BtoB-ECとは?企業向けと消費者向けの違いやメリット、課題

リテールDX

インターネットの発達とともに、インターネット上で商品やサービスを購入できるECサイトが発展してきました。その中でも、企業間の取引を行うECの手法としてBtoB-ECが注目されています。BtoB-ECとはどのような取引のことなのか、企業向けと消費者向けの取引の違いやメリット・デメリットも合わせてご紹介します。

BtoB-ECとは

BtoBとは、企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデルのことを指します。また、ECとは「Electronic Commerce(エレクトリック・コマース、電子商取引)」のことです。つまり、合わせると「企業が企業に向けて、電子商取引を用いて商品やサービスを販売すること」を指します。

従来、企業間での電子データによる受注業務には「EDI(電子的データ交換)」が使われてきました。しかし、EDIは取引先ごとに専用の端末が必要になるケースが多く、また、固定電話回線を使ったEDI方式(レガシーEDI)を使っている場合は2024年1月のISDN回線サービス終了とともに従来通り使えなくなるなどの問題があります。

そこで、EDIをリニューアルしたり、専用端末を用意したりする代わりに、BtoB用のECサイトを用意し、そこで電子商取引を行おうとする企業が増えています。BtoB-ECサイトには「クローズドBtoB型」と「スモールBtoB型」の2つがあり、それぞれ以下のように異なります。

クローズドBtoB型…既存の取引先とだけ利用できる、非公開のECサイト
スモールBtoB型…一般的なECサイトと同様、誰でもアクセスできる公開ECサイト

クローズドBtoB型は、主に受注業務の負荷軽減に目的を限って作られることが多いです。新規顧客の獲得よりも、既存顧客とのやりとりが活発なため、受注業務に割くリソースやコストを軽減したい、という場合に向いています。クローズドBtoB型のECサイトは、Web上で検索しても表示されない、URLを知っている人にしかアクセスできないなどの工夫がなされています。

一方、スモールBtoB型は、一般的な消費者向けECサイトと同じように、インターネット上で公開することを前提としたECサイトです。既存顧客とのやりとりに限定せず、インターネット上に広く公開して受注することで、受注の取りこぼしを防いだり、新規顧客を開拓したりして売り上げアップを狙う場合に向いています。

BtoB-ECの市場規模

BtoB-ECの市場は成長途中にあると考えられています。経済産業省の発表によれば、広義のBtoB-EC市場規模は2021年時点で372.7兆円、ECの普及率を示す「EC化率」は35.6%とされています。前年比で市場規模は11.3%増、EC化率は2.1%増といずれも増加傾向にあることからも、市場が成長途中にあることがわかります。

参照:「経済産業省 「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」 

ただし、この「EC化率」は「ECサイト化」だけでなく、「EDI化」も含まれていることに注意が必要です。そのため、消費者向け(BtoC)のECと比べるとEC化率が非常に高く出てしまう傾向にあります。EDIは1970年代から存在する電子データのやりとりの手法であり、前述のようにEDIからECサイトへ移行する企業もあることに注意が必要です。

BtoB-ECとBtoC-ECの違い

BtoB-ECとBtoC-ECの違いは、取引先の違いです。BtoBは企業間で取引が行われますが、BtoCは企業と消費者の間で取引が行われます。つまり、BtoBはメーカーと卸問屋、卸問屋と小売店などの間で行われる取引のことで、BtoCは消費者が企業から商品やサービスを購入する取引のことを指します。

BtoB-ECとBtoC-ECでは、機能面で以下のような違いがあります。

●掛率管理
BtoBでは取引先ごとに商談を行い、販売する商品やサービスの価格を設定します。取引量などさまざまな取引条件の違いにより、同じ商品やサービスでも取引先ごとに異なる価格で販売するため、販売価格を区別できるシステムが必要です。このため、BtoC-ECサイトでは一般的に「一物一価」となっていますが、BtoB-ECサイトでは「一物多価」のシステムが採用されます。

●決済管理
BtoC-ECサイトではクレジットカードやコンビニ払い、代金引換などの決済方法があります。しかし、BtoB-ECサイトではそれらの方法に加え、掛け売りや銀行振込などの決済方法も採用されています。ただし、掛け売りなど信用が必要な取引手法の場合、取引量の違いや与信状況などで利用できる取引先を区別する必要があります。

●販路管理
BtoC-ECサイトでは、掲載している商品をアクセスしたすべてのユーザーが閲覧・購入可能な状態になっています。しかし、BtoB-ECサイトの場合、特定の取引先のために生産する商品や、大口の取引先にのみ販売している商品、取り扱いに免許が必要な商品など、さまざまな理由で特定の取引先にしか表示したくない商品があります。

他にも、見積書の作成や発注の承認機能なども必要です。つまり、一般的なBtoC-ECサイトの仕組みでは、BtoB-ECサイトに必要な機能に対応しきれません。そのため、BtoB-ECサイトの構築には、専用のパッケージなどを利用する必要があります。

BtoB-ECのメリット

BtoB-ECのメリットとして、以下の4つが挙げられます。

業務効率化

BtoB-ECの導入で、業務負荷を軽減することができます。電話やFAXなどを使って手作業で受注業務を行う場合、在庫の問い合わせや納期の回答、受注した商品や数量の手入力、発注書の処理や保管、請求業務など多数の工程が生じます。工程が増えれば、その分ヒューマンエラーも生じやすくなります。

ECサイトを利用することで、これらの業務工程を省くことができるようになります。また、ECサイトに仕様などをしっかり載せておくことで、問い合わせの件数を削減する効果も期待できるでしょう。

オウンドメディアとしての活用

スモールBtoB型の場合、ECサイト内にオウンドメディアを配置することで、集客に利用できます。オウンドメディアとは主にブログやウェブマガジンのことを指しますが、いずれもSEO対策などを行い入念なコンテンツ作成を行うことで、検索からの流入を見込めます。Webマーケティングの一環としても活用できるでしょう。

コストの削減

FAXや電話での受注には印刷コストなどのペーパーコストがかかりますが、BtoB-ECサイトを利用することでペーパーコストを削減できます。他にも、既存システムを維持するための人件費を削減したり、スモールBtoB型では営業コストを削減したりすることも可能です。

新規顧客獲得による売上アップ

業務効率化やヒューマンエラー防止により、コア業務に割けるリソースが増えるでしょう。また、非対面取引により、場所や時間にとらわれない取引が可能になります。コア業務に割けるリソースが増えたり、取引のチャンス自体が増えたりすれば、新規顧客の獲得による受注件数の増加や売り上げアップにつなげることができます。

BtoB-ECのデメリット、課題

一方で、BtoB-ECのデメリットや課題には以下の3つが考えられます。

導入コストがかかる

BtoB-ECサイトを構築する、あるいはそのためのパッケージを導入するためのコストはどうしても発生します。ECシステムの構築には、初期費用として下限は数万円から、内容によっては数億円かかるケースもあります。また、ECシステムを導入するにあたっては、社内全体でこれまでの業務フローを見直し、新しいシステムに慣れていく必要があります。関係部署での調整も合わせて、導入コストの一部と考えておいた方が良いでしょう。

基幹システムとの連携に手間やコストが発生

BtoB-ECサイトは独立して存在するわけではなく、基幹システムと連携して運用する必要があります。このとき、在庫管理や取引先管理など、どちらのシステムにも搭載されている機能をどちらに持たせるか、データの連携をどのように行うか、などを細かく決めておかなくてはなりません。場合によっては、システム改修にコストが発生する可能性もあります。

自社業務が標準パッケージに合わないケースがある

企業間取引には独自の業務フローや商慣習が存在していることも多く、BtoB-ECサイト構築の標準パッケージに合わないケースも考えられます。その際、業務フローを大幅に見直すことはもちろん、既存顧客へのフォローアップが必要となります。また、業務フローによってはECサイト構築に時間がかかる場合も考えられます。

SNAPECなら、自社業務に合わせたBtoB-ECサイトの構築が可能

SNAPECはビジネス規模に応じて2つのケースに対応することが可能となっています。ひとつは「既存業務に沿ってリニューアルしたい」というケース、もう一つは「新規に立ち上げたい」というケース。例えば既存の業務フローや基幹システムとの連携が心配な場合は、リニューアルタイプを選んで設計することができます。

BtoB-ECサイトで、業務効率化し受注件数をアップしよう

BtoB-ECの市場はまだまだ成長途中にあり、EDIを使った取引からBtoB-ECサイトの構築へ転換する企業も増えています。BtoB-ECサイトを導入することで、業務効率化やコストの削減、オウンドメディアとしての活用や新規顧客獲得など、さまざまなメリットが考えられます。

しかし、一般的なBtoC-ECサイトのパッケージでは、BtoB ECサイトに必要な機能に対応できていません。また、基幹システムとの連携に手間やコストが発生する可能性もあります。SNAPECなら、BtoB-ECサイトに必要な機能に対応した上で、基幹システムとの連携に対応できるパッケージも用意しています。BtoB-ECサイトの導入をお考えなら、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

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