武器として持つタイプ。例えばUberは優れた顧客体験を生むビジネスモデルタイプであり、プラットフォームタイプであること。これまでのタクシー事業とは異なり、利用者はUberが提供するアプリに登録することで配車が可能になります。一方、事業者(運転手)側もUberに登録することで、利用者とのマッチングが可能となります。運賃もUberを経由してやり取りされることになります。このようなプラットフォームを構築しつつ、Uberが成長し続けているのは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の秀逸さにあります。アプリで簡単な操作をするだけで、配車できるからです。しかも目的地までの所要時間や概算料金なども提示。支払いもカード決済なので、現金のやり取りという手間もありません。Uberが日本に登場したこと、コロナ禍による売上減少により日本のタクシー業界もデジタル化を促進。JapanTaxiとMOV(ディー・エヌ・エーが運営)が統合した「GO」、ソフトバンクと中国北京に本社を置くDiDiが運営する「DiDi」などのタクシー配車アプリなどが複数登場し、タクシー事業の再編が進んでいます。

2025年の崖を乗り越え、ディスラプターに打ち勝つために

Uberはほんの一例ですが、さまざまなディスラプターが今後も続々と登場し、業界や領域に変革をもたらしていくことは、もはや当然と言っても過言ではありません。それらの企業に打ち勝ち、成長していくためにどんな要素が必要になるでしょうか。
第一は斬新な発想転換です。発想転換をするのは経営層だけではありません。社員の意識、風土も変えていくことが必要でしょう。
第二に、素早い意思決定ができること。意思決定のための仕組みを整備することも必要です。ビジネスの変化を捉えて意思決定ができるよう、経営情報を見える化し、ワークフローを整備していくことも求められるでしょう。
第三に変化に強い組織に作り替えること。組織を作り替えることで、ビジネスフローも変わることが予想されます。そういう組織やフローが変化しても、追随できる柔軟なシステムが必要になるでしょう。
第四にビジネスモデルを顧客起点に変えていくこと。顧客の声や顧客接点で起こっていることなどを捉えて、自社のサービスやプロダクト、戦略に生かしていくことが、企業の成長につながるからです。
そして第五に他者とのエコシステムを構築すること。社会や顧客の課題を解決することは、1社だけでは難しく、業界を超えて複数の企業や組織が連携する必要があります。例えば政府が掲げているカーボンニュートラル。2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするには、各企業や個人がそれぞれ取り組むだけでは実現できません。企業や組織、社会が連携して取り組むことで課題解決が可能になるのです。
これらのことを実現するために欠かせないのが、デジタル技術を最大限活用すること。つまりDXすることです。DXにより新たなビジネスモデルを構築し、企業の力を強化・発展させることが今、求められていると言えるでしょう。

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