——— おきなさんのまちづくりの活動について教えてください。
おきな: もともと福岡県久留米市で飲食店を営んでおり、そこで結婚式などのイベントを行っているうちに活動範囲が広がり、仲間たちと地域づくりの会社を立ち上げました。今では、久留米市のまちづくりをメインの軸足として、全国でプロジェクトの立ち上げなどの活動をしています。久留米市以外の地域では、住民の方にメインに活動するプレイヤーになってもらい、私たちはプレイングマネージャーのような立場です。
例えば福岡県八女市では、10年前、2012年の豪雨で流されてしまった小さな村で運営するキャンプ場の再生プロジェクトを手掛けました。私はコーディネーターとして入り、自治体と合意形成を図って協議会を作り、企業の支援を取り付け、9年越しで昨年、キャンプ場を再オープンすることができました。このように、住民自身が運営できるようにするための様々なサポートをしています。
——— 富士通のみなさんはプライベートでも何か地域活動をしていますか。
境: 私は、自分の子育てでつながった縁から、こども食堂の活動をしています。こども食堂というとこどもの貧困対策と捉えられがちですが、こどもに限らず多様な方々の居場所を作りたいと考え、友人と活動を始めました。オープンな場を設けることで、例えば社会復帰へのステップの場所や、外食するのに困難がある方が気軽に行ける場所にもなればと、月に1回食堂を開いて、もう4年ほど経ちます。今では学生ボランティアも増えて、スタッフは20人ほどになりました。
湯浅: 私はプライベートで国土交通省の離島振興のプロジェクトに参画し、離島コーディネーターを2年ほど務めました。また、徳島県小松島市のこまつしまリビングラボという地域活動に、オンラインで1年ほど参加したこともあります。離島振興のプロジェクトが縁で、仕事として北海道奥尻島のデータ利活用プロジェクトにも携わりました。
岩田: 私も大学時代からまちづくりに興味があり、社会人になってからも業務と直接は関係ないところで、地域の観光業活性化や地域の独自ビジネスを考えるワークショップなどに参加しています。
——— 地域活動に関係する仕事もしているのでしょうか。
岩田: 私の所属する未来社会&テクノロジー本部は、「あらゆる人々・組織と共に、デジタル未来社会を実現すべく、世界トップのテクノロジー開発に挑戦し、新たな『まち・暮らし』をデザインする」ことを目指し、例えば、神奈川県川崎市様とともに持続可能な未来都市を目指す取り組みを推進しています。この組織は地域活動だけでなく、街づくりの様々な領域に関心のあるメンバーが集まっています。私自身の関わるプロジェクトでもデザインの手法を取り入れていて、ユーザーとなる地域住民との接点や意見を大切にしながら、サービスの企画に取り組んでいます。
湯浅: 私も富士通Japan(FJJ)のプロジェクトを通して、地域に関わっています。自治体、病院、地域企業などを担当する部門が独立してできたFJJは、全国で地域に根ざした活動をしており、例えば自治体、大学と一緒にまちのビジョンを考える活動などをしています。私はFJJが分社する前から、もう5年ほどデザイナーとして参加しています。
境: 私は地域活動の仕事はミナヨクが初めてでした。ただ数年前から、障がいのあるお子様とそのご家族を支援するプロジェクトなど地域にも関連するプロジェクトには携わってきました。プロジェクトで関わった多くの方から「まちにもっと居場所があれば」と聞いたことが、こども食堂の活動やミナヨクプロジェクトへの参加につながっていると思います。