「私たちは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていきます。」
2021年に富士通が発表したこのパーパスでは、私たち富士通の企業活動は経済的な成功に加え、社会の幸福の増大に貢献すべきだと述べられています。
ともすれば相反する概念として語られる「ビジネス」と「社会の幸福」。しかし、富士通のソーシャルデザイン事業本部デジタルタッチポイント事業部の生川 慎二氏は10年以上前から「ビジネスと社会課題の両立」に取り組んできました。
その生川が2020年3月に立ち上げた「新型コロナウイルス感染症対策チーム」では、健康観察チャット「N-CHAT」をはじめ国や自治体に新型コロナ対策のソリューションを提案し、現場の課題解決に大きく貢献してきました。「N-CHAT」は、2020年初頭の長崎クルーズ船内クラスター対応において、状況把握の的確さと疾病災害の抱える複合的な課題への対策が評価され、2021年グッドデザイン賞を受賞しました。また、各種メディアでの露出、多数の自治体での採用など、大きな実績を残しています。
後編では、「N-CHAT」の開発・運用のスピード感はどこから生まれるのか、そしてプロジェクトにおいてデザイナーが果たした役割についてご紹介します。
- (注)本稿は前後編になります。前編はこちら >
後編のポイント
- 初動の早さと「つくれるコンサル」ならではの対応力で迅速にサービスをリリース。
- デザイナーとの連携が、プロジェクトの突破力を高めた。
- 未知のモデルを生み出すには、「デザイン思考」に基づき「実践」を重ねることが大切。