高周波無線通信回路設計サービス
社会の通信需要に応え続けるために。
デジタル技術の活用に伴い、情報量はますます
増え続けていきます。
大容量のデータを高速通信するには、
GHz以上の高周波帯を活用することが不可欠です。

マイクロ波帯・ミリ波帯を用いた無線通信の歩み
現代の我々の生活において、無線通信は電力や水道と並び、なくてはならない公共インフラです。スマートフォンの通話に始まり、ネットショッピングやオンライン会議、被災時の非常通信手段など生活の身近な部分に密着しています。5Gのサービス開始と相まって、通信量は今後も増加する見込みです。特に橋梁や道路などのインフラメンテナンスや地方における遠隔医療は、大容量の動画像を扱います。より多くのデータを送受信するには、GHz帯以上の高い周波数による無線通信が必要です。
5Gの登場でクローズアップされているマイクロ波帯・ミリ波帯の高周波帯は、以前より幅広い領域で用いられています。マイクロ波帯は固定電話のバックボーン回線や発電所の送電制御、気象レーダなどに用いられています。ミリ波帯は、電波望遠量による天文観測、自動車衝突防止用レーダ、地球環境計測などです。
高周波帯はこのような多岐に渡る用途で活用されている一方、特にミリ波は直進性が強く、遠くの距離まで電波が届かないといった欠点から、これまでは活用分野が限られていました。しかしながら現在においては、Massive MIMOやビームフォーミングなどの新たな技術の登場により、ローカル5GやFWAのように使用用途が拡大し、Beyond5G・6Gで検討されているテラヘルツ領域の活用に歩みを進めています。
高周波無線通信回路の設計でお悩みを抱えてませんか?
①RF半導体デバイスの使いこなし
RF GaN(窒化ガリウム)は、その飽和電力の高さから信号歪みが大きく、使いこなしが難しいです。また、送信用電力増幅器として最大限の性能を引き出すためには、歪み補償技術の採用による信号歪みの低減が必要です。
②実測ツール・手順
高周波帯の計測器として、ネットワークアナライザやスペクトラムアナライザなど独自の実測ツールがあります。高周波回路の知識を基に測定箇所や校正方法を適切に選択する必要があります。また、mmオーダから存在する微小なデバイスの実装/組み立て手順や、仕上がり具合を確認する評価手法にも専門的なノウハウを活用します。
③回路ブロック・レベルダイヤ
高周波帯の場合、長さによっては50 Ω線路の伝送損失考慮や、インピーダンス調整を目的としたパッシブ回路の実装など、電子デバイス以外についても回路ブロックに反映させる必要があります。さらに、デバイスの製品ロットによる無線特性の変化や、温湿度の外的環境も考慮したレベルダイヤの設計が必要です。
マイクロ波からテラヘルツまで高周波無線通信回路の開発実績を保有
高周波無線通信回路は、波長の短さから分布定数回路の性質を持つことや、スミスチャートを活用した無線特性の調整など、回路固有の知識やノウハウが必要です。また、通信技術の進化に伴い、無線仕様の高度化やRF半導体の高出力化などにより、さらに設計難易度が上昇しています。当社は、創業時よりモバイル通信における3Gから5Gまでのモバイル基地局設計に携わっており、20年以上の開発実績を有しています。私たちは、上記のモバイル通信で培った設計資産をベースに、マイクロ多重波無線や防災無線、ミリ波レーダなど幅広い用途の、かつマイクロ波/ミリ波/テラヘルツといったように多様な周波数帯における無線通信機器の開発に取り組んでいます。高周波無線通信回路設計サービスの特徴
①半導体デバイス/RFコンポーネントの設計・選定
お客様のご要望にマッチした半導体デバイスおよびRFコンポーネントの選定を行います。省スペースが最優先の仕様下では、小型パッケージ品の実装検討、ならびにRFICの選定、最適な信号パターンの引き回し、プリント基板の多層化など実装面積を最小限とするご提案を行います。コスト削減を最重要視される場合は、部品数の最適化に加え、採用するプリント基板材の見極め、IVH・BVHをはじめとした特殊VIA不使用などご提案が可能です。②評価系/測定器/設計ツールの選定・構築
これまで当社が蓄積してきたノウハウを基に、最適な測定器群を選定したうえで、それら測定器を組み合わせた評価系の構築を行います。試作評価の後半に実施する測定自動化を考慮し、測定器のオプションならびに使用ソフトウェアのご案内も可能です。また、万が一の動作不良時には、測定器の詳細ログや分析から、不良箇所の特定を実施しつつ、その対応策のご提案を行います。③送受信機の設計・歪み補償方法の提案
当社は今まで、数百MHzのサブGHz帯からミリ波帯よりさらに上のテラヘルツ帯まで設計実績を持ち、送受信問わずブロックダイヤならびにレベルダイヤの検討が可能です。さらに、DPD(デジタルプリディストーション)をはじめとした歪み補償方法の提案が可能です。歪み補償に関わる回路ブロックの検討や詳細回路の設計も可能です。
開発実績
Sub6帯モバイル無線通信基地局
3.7 ~ 4.5 GHz帯を利用した、一般的に広く用いられているモバイル通信システムです。プラチナバンドをはじめとした、3.5 GHz以下の3G~4Gについても開発実績があります。
28 GHz帯基地局モジュール
ミリ波CMOSデバイスや多素子アンテナシステムなどを採用した、5Gやミリ波通信を主用途とする小型の無線モジュールです。
E-Bandインパルス無線
70/80 GHz帯を利用した、大容量無線通信を実現する無線システムです。本システムはビル間、河川跨ぎ、山間部、被災時など有線回線の存在しない場所に低コストで無線を構築可能です。
マイクロ波帯多重無線
4~12 GHzのマイクロ波を使用した中継装置です。固定電話のバックボーン回線や発電所の送電制御、自治体の防災無線など幅広い用途があります。
テラヘルツ帯無線モジュール
Beyond 5Gおよび6G向けの研究開発を目的とした、300 GHz帯のモジュール設計ならびにFlip-chipの実装・評価を行っています。