環境リスク・機会への対応
富士通フロンテックグループでは、CSRの実践、ひいてはSDGs達成への貢献を目的に、気候変動や環境汚染など環境にかかわる「リスク」を特定し対策を実施することで、地球環境保全に取り組んでいます。また、環境リスクだけでなく「機会」も特定し施策を実行するとともに、「組織の課題」および「利害関係者のニーズ及び期待」において「サプライチェーンとのかかわり」についても評価し、環境への貢献を通じた事業の拡大を図っています。
リスクマネジメント体制
当社グループでは、ISO14001(環境マネジメントシステム)に基づく環境リスク・機会の特定と対応、ならびに全社リスク・コンプライアンス委員会における全社リスクアセスメント(環境分野)と対応を通じて、潜在リスクをコントロールし、且つ顕在したリスクへの迅速・適切な処置を実行できるガバナンス体制を構築、運用しています。
環境マネジメントシステムに基づく環境リスク・機会の特定および対応
2024年度に特定した環境リスク・機会
著しい環境側面
項 | 特定項目 | リスクまたは機会 | 具体的なリスクまたは機会の内容(上段)/主な対策(下段) |
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1 | エネルギーの使用 | リスク | 温室効果ガスの発生による地球温暖化への影響 |
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2 | 廃棄物の排出 | リスク | 資源の枯渇、廃棄物の発生による環境汚染 |
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組織の課題(外部・内部)
項 | 特定項目 | リスクまたは機会 | サプライチェーンとのかかわり | 具体的なリスクまたは機会の内容(上段)/主な対策(中段)
/サプライチェーンの観点(下段) |
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1 | 気候変動対策 | リスク | 〇 | 異常気象などによる事業継続の困難、企業の気候変動対策に対する要求の高まり |
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スコープ3のGHG排出量を削減するため、カテゴリー1ではグリーン調達を通じたサプライヤーへの働きかけ、カテゴリー11では新製品の開発において従来機以上の省エネ性能の追求を実施中。 | ||||
2 | 持続可能な資源の活用 | リスク | 〇 | 資源の枯渇、資源採掘による自然破壊、資源価格の高騰 |
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再生材の適用、梱包材の削減、3R設計、リペアによる製品の長寿命化などを推進するため、上流・下流のビジネスパートナーと連携中。 | ||||
3 | 生物多様性および生態系の保存 | リスク | 〇 | 種の減少による生態系バランスの崩壊、食料・衣料などの不足による人類の生存危機 |
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生物多様性の維持に貢献するため、森林保全活動や海洋プラスチックごみの削減など、関連ステークホルダーと連携中。 | ||||
4 | 水資源の保全 | リスク | 〇 | 水ストレス(水需要がひっ迫している状態)や水質汚染の深刻化 |
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当社グループの水使用量を監視するとともに、グループ会社が在籍する国々の水ストレスの把握を継続実施中。 | ||||
5 | SDGsへの貢献およびビジネスチャンスの獲得 | 機会 | 〇 | SDGsに貢献する製品・サービスの開発と提供を通じた事業の推進 |
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GHG排出量の削減、プラスチックごみ発生量の削減などを推進するため、各種ステークホルダーと連携中。 | ||||
6 | グループ会社のガバナンス | リスク | ― | 国内外グループ会社のISO14001認証取消によるグループ全体への影響 |
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― | ||||
7 | 化学物質管理及び汚染予防 | リスク | 〇 | 化学物質管理の規制強化、企業の現場における化学物質管理の重要性の増大 |
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外部委託業者に対して化学物質取扱時の注意事項を伝達し、環境汚染および健康被害が発生しないよう対応中。 |
利害関係者のニーズおよび期待
項 | 特定項目
※()内は該当する利害関係者 | リスクまたは機会 | サプライチェーンとのかかわり | 具体的なリスク・機会の内容(上段)/主な対策(中段)
/サプライチェーンの観点(下段) |
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1 | ESGの推進
(すべてのステークホルダー) | 機会 | 〇 | SDGsなどへの取り組み、および実績の外部発信による企業プレゼンスの向上 |
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気候変動対策、サーキュラーエコノミー、CSR調達などのESG活動において、各種ステークホルダーと連携中。 | ||||
2 | CDP、SBTi、RE100、TCFD、TNFDなどへの対応
(国際イニシアチブ、金融機関 他) | 機会 | 〇 | 気候変動対策に取り組むことによる富士通ブランド価値の向上 |
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スコープ3のGHG排出量を削減するため、カテゴリー1ではグリーン調達を通じたサプライヤーへの働きかけ、カテゴリー11では新製品の開発において従来機以上の省エネ性能の追求を実施中。
加えて、生物多様性保全のため、ステークホルダーと連携し森林保全活動を推進中。 | ||||
3 | 近隣住民とのコミュニケーションの実施
(近隣住民) | リスク | ― | 水質汚染や騒音・振動などの公害による近隣住民への影響、苦情の発生 |
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― | ||||
4 | 従業員とのコミュニケーションの活性化
(従業員) | 機会 | ― | 従業員との連携による環境活動の推進 |
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5 | 製品含有規制物質に関する情報の提供
(サプライヤー) | リスク | 〇 | 製品含有規制からの逸脱による社会的信用の失墜 |
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欧米などで製品含有物質規制が厳しくなる中、サプライヤーとより緊密に連携し、含有物質情報の収集を継続的に実施中。 | ||||
6 | 業務委託するにあたっての環境上の順守事項、留意事項などの伝達
(外部委託業者) | リスク | 〇 | 外部委託業者による環境上の法令違反、重大事故などの発生 |
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省エネや廃棄物分別などについて、外部委託業者へ協力を随時依頼中。 | ||||
7 | 社会貢献活動の推進 (NPO/NGO) | 機会 | ― | NPOなどとの連携による社会貢献活動の推進 |
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― | ||||
8 | 環境法令・条例の順守、地域行政への協力
(省庁、地方自治体) | リスク | ― | 環境法令・条例の違反による、企業イメージの低下 |
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― | ||||
9 | 製品・サービスを提供した顧客からの修理、長寿命化などの要望への対応
(お客様) | 機会 | 〇 | 修理して長く使い続けることを希望する顧客への対応 |
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サーキュラーエコノミー型ビジネスモデルを確立するため、ビジネスパートナーなどと連携中。 |
全社リスクアセスメント(環境分野)および対応
2024年度に特定した主な環境リスク
環境リスク
項 | 主な特定項目 | 具体的なリスク・機会の内容(上段)/主な対策(下段) |
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1 | 水質汚染 | 当社活動が原因の水質汚染の発生による環境破壊、損害賠償、企業ブランドの毀損 |
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2 | 騒音・振動 | 騒音・振動の発生による近隣住民への影響、苦情の発生 |
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3 | 産業廃棄物の適切な管理 | 委託先における不適切処理による環境汚染、排出事業者のレピュテーション低下 |
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4 | フロン類の漏えい | エアコンなどの管理不足によるフロン類の漏えい、それに起因する温室効果ガスの発生 |
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5 | 環境関連法規制の順守 | 行政への届出漏れなどの法令違反による罰則の適用、企業ブランドの毀損 |
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産廃処理業者の現地確認
自主騒音測定