中部大学様

学内に分散した各システムを「PRIMEFLEX for VMware vSAN」で統合。
大幅な運用効率化に加え、“見えにくい”コスト削減も実現。

2018年に創立80周年を迎えた学校法人中部大学様は、ICTの活用に積極的なことから学内に多くのサーバを有していますが、部門ごとに個別に構築していたため運用管理に関わる負荷軽減・コスト削減が課題となっていました。そこで、複数の場所に分散していた物理サーバの仮想化集約を実施し、さらにPRIMEFLEX for VMware vSAN(以下、PRIMEFLEX)によるシステム基盤統合を実施しました。これまで各システムの管理・運用作業を担っていた個々の組織が統合され、複数体制による属人化の解消、世代を考慮した技術の継承が可能となり、新たな技術・サービスの担当業務への展開が可能になりました。

導入事例概要

業種私立大学
ソリューション垂直統合型 仮想化基盤(ハイパーコンバージドインフラストラクチャー:HCI)
Fujitsu Integrated System PRIMEFLEX for VMware vSAN
課題
効果
課題学内に分散している多数の物理サーバのメンテナンスを軽減したい。
効果サーバの仮想化集約により、日々の管理負担を軽減。
課題部門ごとに構築され“サイロ化”したシステム運用を効率化したい。
効果仮想化基盤統合により、システム同士の連携と効率的な統合管理を実現。
課題仕様や更新時期が異なる様々なハードウェアの更新・拡張時の運用管理を容易にしたい。
効果システムを統合することでハードウェアの管理を一元化。サーバリソースの再配置も容易に対応。

※ サイロ化とは、システムリソースが個別に存在し、再配置できない状態を表す。

「PRIMEFLEXを選んだのは、国産ベンダーに対する保障・メンテナンス面での安心感や、それまで多くの学内システムを構築いただく中で培われた富士通への信頼感が大きかった。導入も短期間で可能なうえ、常に安定した稼働を支えてくれるという安心感が、ベンダー選定にあたっての重要な条件でした」


中部大学
工学部情報工学科 教授
総合情報センター長
岡崎 明彦 氏

導入の背景

学内に分散していた多数の物理サーバの運用管理に関わる負担を軽減するために

学校法人中部大学様は、「不言実行、あてになる人間」を建学の精神として1938年に産声を上げ、2018年に創立80周年を迎えました。中部大学は愛知県春日井市の43万m2を超える広大な敷地内に、開学以来の工学部をはじめとした7学部34学科、6つの大学院研究科を擁する総合大学で、学生数は約1万1千人を数えます。

同校の大きな特徴の1つが積極的なICT活用です。教育・研究に必要なパソコンやサーバはもちろん、学内における無線LAN環境の整備やアクティブラーニングの展開、さらには学生一人ひとりがノートパソコンを所持し、BYOD(Bring Your Own Device)の導入など、先進的な取り組みを行っています。「これら充実したICT基盤は、本学の強みとなっている一方で、その運用管理をいかに効率化するかが大きな課題となっていました」と語るのは、工学部情報工学科の教授にして総合情報センター長・図書館長を兼任する岡崎 明彦氏です。

「これらサーバは学生の皆さんの教育・研究を支える重要なインフラであり、常に安定した稼働が求められるとともに、先進的な教育環境を提供するため毎年のように最新設備を導入しています。現状では、多数のサーバが複数の場所に散在しており、それぞれ仕様や更新時期も異なるため、設備の更新・拡張や日々のメンテナンスには多大な負荷とコストがかかっていました」(岡崎氏)。
こうした負荷やコストを削減するため、物理サーバを仮想化集約することで、複数の場所にある多数のサーバを一か所に統合できないか、というアイデアが浮上。その実現に向けてHCIの導入を検討することになりました。

導入のポイント

サーバの仮想化集約によって、“見えにくい”コストを削減したい

「物理サーバの仮想化集約システム基盤となるHCIについては以前から関心を持っていました」と語るのは、管財部 情報基盤課 課長と総合情報センター 次長を兼務する岡部 仁氏です。「HCIによる仮想化集約に期待していたのは、単に物理サーバの台数を減らすというだけではなく、その運用管理に関わる“見えにくい”コストも含め、トータルな効率化を実現することでした。例えば、サーバの運用管理を担う人的リソースについての課題があります。現状では部門ごとにシステムを構築しており、部門間でシステム連携ができていない“サイロ化”した状況でした。サーバやネットワークなどのハードも部門ごとに仕様が異なっていましたが、各部門にそれぞれのハードの専門家を配置するのは予算的に困難です。結果として、限られたスタッフで複数種のハードを管理することになり、過大な負担となっていました」と岡部氏は当時の課題を語ります。

それらを解決する手段として、HCIに期待したのは次のような役割でした。「HCIによってサーバを仮想化して一か所に集約すれば、複数の場所にスタッフを配置する必要はなくなります。また、全学のハード仕様を共通化できるため、それらの運用管理に求められるノウハウ蓄積や教育も効率化できます。つまり、サーバを集約することが組織の集約にもつながり、やがては組織運営全体のコスト削減にも貢献するものと期待したのです」(岡部氏)。
HCIによるサーバの仮想集約化には、さらなる効果も期待されていました。「近年では、大学など教育機関に対しても環境負荷低減への要請が強まっており、特に電力消費の削減は重要なテーマとなっています。サーバの台数を減らすことで、サーバ自体の電力消費が削減できるのはもちろん、設置場所を統合することでサーバを冷やすための空調用電力消費も削減できるという相乗効果が期待できました」(岡部氏)。

中部大学
総合情報センター 次長
岡部 仁 氏

導入のプロセス

HCIならではの構成と学内システムへの理解度を活かし、短期間での移行を実現

仮想化集約に向けたPRIMEFLEXの導入は、まずは岡崎氏がセンター長を務める総合情報センターから始まりました。総合情報センターは大学内のICT基盤の整備・サービスを担う施設だけに、約30台のサーバが稼働しており、サーバルームが3か所に分散していました。まずは、これらを一か所に統合することで、HCIの導入成果を検証しようと考えたのです。

具体的な検討は、2017年10月にワーキンググループを立ち上げてスタート。海外ベンダーも含めた複数社に提案を依頼し、比較検討の結果、PRIMEFLEXの採用を決定しました。「PRIMEFLEXを選んだのは、国産ベンダーに対する保障・メンテナンス面での安心感や拡張のしやすさ、統合管理ソフト Fujitsu Software Infrastructure Manager(ISM)の操作性と見える化機能に対する期待、またそれまで多くの学内システムを構築いただく中で培われた富士通への信頼感が大きかった」と岡崎氏は語ります。「当センターのサーバは、学生の皆さんの日々の教育・研究に欠かせないものですから、止めることは許されません。そのため、導入も短期間で可能なうえ、常に安定した稼働を支えてくれるという安心感が、ベンダー選定にあたっての重要な条件でした」。

こうした信頼に裏打ちされ、総合情報センターに加えて、同時期に更新を迎える図書館システムについても富士通が担うこととなり、集約効果を拡大するため両施設のサーバを統合することとなりました。

2018年2月に正式に契約を交わすと、仕様の検討・設計がスタート。更新作業は夏期休暇を利用して8月に行われ、9月には仮運用、10月には正式運用に入りました。「PRIMEFLEXは、サーバとストレージが統合されたシンプルな構成に加え、富士通で検証済みの構成を工場でセットアップしたうえで納入されるため、稼働開始までが非常にスピーディーでした。業務を止められない立場からすると、とてもありがたかったです」と岡崎氏はPRIMEFLEXの利点を高く評価します。

導入の効果と将来の展望

一か所での集中管理により大幅な効率化を実現

PRIMEFLEXによる仮想化集約は、総合情報センターに約30台、図書館に6台あった物理サーバを、PRIMEFLEX 4台構成で一か所に統合するという、大きな集約効果を果たしました。総合情報センター担当課長を務める福田 基氏は、その効果を次のように語ります。「サーバはすべて総合情報センターに統合できたので、図書館設置のサーバの削減と管理者や冷却用の空調も不要になりました。また、センター内のサーバルームも一か所に集約でき、管理ツールで集中管理できるようになったため、日常のメンテナンスが容易になったのはもちろん、以前のようにトラブル発生時に各サーバルームに駆けつける必要もなくなりました」。
従来は個別システムのため、個人によって運用されていましたが、PRIMEFLEXによるサーバの仮想化集約によって、運用管理の共通化が進み属人化の解消が図れたことで、他の業務に時間や要員を割り振ることができて、技術の継承が可能になるなど、人的リソースの有効活用という面で多大な効果がありました。また、消費電力削減面でも、総合情報センターでは約50%、図書館では実に90%以上もの削減となりました。さらに、万が一、サーバに異常が生じた際も、PRIMEFLEX内の余剰リソースを活かして代替の仮想サーバを構築することで、業務をストップすることなく修復できるため、業務継続性という面でもメリットがあります。

これら多方面での効果を踏まえて、今後、学内の各施設にあるサーバも順次、集約していく計画となっており、そこでもPRIMEFLEXの優れた拡張性が威力を発揮することが期待されています。しかし、同校が富士通に寄せる期待はそれだけでないと言います。

「富士通には、今回の仮想化集約に限らず、今後も学内全体のシステムの管理運営の連携を強化し支えて欲しいと思っています。というのも、私たちは今後のICTの進化を踏まえて、学内におけるICT活用の方針や総合情報センターのあり方を考えていく必要があり、将来的にはクラウド化も含め、より高度なICTの運用管理方法を模索していきます。その実現には、当校の理念やシステムを理解したベンダーの存在が不可欠ですので、富士通のさらなるサポートを期待しています」(岡崎氏)。 富士通は、こうした期待に応えるべく、先進的な知見・ノウハウと密接なコミュニケーションを活かして、今後も学内全体システムの管理・運営の連携を強化し中部大学のICT基盤を支え続けます。

中部大学
教育支援部
総合情報センター 事務課
担当課長
福田 基 氏

システム構成図

担当営業、担当SSBメッセージ

(右)東海支社 文教営業部 野月 康弘(中)東海支社 文教営業部 林 杏奈(左)ビジネスパートナー本部 西日本SSB統括部 中部ビジネス部 冨成 尚往

本案件は、安定した教育環境の提供と将来を見据えたシステムの両立を実現する為にPRIMEFLEXをご採用いただきました。

最新IT技術の活用やシステムの最適化/最新化をすることでセキュリティを確保すると共に、総合情報センターシステムとして、利用者様及び管理者様が使いやすいシステム、少人数で運用できるセンターシステムとなっております。

オンプレ仮想環境上でサーバを動かしつつ、一部クラウドサービスを活用することで、時代の潮流にあったシステムを提供し、来るべきALLクラウド環境への移行もスムーズに行える環境となっております。

富士通は大学全体のシステム最適化だけでなく、貴学の経営パートナーとしてこれからもお手伝いさせていただきます。

富士通株式会社 東海支社 文教営業部 野月 康弘

中部大学様 概要

所在地〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200番地
代表者学長 石原 修
創立1938(昭和13)年
学生数11,176名(2018年5月1日現在)
教員数525名(2018年5月1日現在)
概要三浦幸平氏によって創立され、「不言実行、あてになる人間」を社会に送り出すことを使命とし、工学部、経営情報学部、国際関係学部、人文学部、応用生物学部、生命健康科学部、現代教育学部の7学部34学科と、大学院6研究科を擁しています。
ホームページhttps://www.chubu.ac.jp/新しいウィンドウで表示

[2019年4月22日掲載]

本事例に関するお問い合わせ

ページの先頭へ