• 顧客コンタクトサービス

三井化学株式会社 様

代表窓口対応業務をCSLに委託することで、
社員の負担を大幅に軽減、高付加価値業務へのシフトを実現。

三井化学のコーポレートコミュニケーション部(以下CC部)は、社員が担当していた会社代表電話対応業務と会社ホームページからの問合せ対応業務を富士通コミュニケーションサービス(以下CSL)に委託しました。これに応えてCSLは、お客様からの多種多様な問い合わせに迅速、的確に対応を行うとともに、さらにスムーズな社外対応をするためにホームページ改善なども実現しました。

それを支えたのは三井化学との確かな信頼関係、そしてCSLスタッフの柔軟な対応と知識吸収力です。

この委託により、三井化学の社員は、当業務からより戦略的な業務へ集中することが可能となり、テレワークの新しい働き方への対応もできるようになりました。属人化しがちだった対応はCSLにより標準化され、高い水準で均質的に実施されるようになり、顧客満足度も向上しました。今後も、社外とのより優れたコミュニケーションをめざし、CSLからの提案が期待されています。

課題
効果
課題 代表電話などへの対応をすべて社員が担当していたため、負担が大きい
効果 業務委託により社員の負担が解消。高付加価値業務へシフトできるようになった
課題 テレワークの浸透、コロナ禍などによって増加する問い合わせへの対応に不安
効果 問い合わせ対応のリソースの不安がなくなった
課題 電話対応だけでなく、担当部署へのエスカレーション、報告など総合的なサポートをしてもらえる業務委託先が見つからない
効果 CSLは電話対応の品質が高いことはもちろん、総合的なサポートをしており、安心して任せることができた

背景

少ない人員、増える問い合わせの中で

三井化学株式会社
CC部 企画管理
グループリーダー 村瀬寛保氏

三井化学のCC部は大きくIR、広報、企画管理の三つのグループから構成されています。代表電話や自社ホームページを通じてのお客様や関連企業からの問い合わせは、企画管理グループの業務の一つですが、これらは従来社員がすべて手がけていました。

その数は、2022年12月の時点で、代表電話からは月に約200件、ホームページからは月に約300件。コロナ禍以前はその半数強でしたから、かなりの増加になっています。

CSLへの委託前は、代表電話は社員が当番制で、ホームページからの対応は特定の社員が実施していましたが、これらの業務が割り込むことで本来注力すべき業務に支障をきたしたり、対応に漏れや遅延が起きていました。

「社員の退職をきっかけに、こうした問題が一気に露呈してきました。後任の手配や引継ぎ、さらに社員だけの対応では手一杯になってしまい、回答の遅れなど行き届かない点も出てきました。」と村瀬寛保氏(CC部 企画管理グループリーダー)は語ります。

三井化学株式会社
CC部 企画管理
グループ 佐々木康美氏

三井化学ではテレワークを2019年から導入していましたが、新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言により出社制限がかかり、代表電話対応業務に支障が出て来ました。その後も出社制限が続き、一気にテレワークが浸透したこともこの問題に拍車をかけました。

「電話対応業務とホームページからの対応をテレワーク下の少ない人数で回したので、代わりの人員がおらず、緊急時などでも休むことができませんでした。」と佐々木康美氏(CC部 企画管理グループ)は振り返ります。

こういった複合的な課題から、当業務の外部委託の検討がコロナ禍に始まりました。富士通グループとは過去から付き合いがあり、富士通のグループ会社の中に、コールセンター専業の会社CSLがあることを知り委託に踏み切りました。導入期間も契約から運用開始まで1~2か月内しかかかっておらず、短時間での委託切り替えを実現できました。

導入

対応部署の振り分けを任せられる企業

CSLへの委託前、他のコールセンターサービス企業に、代表電話対応の業務のみを委託したことがありました。

「この企業は、料金は安かったのですが、月曜日の朝はなかなか電話がつながらない、電話で受けた内容をメール転送してくるだけで、対応部署を判断して振り分ける作業は我々がしなくてはならない、電話対応の品質も低いなど問題が多く、結局、この委託先はやめました」(村瀬氏)。

この経験から、業務委託するなら、回答が迅速・的確であり、受付の一次対応から、担当部署への振り分けもまとめて任せられることが必須条件になっていました。

こうした認識のもと、CSLを知った村瀬氏は、2021年の8月にコンタクトを取り、10月にはまず会社ホームページからの問い合わせ業務の委託を先行で開始しました。また代表電話はそれから1月後の11月から委託を始めました。

CSLは全国12カ所にサポートセンターを持っています。「災害時のリスク分散も考え、西の地域が良いだろうというくらいの思いでいたところ、松山の拠点を提案いただき決定しました。コロナ禍だったため、導入準備から本番に至るまではずっとリモート。実際に松山の拠点を訪問したのは委託開始の半年後の2022年5月でした。CSL松山のサポートセンターはとても良い雰囲気でスタッフもすばらしく、本当に良かったと思っています」(村瀬氏)。

マニュアルを整備、問い合わせ対応の中で拡充

三井化学のお客様からの問い合わせは大きく、製品に関するものと、IRや投資に関するものの二つからなり、その他、営業(売りこみ、引き合いなど)もあります。

中でも製品は種類が多く、何百におよびます。従って代表電話への問い合わせに対し、電話対応するCSLのスタッフにはどの部署に回答を依頼するかを判断する知識が必要になります。そのため企画管理グループではマニュアルを用意しました。やや懸念があったのは、マニュアルをどこまで完璧に作る必要があるかでした。

富士通コミュニケーションサービス株式会社
第二CXビジネス本部
第八事業部第四サービス部
佐川優

「しかし基本となる大まかなマニュアルを、CSLが問い合わせを受ける中で、自ら拡充するとともに、ナレッジを蓄積していく方法を提示してくれたことで、この懸念は解消されました」(村瀬氏)。

松山サポートセンターの佐川優(第二CXビジネス本部 第八事業部第四サービス部)は、「最初は横文字やアルファベットの物質名や製品名にとまどうこともありました。中には物質名など抜きに『こういう用途に使いたいのだが(可能だろうか)』といった問い合わせもあります。

それらに対し、マニュアルを参照したり、佐々木さんをはじめ、三井化学の皆さんに教えていただきながら慣れていきました」と語ります。

ホームページの改善も提案

CSLは、顧客満足度のさらなる向上をめざして三井化学のホームページの改善にも関わりました。

「ホームページには、FAQを長く更新していないことや、問い合わせのカテゴリー分類が活用されず、多くの方が『その他』カテゴリーから入ってしまう、などの課題がありました」(佐々木氏)。そこでホームページの文言を変える、製品検索ページの階層をわかりやすい位置に置くなどして、来訪者が自己解決しやすい方向に改善しました。

「CSLという第三者の目が入ることで、それまで当たり前だと思っていたことが、そうではないと気づいたのも委託の大きな効果だと思っています」(村瀬氏)。

効果

98%を超える一次対応率を達成

「CSLへの委託には大変満足しています。導入当初は一次対応率が6割くらいでしたが、月を追うごとに向上し、すぐに8割を超え、現在は約99%に達しています。三井化学の製品知識や組織について本当によく理解し、対応されていることに感謝しています」(村瀬氏)。

CSLに委託したことによって、社内が多少混乱するのではないかという懸念もありましたが、今では一次対応率が2営業日以内に100%完結しています。

さらに三井化学の製品知識を身につけるため、独自に内部資料を作成したり、問い合わせが増加しているトピックに関して集中的に勉強するなどして知見を増やしていきました。「松山を訪問したとき、佐川さんのチームの方々が教えてほしいことを熱心に尋ねてこられて・・・。私はホワイトボードに書きながら石油化学分野の説明をしたのですが、みなさんの吸収力は驚くほど高く、これにも感心しました」(村瀬氏)。

三井化学が予想していなかった効果もありました。「この外部委託をきっかけに、どの部署に回答を依頼するのかを再確認でき、業務と担当部署の関係が明確になるというメリットがありました」(佐々木氏)。

三つに集約される効果

村瀬氏は全体的な視点から、業務委託効果を次の三点に集約します。

  1. 社員が問い合わせ対応から解放されることで、企画戦略などの高付加価値業務へシフトできた。
  2. 属人的になりやすかった対応が標準化され、均質的、継続的に実行できるようになった。
  3. 重要な社外対応を安心して任せられるため、リソースの不安が解消された。

また、CSLでは問い合わせについて、内容の傾向分析、一次対応率などをまとめたレポートを毎月一回提出しています。分析では問い合わせ内容を数値化、見える化し、改善策などに役立つようにしています。「このレポートにも非常に満足しています。当グループのウェブ担当者などもこのレポートを参考にしています」(佐々木氏)。

今後の展望

将来に向けた提案にも期待

これからについてはまだ具体的な動きはありませんが、企画管理グループでは二つの事項を検討しています。

一つは多言語対応です。現在の代表電話の外国語対応は、ホームページの問い合わせ画面に誘導する形で運用をしていますが、これを今後どうするかを考える必要があります。

もう一つは、DXやAIの活用です。「チャットボットなど、人に依存しないしくみも出てきていますから、これをどの程度活用するかですね。技術的な完成度はまだこれからと感じますが、こうしたものも含めて、これからもCSLの提案に期待しています」(村瀬氏)。

CSLヘの業務委託を知って、三井化学には、グループ企業からの問い合わせも増え、既に委託をスタートした企業もあります。CSLはマニュアルづくりやホームページの運用ノウハウを活かすとともに、スタッフの柔軟な対応力を発揮して、業務構築から安定運用まで実施して、三井化学との確かな信頼関係を築きました。さらに、現状に満足することなく、運用改善に取り組み続けてきたことが、この成功につながったと言えるでしょう。

三井化学株式会社 様

事業分野ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業、モビリティソリューション事業、ICTソリューション事業、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業
設立年度1955(昭和30)年7月1日
ホームページhttps://jp.mitsuichemicals.com/jp/
概要三井化学は、グローバルに事業を展開している日本の化学メーカーです。自動車、電子・情報、健康・医療、包装、農業、建築・建材、環境エネルギーなど幅広い分野において、人々の生活をより豊かにする製品・サービスを提供しています。「化学」のちからで様々な社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

[2023年3月掲載]

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