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八木橋ゼミナール 第22回「スマート公共サービス」

今回は、スマート公共サービス。前回の「スマート自治体」に続いて、「スマート」を冠した公共サービスの動向について解説します。

2019年12月24日掲載

スマート公共サービス

「スマート公共サービス」は、「成長戦略の方向性」「Society5.0の実現」の中で登場しました。
ゼミナール第17回「新たなIT政策」 参照)

政府の成長戦略2019で、「Socety5.0 スマート公共サービス」がかかげられています。
全体の概要は、政府の「成長戦略ポータルサイト」の「Socety5.0 スマート公共サービス」(注1)のところで、分かり易く説明されています。

  • 行政手続の電子化にとどまらず、多種多様なデータの連携やオープンAPIにより、自由にデータ流通が可能な基盤を構築し、行政手続の自動化や行政活動そのものをデジタル化し、サービスの質の向上と効率化を図る
  • 煩わしいプロセスそのものを不要とし、新たな質の高いサービスを生み出す デジタルトランスフォーメーション を官民が連携して実現する
  • スマートな公共サービスの実現に向け、行政サービスの再設計やAI・RPAやパブリッククラウドの活用、政府のデジタルインフラ整備・運用の一元化等に取り組む

具体的な内容については、成長戦略2019の「成長戦略フォローアップ」(注2)の「第2章Socety5.0」、第5項「スマート公共サービス」に示されています。
「新たに講ずべき具体的施策」とされている項目が、大きく3つに整理されます。

  1. 個人・法人関係手続の自動化・ワンストップ化
    • 個人による手続(子育て、引越し、死亡・相続、介護、自動車)
    • 法人向けワンストップサービス(法人設立・登記変更手続等、社会保険・税手続)
    • 税・社会保険手続の電子化・自動化
  2. 世界で一番企業が活動しやすい国の実現
    • 法人設立手続きのオンライン・ワンストップ化、税・社会保険手続の電子化・自動化(再掲)
    • 裁判手続等のIT化、貿易手続・港湾物流手続の改善、不動産関連情報・サービスのデジタル化 等
  3. 公共サービスに関連する大きな施策
    • 政府横断的な情報システム関係予算の一元的なプロジェクト管理
    • マイナンバーカードの普及、利活用の推進
    • 国・地方の行政機関のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進(注3)

(注1)成長戦略ポータルサイト スマート公共サービスOpen a new window 「スマート公共サービス・概要、事業環境改善・概要」

(注2)「成長戦略実行計画」、「成長戦略フォローアップ」Open a new window  日本経済再生本部 未来投資会議(第29回)Open a new window(2019年6月21日)

(注3)この「地方の行政機関のDXの推進」施策のなかに、自治体システムの標準化(ゼミナール第21回「スマート自治体」 参照)や「自治体ピッチ」(※)などが明記されています。
※「自治体ピッチ」 の解説は総務大臣メール(第5回)「内閣官房IT室の取組をご紹介」 (9)自治体ピッチ~Pitch to Local Governments~Open a new window(2019年9月6日)
富士通も「開発者」として参加しています。
第1回(9月3日)「会議録作成支援ソリューション」、第3回(10月24日)「PHR情報を安全に蓄積・活用できる健康医療情報管理基盤HPP」 を提案しています。

個人による手続の自動化~子育てワンストップサービス

個人による手続(子育て、引越し、死亡・相続、介護、自動車)を見ていきましょう。

その1、子育てワンストップサービス

「予防接種や児童手当、保険、家事サービスなどの妊娠から就学前までの官民の様々なサービスが最適なタイミングで案内され、ボタン1つで申請できるサービスの実現」 とされています。
多種多様な、「民間サービス・自治体システム・マイナポータルなどの連携のアーキテクチャーの設計、個別行政手続の見直しを行い、サービスを提供していく」 ものです。
すでに、マイナポータルの稼働した2017年から、サービス検索や、児童手当の認定請求などの電子申請ができるように開始、順次、手続が拡張されています。
マイナポータル「ぴったりサービス」Open a new window(注4)

(注4)内閣官房 日本経済再生総合事務局 説明資料「子育てノンストップについて」 未来投資会議産官協議会「スマート公共サービス」会合(第3回)資料1Open a new window(2019年4月11日)

ワンストップの実現には、いろいろな課題があります。
その一つ、「法人」が関係するものを紹介しましょう。

保育施設等の入所申請で、改善対象にあげられているのが、市区町村へ提出する「就労証明書」です。
「市区町村指定の保育園入所希望申請書について、「紙」+「押印」の雇用証明を企業が手書き発行しているが、自治体毎に申請書式が異なるうえ、一時期に申請が集中、かつ全員分を毎年作成するため、企業にとって重い事務負担となっている。・・雇用証明を電子化登録する仕組みを検討すべき。」(注5)

「就労証明書」提出の電子化が進められています。

  1. (1)マイナポータル(ぴったりサービス)に 「就労証明書作成コーナー」を開設(2018年10月から)
    できるのは、証明書の「様式かんたん入手」、証明書をWeb入力で「らくらく作成」、マイナポータルで市区町村に「すすっと電子申請」(企業からの社印を押した「紙」の証明書の写真をアップロードし添付)
  2. (2)就労証明書の様式取得のAPI仕様の提供で、ソフト開発が可能に(2018年9月から)(注6)
  3. (3)就労証明書の電子ファイルをCSVダウンロード可で、複数人入力の容易化(2019年8月から)
  4. (4)市区町村の就労証明書の様式の標準化は、「成長戦略フォローアップ(DXの推進)」の課題(注7)
    「大都市圏向けの新たな標準的様式」を作成、2020年4月入所分から活用(注8)

まだ実現していないのは、「就労証明書」の電子化です。
マイナンバーカード・公的個人認証の関連で、実証事業が行われました。(注9)
代表者印の押印に代え、電子署名(マイナンバーカード)と、会社の代表者が作成した「電子委任状」をセットで用い、就労証明を作成する担当者の権限を証明、提出された団体は安心して受け取れるというものです。
この「電子委任状」に係る制度整備がされ、仕組みを担保する認定制度が法制化されました。(注10)
「電子委任状の普及の促進に関する法律」(電子委任状法)」(平成29年法律第64号)が2017年6月に公布、2018年1月に施行されました。
「契約申込等の手続や行政機関への申請等の手続は、企業や行政機関で電子化が進められています。これらの電子的な手続で、法人の使用人等が手続の権限を代表者から委任されていることを証明し、その社員等が手続を行えることは、「デジタルファースト」の実現に資するものです。」(注11)
この「電子委任状取扱業務の認定」は既に4社あります。(2019年12月時点)(注12)

(注5)日本経済団体連合会 「マイナンバーを社会基盤とするデジタル社会の推進に向けた提言~データ利活用政策の最大限の展開を~」Open a new window(2015年11月17日)
※ここでいう、企業が発行する「雇用証明」は、自治体が求める「就労証明」と同じものです。

(注6)内閣府「マイナンバーHP」 ソフトウェア開発業者の方へ(マイナポータルAPI提供)Open a new window
就労証明書様式取得の仕様書に続き、申請API、自己情報取得APIなど、順次追加されています。

(注7)「就労証明書については、競争率の高い大都市向けの様式の導入等により、普及目標7割を目指して標準様式の普及率を拡大するとともに、デジタルでの手続の完結を目指す」「成長戦略フォローアップ」(2019年6月21日)p34Open a new windowより

(注8)内閣府「就労証明書の標準的様式に関する取組~大都市圏向けの新たな標準的様式の作成について~」 規制改革推進会議 第11回行政手続部会Open a new window資料1-3(1)「就労証明書の標準様式に関する取組」その1(2019年3月5日)

(注9)「平成27年度実証事業概要~『電子私書箱』を活用したワンストップサービスについて~」 個人番号カード・公的個人認証サービス等の利活用推進の在り方に関する懇談会 属性認証検討SWG(第5回)Open a new window(2016年4月15日)

(注10)総務省「官民データ活用推進基本法を踏まえた対応<電子委任状に係る取組>」 IT戦略本部 データ活用基盤・課題解決分科会 第3回規制制度改革WG【資料1-4】Open a new window(2017年1月26日)

(注11)総務省HP 電子委任状の普及の促進に関する法律(電子委任状法)Open a new window

(注12)総務省HP 電子委任状取扱業務の認定についてOpen a new window

個人による手続の自動化~引越しワンストップサービス

その2、引越しワンストップサービス

「引越しポータルサイトからの手続申請のサービスを開始、うち、自治体の手続についてはマイナポータルを経由することで接続を円滑化、自治体や民間企業での導入や民間手続の拡大を図る」 ものです。
実現に向けた方策のとりまとめが行われ、民間事業者が提供する「引っ越しポータルサイト」が多種多様なサービスの情報を提供、自治体や民間の手続を一括で行えるようなサービス窓口となるような実現方策が示されました。(注13)
この「引越しワンストップサービス」については、過去にも実証事業(たとえば、平成20年度「総務省地域情報プラットフォーム推進事業(引越ワンストップサービス分野)」等)が実施されてきました。
自治体関係手続については、郵送や電子申請での転出届による転入市区町村への「ワンストップ」(住基カードで制度化された付記転入、現在は、マイナンバーカードを利用した特例転入)が実現、住基ネットとマイナンバー制度の情報連携で、行政機関間の情報連携は実現しています。
引越しポータル事業者(6社)、電気・ガス・水道事業者等を含めた実証実験が始まりました。(注14)
この「引越しポータルサイト」が、多様な官民のサービスを一括して申請、その一部に、マイナポータルを経由して自治体関係手続が連携するという仕組みです。
行政関係で残されている分野は、自動車関連の手続(例えば車検証の住所変更等)が複数の機関にまたがり(軽自動車の場合は市区町村も関係します)、後述する「自動車ワンストップ」の対象となっています。

(注13)内閣官房「引越しワンストップサービス実現に向けた方策のとりまとめ」 第83回各府省CIO連絡会議Open a new window(2019年4月18日)

(注14)内閣官房IT戦略室 引越しワンストップサービスHP 「実証実験(民間の手続に係る検証)を開始しました」Open a new window(2019年12月2日)

個人による手続の自動化~死亡・相続ワンストップサービス

その3、死亡・相続ワンストップサービス

これからの高齢化・多死社会に向け、サービスデザイン思考で検討され、「方策の概要2018」がとりまとめられました。(注15)
「行政手続の見直しで遺族が行う手続を削減、生前の情報をデジタル化、生前情報の電子的な継承の仕組みにより負担を軽減、また、自治体が死亡・相続手続の総合窓口を運営できるように支援、サービスを開始」 とされています。
この「総合窓口」では、「おくやみコーナー」(例えば別府市の事例)(注16)があげられています。
もっと重たい課題に、「自治体が遺族の連絡先がわからない」、独居高齢住民の「生前の情報」の把握もあります。(注17)
さらに、「生前の情報を、遺族に電子的に継承する仕組み」、「信頼できる第三者による相続人であることを電子的に認証する仕組み」などについては、デジタル化の進展する社会で、ネット証券やデジタル遺品など、社会的な環境の整備が必要です。
ロードマップでは、「2025年度までに仕組みを構築」という中期の計画となっています。

(注15)内閣官房「死亡・相続ワンストップサービス実現に向けた方策のとりまとめ2018」 第83回各府省CIO連絡会議Open a new window(2019年4月18日)

(注16)「おくやみコーナーの評価」総務省平成28年度業務改革モデルプロジェクト「別府市報告書(本体)」Open a new windowp18-20(2017年2月28日)

(注17)「一人暮らしで身寄りがなく生活にゆとりのない高齢市民を対象に」「横須賀市エンディングプラン・サポート事業」総務省 地域の元気創造プラットフォーム公式サイトHPOpen a new window(更新日2017年3月27日)

個人による手続の自動化~介護ワンストップサービス

その4、介護ワンストップサービス

「要介護者本人や代理人による申請負担軽減を図るサービスを開始。自治体の電子申請など、自治体や事業者等の負担が軽減される取組を順次実施。」(注18)
マイナポータルのサービス検索やオンライン申請で、子育てに次いで、介護関連の手続きが順次開始されています(注19)
ここで、実務上の難しいところは、要介護者本人の申請はともかく、代理人による申請が現実的なところ。
法定代理人や任意代理人の代理権の確認など、容易で確実な運用ができる仕組みが必要です。
これに加え、介護の現場では、介護保険施設、地域包括支援センター、介護サービス事業者、ヘルパーなど 本人や家族をとりまく多数の関係者が存在しているところでしょう。(注20)

(注18)内閣官房・厚労省「介護ワンストップサービス実現に向けた方策の取りまとめ」 第33回新戦略推進専門調査会電子行政分科会Open a new window(2018年3月30日)

(注19)「介護ワンストップサービス」のオンライン申請を試行実施Open a new window (厚生労働省広報HP 厚生労働2019年11月号Open a new window

(注20)たとえば 「指定居宅介護支援事業者等又は地域包括支援センターが(要介護認定の申請等の)手続を代わって行う場合・・申請書に「提出代行者」と表示し・・その名称を冠して記名押印」(介護保険法施行規則第35条4より)

個人による手続の自動化~自動車ワンストップサービス

その5、自動車ワンストップサービス

「軽自動車保有関係手続ワンストップの拡大方策を取りまとめ、早期に実現、引越しワンストップサービス等との連携やIC カード化した自動車検査証の空き容量の民間活用について検討」(注21)
自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS:one stop service)は、2015年から4都府県の新車の新規登録手続から開始され、2017年からは継続検査が全国でと、順次拡大されてきています。
軽自動車保有関係手続のワンストップサービスは、2019年5月から軽自動車検査協会への検査申請に係る手続・納付が始まっています。

(注21)「自動車保有関係手続きは、オンラインで一括して申請が可能となるワンストップサービス(OSS)を導入・推進しております。OSSの更なる推進にあたって、車検証を紙から電子化し、運輸支局等への出頭を不要とすることが有効」国土交通省 自動車検査証の電子化に関する検討会Open a new window(2018年9月から開催)
「継続検査(車検)等の自動車保有関係手続で運輸支局等への来訪を不要とするため、自動車検査証を紙からICカードに切り替える「道路運送車両法の一部を改正する法律(令和元年法律第14号)」が2019年5月公布、2023年1月導入の予定」国土交通省 IC自動車検査証の利活用方策に関するアイデア募集についてOpen a new window(2019年7月)より

法人向けワンストップサービスに向けて

法人向けワンストップサービスとして、個人向けとの違いを考えてみましょう。

前述の「就業証明の発行」のように、「法人」単独での手続きであっても、実際に「雇用証明書の発行」の事務をするのは、電子委任状による認証により「法人を代理する個人」によるデジタル手続きとなります。
また、「法人設立手続き」は、「個人」が申請し、「法人」の設立に至る手続です。
さらに、「社会保険・税手続」は、「個人(従業員)」と「法人(会社)」が相互に関連する手続になります。

こうした法人のワンストップサービスに向け、法人の認証基盤、個人のマイナポータル、電子委任状や電子私書箱など、整備が進んでいきます。
法人向けワンストップサービス、次回に解説しましょう。

今後のめざすもの

スマートサービスが拡がり、進化していきます。
デジタル化が進展、より範囲が広がり、内容も高度化していきます。

デジタル技術とデータを駆使、革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらすもの
Human Centric Innovation Driving a Trusted Future
デジタル社会の変革、デジタルトランスフォーメーションDXが進んでいきます。

富士通がめざすもの、それは単なるデジタル化ではなく、住民向けのサービスの向上と、職員の業務改革を同時に実現する自治体デジタルトランスフォーメーションです。

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