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八木橋ゼミナール 第6回 「自治体のコンビニ交付サービス」

今回のテーマは「コンビニ交付」です。
「コンビニ交付」とは、マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)を利用して、市区町村が発行する証明書(注1)が、全国のコンビニエンスストア等のキオスク端末(マルチコピー機)から取得できるサービスです。

(注1) 住民票の写し(以下、住民票)、印鑑登録証明書(以下、印鑑証明)、税関係証明書、戸籍証明書等

2017年1月、マイナンバーカードの交付の開始と同時に、カードのICチップに標準搭載された公的個人認証サービス(JPKI)の利用者証明用電子証明書を使って、コンビニ交付ができる機能が追加され、マイナンバーカードが利用できるようになりました。
「マイナンバーカードの利活用」のなかでは、この「コンビニ交付」は、最も「わかりやすい」サービスではないでしょうか。
以下、このサービスの提供の経緯と技術、そして“これから”について紹介していきましょう。

2017年4月24日掲載

コンビニ交付サービスの概要

コンビニ交付は、2010年2月、住民基本台帳カード(以下、住基カード)を利用して、3市区(千葉県市川市(注2)ほか)の住民票と印鑑証明の交付サービスが、限定した店舗(セブンイレブン7店舗)で開始されました。基本の仕組みは、現在も同じです。

(注2) 市川市様 「新時代の行政サービス「コンビニ交付」を開始」

このサービスは、市区町村ごとに、対応の差異があります。
2017年4月時点で、全国402市区町村が「住民票・印鑑証明」の対応をしています(注3)

(注3) 地方公共団体情報システム機構(以下、J-LIS)運営サイト 「コンビニ交付 利用できる市区町村」Open a new window

市区町村によりますが、マイナンバーカードさえあれば、特段の申請手続き無く、利用できる場合もあります。
お住まいの市区町村がどのように対応しているか、ご確認ください。

なお、発行できるコンビニエンスストア等の店舗は、2016年9月時点で、全国で約5万店舗になっています。
主な店舗としては、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、サークルKサンクス、セイコーマート、ミニストップ等(注4)です。

(注4) 1000店舗数超の店舗数順 詳細はJ-LIS運営サイト 「コンビニ交付 利用できる店舗情報」Open a new window

マイナンバーカード利用に至るまで

コンビニ交付に先立つ、「証明書自動交付機」(以下、自動交付機)について解説しておきましょう。

[自動交付機の導入]

1991年から、市区町村で自動交付機の設置が始まります(千葉県船橋市と大阪府羽曳野市が最初です)。
各市区町村で、独自デザインの磁気カードを発行し、証明書の交付サービスを行ってきました。
当初の自動交付機への要求仕様は厳しく、改竄防止の専用紙、契印やステープラ、内蔵カメラなど、重装備が必要でしたが、順次、規制が緩和され、駅前などへの設置もできるようになりました。
富士通はこの自動交付機を提供してきました。標準のマルチ型と安価なコンパクト型があります(注5)

(注5) 羽村市様 「「コンパクト型証明書自動交付機」を導入し住民サービス向上とコスト削減を両立」

[ICカードへの対応]

2001年から2002年にかけ、ICカードの実証事業(ニューメディア開発協会「ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業」、地方自治情報センタ「ICカード標準システム実証実験事業」等)に参画し、ICカード対応の準備を行います。

(注6) 雑誌FUJITSU 2001-11月号特集「電子行政の早期実現に向けて」Open a new window目次
論文「IT装備都市におけるICカードの活用Open a new window」(222KB)

なお、富士通で採択された事業の一つが「多摩地域6市ICカード実証実験コンソーシアム」で、上記の羽村市も参加市でした。

[住基カード対応]

2003年から、住基カードが発行され、窓口で独自利用アプリを登録(書込み)し(注7)、自動交付機も対応します。

(注7) 第3回ゼミ 「マイナンバーカードによる自治体のサービス拡大」

2003年の発行開始から、住基カードを印鑑登録証として、従来のプラスチックカードからの無料切替を進めたのが宮崎市です。
住基カード「発行枚数日本一」をずっと続けていました。当初、住基カードでは外国籍住民は対象外(2013年住基法改正適用日より対象)なので、「市民カード」として独自ICカードの発行もしました。自動交付機の導入も進め、9台を設置します。

そして、住基カードの有効期限10年を前に、新たな番号カードへの切替を図りますが、2012年国会で廃案に(翌年成立)。
自動交付機の更新時期の到来、マイナンバーカードへの対応等もあり、カードの利用拡大のシナリオを「コンビニ交付」に切替え、2013年から運用を始めます。庁舎内の自動交付機も、キオスク端末(マルチコピー機)に置換えました。
コンビニ交付を始めた時すでに、住基カードの有効枚数が人口(約40万人)の半数を超えていましたから、「平成26年4月以降、コンビニ交付の年間交付通数が最も多い市区町村」となっています(注8)

なお、宮崎市は、住基カード廃止前の2015年10月に条例を改正し、印鑑登録証は「印鑑登録番号証書」に替わりました(注9)

(注8) 総務省 ワンストップ・カードプロジェクトのアクションプログラム 「3. コンビニ交付サービスの推進」Open a new window(331KB)
最終段落「コンビニ交付サービス導入後の利用率の向上に向けて」参照

(注9) 宮崎市HP 「平成27年10月5日から印鑑登録の仕組みが変わります」Open a new window

方式・技術の特徴について

以上のような経緯を受け、コンビニ交付のサービスでは、さまざまな改善が行われています。
キオスク端末(マルチコピー機)の操作は「無人」ですが、設置は店舗内なので、機械や金銭の運用に対応できます。
証明書の規格は見直され、暗号化技術を取り込むことで、普通紙での対応になりました。
マイナンバーカードの対応で電子証明書の利用が追加され、その場合には窓口での事前手続(書込み)も不要になります(注10)

(注10) 第4回ゼミ 「マイナンバー・公的個人認証サービス」

コンビニ交付での特徴的な技術を紹介しておきます。

1) [画像データ]
自治体ごとに異なる文字の「字体」を保証するため、画像データ(PDF形式)で送信・印刷をしています。
文字コードでは、各機器の文字デザインの差(ベンダ、OS、レベル等による差)で、印刷時に「違う字」になり得ます(注11)
このため、各自治体から、画像の形式にして送信することにより、この問題が生じないようにしています。

(注11) 「文字」の字形の問題は課題です。最近の整理では、戸籍のマイナンバー制度導入等の研究会の資料を参照下さい。
法務省 「戸籍制度に関する研究会」第16回(2016年6月14日)Open a new window
補足資料 「戸籍に記録する文字に係る制度上の課題について」Open a new window(494KB)

2) [改竄防止]
画像データは普通紙に印刷、裏面に証明書を暗号化した画像を印刷し、改竄防止を図っています。
特殊技術「画像の暗号化」を採用し、スクランブルした原画像を復号して確認ができる仕組みを提供しています。

(注12) (株)PFU 技術情報誌「PFU TECHNICAL REVIEW」2009年11月号(通巻38号)Open a new window
論文 「暗号化ソフトウェア「DocEncrypt」」 「5.1総務省住民票コンビニ発行システムでの導入事例」Open a new window(766KB)

3) [専用ネットワーク]
地方公共団体側はLG-WAN経由、コンビニエンスストア等はVPN(専用回線)接続でセキュアな接続をしています。 双方のネットワークを繋ぐのは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運用する「証明書交付センタ」です。 このセンタは、コンビニエンスストア等からの依頼を、住所地市区町村に振り分け、市区町村から受信した画像の暗号化もします。

4) [各団体の証明発行サーバ]
コンビニ交付に対応する各市区町村の「証明発行サーバ」は、設置方式を選ぶことができます。

  • 各市区町村が個別に設置(従来からの形態)
  • 証明発行サーバの共同設置(あるいは業務のシステムを含めた共同設置)
  • LGWAN-ASPの形態で提供される「クラウドサービス」の利用(注13)

(注13) 富士通 コンビニ交付対応ソリューション 「コンビニ交付クラウドサービス」

5) [戸籍証明書]
2012年1月から、住民票のある市区町村の戸籍証明書がコンビニ交付でとれるようになりました。
戸籍には法定の番号はありませんが、戸籍の単位で、住民基本台帳法で規定する戸籍附票が編成されています。
住所人(本籍地も住民票も同じ市区町村)の場合、この戸籍附票と住民票との紐付けが出来ていることが多く、その場合は効率的に準備ができます。

(注14) 福岡市様 「政令指定都市初「コンビニ交付」システムの導入で、窓口の混雑緩和の取り組みを強化」

6) [住所地以外の戸籍証明書]
2016年5月から、住所と本籍の市区町村が異なる方も、本籍地の市区町村が対応している場合には、マイナンバーカードの電子証明書を利用して本籍地の戸籍証明書がコンビニ交付でとれるようになりました。
本人の利用登録時に、証明書交付センタで、申請者と本籍地の市区町村との「紐付け」を行います。
本籍地の市区町村で、送付されてきた申請者の電子証明書と該当の戸籍の「紐付け」を行います。
これ以降、交付要求は本籍地の市区町村の証明発行サーバに送られ、自動交付ができるようになります。

(注15) 福岡市HP(2016年11月) 「福岡市以外に住民登録がある方のコンビニ交付の戸籍証明について」Open a new window

拡張とこれから「アクションプログラム」

総務省は、2016年9月、都道府県に「マイナンバーカードを活用した住民サービスの向上と地域活性化の検討について」を発信し、市区町村に向けて、「コンビニ交付導入の検討をお願いします!」と依頼しました。

(注16) 総務省 マイナンバーカードを活用した住民サービスの向上と地域活性化の検討について(各都道府県向け通知)Open a new window(138KB)
【別紙1】 コンビニ交付導入の検討をお願いします!Open a new window(188KB)

さらに、2016年9月、「全国の市区町村に参加を促す」ための推進方策等について、「ワンストップ・カードプロジェクト」を立ち上げ、2016年12月、「アクションプログラム」を取りまとめました。そこで「コンビニ交付サービスの推進」を宣言しています。

(注17) 総務省 ワンストップ・カードプロジェクトのアクションプログラム(概要)Open a new window(1.68MB)
ワンストップ・カードプロジェクトのアクションプログラム(本体) 「3. コンビニ交付サービスの推進」Open a new window(331KB)

ここで示された「最終的には全市町村がコンビニ交付に参加」の目標に向けて、以下の方策が示されています。

  1. 費用負担の緩和(イニシャルコスト削減): 「廉価版クラウド」の導入
  2. 費用負担の緩和(ランニングコストの削減): J-LIS運営負担金の削減、コンビニ事業者へ支払う手数料の引下
  3. 国民の利便性向上: 庁舎、郵便局へのキオスク端末の設置の促進
  4. 国民の利便性向上: 交付可能証明書類の統一(戸籍証明書の導入の促進)
  5. 地方財政措置の拡充: 2017年度から2019年度までの3年間を集中取組期間として設定、特別交付税措置の拡充

市区町村の対応

こうした動きと併せ、J-LISからの公的個人認証サービス(JPKI)のサービス拡張もあり、様々な対応が進んでいます。
以下に「キオスク端末(マルチコピー機)の庁内設置」と「窓口端末でのJPKI検証」の2点の動きを紹介します。

1) 市区町村の窓口に、コンビニエンスストア等と同等のキオスク端末(マルチコピー機)を設置する。

総務省の言う「庁舎へのキオスク端末の設置」です。
さきに設置されている各市区町村での「自動交付機」の機器の更新タイミングに併せ、入替、設置が進んでいます。
市役所に設置するときの運営の形態で、以下の2パターンがあります。

  • 市の庁舎内にコンビニ事業者のキオスク端末(マルチコピー機)を設置する(機械はコンビニ事業者が管理します)

(注18) 福岡市東区 広報ひがし(2014年7月) 「区役所1階にコンビニ交付対応マルチコピー機を設置」Open a new window(382KB)

  • 市が「コンビニ事業者等」になる(市が機器を設置、運用等を行う、従来の自動交付機と似た運用方法です)

(注19) 船橋市HP(2016年12月) 「証明書交付キオスク端末を設置」Open a new window なお、「自動交付機」は撤去に(2017年4月)

2) 市区町村窓口で、コンビニエンスストア等の公的個人認証サービスと同等の、本人認証を行う端末システムの設置

コンビニ交付では、公的個人認証サービス(JPKI)の電子証明書の有効性の検証を行っています。
この電子証明書の有効性の検証の機能について、コンビニ交付での市区町村から証明書交付センタへのLGWANのルートを利用し、証明書交付センタの有効性の検証の結果を返す機能を、J-LISが「地方認証プラットフォーム」として整備する想定とされています。
市区町村の「窓口交付サービス」に利用するため、マイナンバーカードの本人認証を行う際に、窓口に設置した利用者操作用端末で利用ができるようにする機能が提供されます。

(注20) 総務省 公的個人認証サービス等ICT利活用WG(第5回)Open a new window (2016年11月9日)
資料 「地域における公的個人認証サービス利活用の実現に向けた実証」Open a new window(1MB)
p6-7「3.市区町村の窓口での各種証明書交付に係る検証」参照

現状、マイナンバーカードの電子証明書の署名検証には、一般的には、以下の2つのルートがあります。

  • 既存の電子申請等、JPKIの電子署名の検証を行う実績のあるルート(電子申請はインターネット経由LGWAN接続です)
  • マイナンバーカードから新たに追加になった、民間事業者での検証サービス(インターネット経由の民間サービス利用です)

これに加え、3つ目に、「LGWAN内での署名検証」のサービスが利用できることになります。

これから

総務省の「コンビニ交付導入の検討をお願いします!」の資料で、「情報連携が進めば、紙の証明書を取得する機会が減るのでは?」の問いに、「印鑑登録証明書のように、民間での取引等の場面で必要とされる書類もあり、住民の利便性の向上が期待できます。」と補足説明がされています。(前出、注16【別紙1】を参照ください)

確かに、マイナンバー制度の進展では、行政機関等の情報連携は添付書類の省略が進んでいきますが、民間利用については、「利活用の拡大、所要の措置」とされており、官-民での「情報連携」や「添付書類の省略」はまだ将来課題です。
そこで、政府の「官民データ活用基本法を踏まえた対応<行政手続・民間取引IT化関係>」では、「民間取引オンライン化促進」が示され、「対面・書面原則からの脱却」に向けた見直しを推進すると言っています。

(注21) 第5回ゼミ 「マイナポータルの動向と活用」最終段落「行政手続のIT化」参照

大手のインフラサービス等の民間企業とは、「官民連携」で「ワンストップサービス」など、ペーパーレスに進んでいくことでしょう。
一方で、不動産の関係など、多くの民間関係では、「紙」の証明書類を無くすには、まだまだ難しそうです。

ということで、コンビニ交付サービスの出番は、まだまだ続くようです。
大きな動向も併せて、継続して注視していきましょう。

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