東京たま広域資源循環組合様
IPKNOWLEDGE 内部情報ソリューション

組合の総務業務を5名で担う
マルチプルな総務部門を支える
統合型内部情報システム

二ツ塚処分場埋立地とエコセメント化施設

3年の赴任期間に、財務会計、人事給与、庶務事務など、多岐にわたる業務を手がける同組合の総務課では、統一されたデザインと操作性のインターフェースを備えている点を高く評価し、IPKNOWLEDGEを導入。システム導入にあたっては、1人の職員が窓口役になって、カスタマイズを最小限に抑えながら、業務フローを可能な限りシステムに合わせるために業務のすり合わせ作業を繰り返し実施。Skype会議も効果的に活用しながら、富士通SEとの綿密な打ち合わせを経て、円滑な導入に至りました。

課題
効果
課題新任職員が各システムの操作を習得する期間を可能な限り短縮したい
効果統一性のある操作画面と共通の操作性を備えた統合型の内部情報システムを導入することにより、短時間で各システムの操作を習得できるようになった
課題慣れや経験を必要とする財務会計、給与計算業務の負荷を低減したい
効果データ入力画面で誤入力がすぐにエラー表示されるため、エラーデータが大幅に減ったおかげで、経験の浅い職員でも円滑に財務会計、給与計算の計算業務を遂行できるようになった
課題必要なデータをすばやく抽出して、業務の効率化を図りたい
効果簡単な操作で予算執行状況を即座に集計、確認できるため、施設の修繕などが緊急で必要になった場合などの手続きを迅速化することができた

課題と導入の経緯

組合の目的と組織の概要についてご説明ください

当組合は、多摩地域25市1町の一般廃棄物最終処分場の設置および管理運営を主な業務として設立された一部事務組合です。25市1町および東京都から派遣された22名の職員が、これら業務に従事しています。主な事業は、すでに埋め立てが終了した処分場と、現在は不燃残渣のみを埋め立てている処分場の維持管理事業、そして、以前は埋め立てていた焼却残渣をセメント原料として再利用するエコセメント化事業です。

また、埋め立てが終了した土地の利活用や、武蔵野原風景のような里山として再生させる環境保全・自然回復事業にも積極的に取り組んでいます。

新システム導入以前において、どのような課題がありましたか

職員の入れ替わり時に発生する引き継ぎ事務をいかに円滑に行うか。また、業務ごとに異なる個別システムの操作の違いをなくし、業務の効率化を図る。この2つが大きな課題でした。前述したように当組合の業務は各団体から派遣されてきた職員によって行われています。職員は少人数ながら一地方公共団体なので、業務は地方自治体と変わらないボリューム感です。とくに総務部門は課長を含めて5名で、財務、庶務事務、人事給与、議会運営、さらには監査やシステム管理など多岐にわたっています。そして職員の派遣期間は3年と定められています。

人事異動により派遣された職員は、着任早々新しい業務や、各業務で個別に運用しているシステムの操作も短期間で習得しなければなりません。仮に、派遣元の自治体で経験した業務に就いたとしても、業務フローの詳細レベルになると自治体固有の文化というか、属人的なノウハウでルール化されているものがありますから、そのギャップに戸惑うことも少なくありません。

具体的に、どのような業務のどのような場面での負荷が高まっていましたか

例えば給与計算業務です。異動してきた職員がいきなり給与計算を任された場合、不慣れなため、計算ミスの可能性が高くなります。さらに、出退勤時刻、時間外勤務、休暇の情報は紙ベースでしたから、手作業で集計していました。超過勤務手当の計算などに慣れない間は例規などを読みながら行い、計算結果の確認を重ねていると3日で終わらないこともありました。こうした庶務関連申請データを人給システム側へ渡す際、システムが連携されていなかったため、データの入力はやはり手作業で間違いが生じることが多く、ここでのチェックも大きな負荷となっていました。

各システムの運用管理も、情報システム課など専門部署がなく、総務課が受け持っているため、例えば法令改正などにともなうシステム改修が必要になった場合など、改修仕様の作成など対応に追われていました。業務ごとにシステムのベンダーが異なっていたため、問い合わせもそれぞれのベンダーに対して個別で行わなければならず、サポートを頼んでも、なかなか対応してくれないベンダーがあると、期限に追われてかなり苦労したこともありました。

東京たま広域資源循環組合 総務課 課長 井上 隆一 氏東京たま広域
資源循環組合
総務課 課長
井上 隆一 氏
東京たま広域資源循環組合 総務課 総務係長 髙野 淳 氏東京たま広域
資源循環組合
総務課 総務係長
髙野 淳 氏
東京たま広域資源循環組合 総務課 総務係 主任 山中 康弘 氏東京たま広域
資源循環組合
総務課 総務係 主任
山中 康弘 氏
東京たま広域資源循環組合 総務課 総務係 主事 松原 幸毅 氏東京たま広域
資源循環組合
総務課 総務係 主事
松原 幸毅 氏

システムの採用理由

IPKNOWLEDGEを採用いただいた理由について、お聞かせいただけますか

採用において第一に重視したのは、操作を覚えやすいシステムであるかどうかでした。前述したように、少人数でさまざまな業務をこなさなくてはならない当組合の総務課の場合、短期間に複数の業務システムに慣れる必要があります。その点、各業務システムの画面や操作に統一性があるIPKNOWLEDGEは、新任職員にとってとっつきやすかったのです。

もう1つの理由として、IPKNOWLEDGEは自治体業務の流れをよく把握しており、システム完成度が高いことが挙げられます。出身自治体ごとで異なる業務の文化を持った職員が集まる当組合では、完成度が高くて標準化されたわかりやすいシステムであれば、操作習熟の難易度も下がり、カスタマイズも最小限に抑えられるだろうと考えました。さらに、国や都の制度改正時に必要なシステム改修などもサポートに含まれているので、改修仕様検討などの作業からも解放され、作業負荷を軽減できる点も評価しました。

採用時の配慮

少人数体制にもかかわらず、システムはスムーズに導入されました。どのような配慮をなさいましたか

着任して丸1年たった職員の1名を窓口役として導入を進めることにしました。1名に絞ることで、各課の意見の取りまとめがスムーズに運び、ベンダー側とのすり合わせの結果も確実に伝えることができるだろうと考えたからです。富士通側の業務担当者は複数いましたが、Skype会議を活用することで時間や場所に制約されずに打ち合わせを行うことができました。

また、当組合の業務フローを見直して、システムに合わせる過程では、従来の業務手順を大きく変えて標準化する必要も生じました。こうした場合、他の自治体での導入事例を提示していただき、参考にできたのでスムーズに運びました。

やはり豊富な導入実績を持つベンダーは安心です。また当組合の業務特性を考慮に入れたマニュアルを作成したことも、スムーズな導入が可能になった要因の一つです。窓口役の職員が中心となって整備しました。本番開始後も課題の発生ごとにその解決策などを随時マニュアルへ加筆しながら今日に至っています。

導入メリット

IPKNOWLEDGE導入により、どのようなメリットがありましたか

採用検討時の印象どおり、初めて触れる人にもわかりやすく、また操作しやすいシステムだったので、新任職員の作業負荷がずいぶん軽減されました。例えば、データ入力や操作誤りを知らせるエラー表示機能です。庶務関連申請内容をデータ連携で取り込む場合でも、誤って入力したデータや操作に対しては、エラーメッセージで知らせてくれるので、作業ミスが大幅に減りました。

またデータ入力画面に表示される項目が多いので、当初は戸惑うかと思われましたが、データ入力支援用の検索機能が充実しているため、実際に操作してみると使いやすいことがわかります。以前のシステムでは業務タイトルが示されるだけで、今、どの手順の操作をしてかがわかりにくかったのですが、そうした迷いはなくなりました。とくに予算執行や予算編成などの業務で目的の画面がすぐに探し出せるので助かっています。また、カスタマイズではありますが各システムのボタンの色を変えたのも、操作の統一感アップに繋がっています。

とくに効率化された業務についてお聞かせいただけますか

わかりやすく、操作にもすぐに慣れるので、新任職員の操作教育時間が短縮されました。同様に、大幅な時間短縮効果が得られた業務としては、人事給与システムによる時間外勤務の計算、電子決裁システムによる超過勤務のスピーディーな申請と決裁、旅費管理システムによる旅費精算では、最短・最安ルートが、公共交通機関の情報を検索できる「駅すぱあと」との連携で、正確かつスピーディーに確認できることなどです。特別休暇の申請など、使用する頻度が低いために戸惑うことが多い手続きも、取得日数を予め登録しておけば簡単に間違えることもなく申請できるため、総務課への問い合わせ数も少なくなりました。

以上のような間接的業務の効率化で、組合全体の事業の管理や改善、さらには新たな課題への取り組みなど、事業の運用や運営に関わる業務に、労力や、時間を振り向けられるようになったことも大きな導入効果です。とくに心強いのが、予算の執行状況を容易に確認できる機能です。例えば緊急に施設の修繕を必要とする事案が発生した場合など、すぐさま予算の執行状況を確認し、どのような作業計画を立てればよいかなどの判断に役立つのです。また、必要なデータを簡単にすばやく取り出すという点では、EUCなどの特別な機能に寄らず、データ検索画面での右クリック操作だけで、各種データを簡単にCSV出力できる機能もよく使われています。

富士通への期待

今後、どのようなシステム構築、システム運用をお考えでしょうか

当面の課題として取り組んでいきたいのは、情報公開制度の確立を見込んだ文書管理業務の構築です。そのためには、管理の対象となる文書をどう定義するべきか、また最適な文書管理方法はどのようなものなのか、さらには文書の公開請求があった時に、何分以内で抽出、提示できるようにするべきかなど、一から具体的に策定していかなければなりません。

作業は膨大な量になることが予想されますが、富士通からアドバイスをもらいながら、取り組みが始まりつつあります。他の自治体における豊富な導入実績や、中央官庁の動向に関する情報なども参考にし、この取り組みを本格化させていきたいと考えています。

左から 東京たま広域資源循環組合 山中氏、松原氏、井上氏、髙野氏 の写真左から 東京たま広域資源循環組合 山中氏、松原氏、井上氏、髙野氏

東京たま広域資源循環組合様 概要

所在地東京都西多摩郡日の出町大字大久野7642番地
代表者管理者 立川市長 清水 庄平
組織団体八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、西東京市、瑞穂町
職員数22名(2018年4月1日現在)
ホームページhttps://www.tama-junkankumiai.com/index.html
東京たま広域資源循環組合のご紹介

都下、25市1町の多摩地域から排出される不燃ごみと焼却残渣を埋め立てる二ツ塚処分場は、当初その使用期間を平成9年度から16年間と計画され、平成26年度には埋め立てが終了する予定でした。このため平成10年度より、搬入される廃棄物の多くを占める焼却残渣の全てをセメント原料として再利用する技術の導入が検討されました。

焼却灰はセメントに必要な成分を多く含んでいるので、原料として十分利用できるのです。開発にあたってはエコセメントを使ったコンクリートから不要な物質が溶出しないかなどの試験を行い、製品としての安全性が確かめられています。

エコセメント化施設の建設工事は平成16年1月に始まり、平成18年7月より稼働を始めています。品質的にも普通セメント同等のレベルにあるエコセメントは、鉄筋コンクリートなど建築物、道路の側溝、園路の舗装、車止めやベンチなどコンクリート二次製品として利用されています。

二ツ塚処分場埋立地とエコセメント化施設

谷戸沢処分場・清流復活池

谷戸沢処分場で育ったフクロウのヒナ

[2018年6月25日掲載]

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