セルフレジ導入のメリット・デメリットとは?導入の注意点も知ろう

リテールDX

感染症対策やスタッフの人手不足対策の一環として、また、キャッシュレス決済の導入に伴う店舗DXの一環として、セルフレジを導入する小売店は増えています。では、実際にセルフレジを導入することでどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本記事では、セルフレジ導入におけるメリット・デメリットを中心に、セルフレジ導入時の注意点や課題解決に有効なソリューションもあわせてご紹介します。

セルフレジとは

セルフレジとは、利用客が自身で商品のバーコード読み取りや精算を行うPOSレジシステムのことです。スーパーマーケットやコンビニなど小売店のほか、飲食店やアパレルショップでも利用が始まっており、大きく分けてフルセルフレジとセミセルフレジの2つがあります。

●フルセルフレジ…商品バーコードの読み取りから精算まで、すべての作業を利用客が行うPOSレジシステム。一般的にセルフレジと言った場合、こちらのタイプを指す。

●セミセルフレジ…商品バーコードの読み取りは店舗スタッフが行い、レジに併設された支払機で利用客自身が精算を行うという仕組み。店舗スタッフが操作する「登録機」と、利用客が決済を行う「支払機」が分かれて設置されているタイプと、店舗スタッフと利用客が相対したスタイルでそれぞれの画面を操作する対面タイプがある。

フルセルフレジは商品や釣り銭の受け渡しが発生しないため、感染症対策などに役立つとされています。一方で、セミセルフレジは利用客が使い慣れないバーコード読み取りに手間取ることがなく、フルセルフレジと比べて読み取りから精算までの時間が短縮できます。

セルフレジ導入のメリット

セルフレジ導入で、どのようなメリットが考えられるでしょうか。具体的には、以下の4つが挙げられます。

レジ業務の効率化

商品バーコードの読み取りや精算を利用客自身が行うことで、回転率が上がり、レジ待ち列の混雑緩和が期待できます。特にセミセルフレジでは商品登録は手慣れた店舗スタッフが、精算は利用客自身が行うことで、よりレジ待ち時間が短縮できるでしょう。待ち時間が減ることで、顧客満足度のアップも期待できます。

人件費やヒューマンエラーの削減、人的リソースの活用

セルフレジでは、レジの一部または全部の操作を利用客が自ら行うため、有人レジと比べて人件費の削減になります。人件費が抑えられれば、経費を削減して店舗の利益をより多くできるだけでなく、プロモーションや店舗設備のメンテナンスなどに回すこともできるでしょう。

また、レジスタッフが精算を行わないことで、釣り銭の渡し間違いなどのヒューマンエラー削減が期待できます。また直接金銭を扱わないことで、レジ業務への不安や重圧が減り、レジスタッフ募集のハードルが下がるというメリットも考えられるでしょう。

さらに、レジ業務に割いていた人員を、接客業務やより高度な店舗運営の業務にシフトすれば、人的リソースの有効活用にもつながります。

キャッシュレス決済の導入によるメリットを受けられる

セルフレジの導入と同時に、QRコード決済やクレジットなどキャッシュレス決済を導入することも可能です。キャッシュレス決済を導入すれば、現金管理の煩雑さから逃れられるため、店舗スタッフの負担やコストを減らすことができます。これまで現金では1円単位の間違いが許されず確認が必要となるため、大きな負担となっていました。

しかし、キャッシュレス決済なら決済情報のやり取りがデータで完結するため、釣銭釣札金の準備や回収といった煩雑な現金管理作業が必要ありません。キャッシュレス決済には手数料が発生しますが、一般的にキャッシュレス決済で支払う手数料と比べて、店舗スタッフの人件費や釣銭釣札機の導入など、現金管理のコストの方が高い傾向にあります。そのため、キャッシュレス決済の導入はコスト削減につながるのです。

また、キャッシュレス決済の端末は設置スペースをとりません。省スペースで運用することができ、複数の端末を設置しやすいため、手軽にPOSを増設することが可能です。キャッシュレス決済の導入により、セルフレジの回転率をさらに上げやすくなるでしょう。

衛生的である

セルフレジの大きなメリットとして衛生的であるということが挙げられます。特に、フルセルフレジなら商品のバーコード読み込みから支払いまですべての作業を利用客自らが行うため、店舗スタッフと接触することがありません。そのため、衛生面で一定の効果があると考えられます。

コロナ禍の影響で増えたセルフレジは、有人レジよりも接触が少ないため、利用客の心理的な抵抗は和らいでいると言えるでしょう。また、近年では空間ディスプレイの技術も注目されています。タッチパネルでは画面を触ることで衛生面の懸念が残りましたが、空間ディスプレイの場合は液晶に触れずに操作できます。他にも、既存のタッチパネルに後付けで設置することで、画面を触らずに操作する非接触仕様に変更できるセンサーもあります。

セルフレジ導入のデメリット

メリットの多いセルフレジですが、導入にあたっては以下の3つのデメリットも考えられます。

導入コストがかかる

セルフレジ導入の際には、現在のレジシステムと入れ替えるための導入コストがかかります。導入するセルフレジの機能によって価格は異なりますが、初期導入費用だけでも1店舗あたり数百万円が必要になるケースが一般的です。また、初期導入費用だけで終わりではなく、サポート契約など月額のランニングコストもかかることを考慮しなくてはなりません。

一般的に通常レジとセルフレジは異なるPOSシステムであることが多く、既に通常レジが導入されている店舗にセルフレジを追加導入する場合や、通常レジとセルフレジを同時に入替する場合も含めて、企業独自の会員カードなど共通的な機能を通常レジとセルフレジの双方に搭載しようとすれば、双方に対して開発コストが発生することになります。
そのため、初期費用をどのくらいで回収できるか、費用対効果はどのくらいかをよく検討しましょう。

利用客に慣れてもらうための時間がかかる

セルフレジは利用客が自ら作業を行うため、慣れてもらうための時間が必要です。特に高齢者の場合、若年層と比べて慣れるまでに時間がかかるだけでなく、導入当初は有人サポートが必要になるケースも少なくありません。

また、特にフルセルフレジの場合はすべてを機械で行うことから、無機質でなんとなく苦手なイメージを抱いてしまう人もいます。このように、感染症対策などでコロナ前と比較して利用客に受け入れられている反面、まだまだ店舗スタッフが必要な場面は多く、対応する人員を完全にゼロにできるわけではありません。

万引きや精算忘れのリスクがある

利用客が自ら精算を行うことにより、万引きや意図しない支払い忘れが生じる場合もあります。特にフルセルフレジでは、スキャン漏れなど意図的かどうかに関わらず、未払いのリスクが高まりますし、セミセルフレジでは商品スキャンが終わった時点で支払いも終わったと思い込んでしまい、そのままお店を出てしまう人もいます。

そのため、有人レジのように1台につき1人というほど密に置く必要はありませんが、セルフレジが見える位置に、サポートと監視を兼務する店舗スタッフを配置しておく必要があります。


セルフレジ導入の注意点

セルフレジ導入の際には、以下の3つのポイントに注意しましょう。

店舗に合ったセルフレジタイプを選ぶ

セミセルフレジの分離タイプの場合は、「登録機」+「支払機」という組み合わせになります。そのため、登録機と支払機を設置できるスペースが必要です。また、登録機よりも支払機の台数を増やすことで、より効率的なRE基準値を達成できます。

一方、セミセルフレジでも対面タイプの場合は、カウンター上に設置でき1台のスペースで登録と支払が可能ですが、レジ効率は分離タイプと比較すると少し下がります。
さらにフルセルフレジは1台のスペースで登録と支払いが可能ですが、利用客が操作を全て実施することによってレジ効率が落ちるため、複数台の設置が必要となります。。

店舗に合った端末タイプを選ぶ

小さな店舗の場合、大型店やスーパーにあるような専用のセルフレジはスペースをとることから、設置できません。そのため、自店舗のスペースと必要な機能に合ったレジ選びが大切です。タブレット端末や、キャッシュレス専用のセルフレジならば省スペースでの設置が可能です。

また、小さな店舗でなくても、混雑する夕方の時間帯などにレジ待ちの行列をなるべく減らしたいというニーズはあります。その際、臨時にタブレットなどで店舗スタッフが前捌き方式で商品登録を実施するなどの運用も考えられます。セルフレジを実際に設置する際には、利用客の動線と店内のレイアウトをよく考えて設置する必要があります。

急かされていると感じる人も

セルフレジは自分のペースで支払いができる反面、急かされていると感じる人もいます。昨今では、「時間がかかっても良いから落ち着いてゆっくり会計したい」という利用客のニーズに応えて、あえてゆっくり支払い専用のスローレジを設置する店舗もあります。セルフレジ導入の際は、利用客の年齢層や購入点数、レジの待ち時間等を考慮し、有人レジとの兼ね合いや台数をよく見極めましょう。


TeamStore/DXなら、セルフレジ導入の課題を解決可能

メリットの多いセルフレジですが、導入にはデメリットや注意点もあります。しかし、マルチプラットフォーム対応POSシステム「TeamStore/DX」ならこれらの課題を解決できます。

まず、TeamStore/DXは機種に縛られず、スマホやタブレット、ほとんどの既存POS端末でも動かすことができるため、設置スペースや端末のメーカー/機種を選びません。また、スーパーなどで使う大型のレーンタイプからセルフPOSタイプ、スマホやタブレットで使えるモバイルタイプまで選べるため、タイプによっては設置スペースが少なくて済みます。また、同一店舗に異なるタイプのPOSを導入する場合でも、同じアプリで動作するため、開発・導入コストを安く抑えることが可能です。直感的でわかりやすい操作を実現しており、有人サポートの負担を軽減するとともに、レジ回転率も上げることができます。

さらに、万引き防止のAIカメラ機能をオプション導入できるため、店舗スタッフが利用客に目を光らせて注意喚起として声かけする負担を軽減することができます。セルフレジ導入のメリットは気になるけれど、課題に懸念点がある場合は、ぜひTeamStore/DXの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

セルフレジ導入で生産性向上や感染症対策に対応しよう

セルフレジは、生産性向上や感染症対策の面からも導入台数が増加しています。他にも店舗側はレジ業務の負担軽減、ヒューマンエラーの防止などさまざまなメリットを受けられるでしょう。導入コストや万引きなどの課題もありますが、TeamStore/DXならこれらの課題を一挙に解決できます。セルフレジの導入をお考えなら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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