釧路市様
MCWEL 障がい者 V2
データ処理のレスポンス向上と充実した機能で
待たせない・きめ細かな住民サービスを提供
さらに時間外勤務を大幅に削減
釧路市障がい福祉課様では、11年にわたり、法改正に伴うシステムの改修を繰り返してきたことにより、システムの複雑化とレスポンスの低下に悩まされていました。このため窓口対応に必要以上の時間がかかっていたほか、国民健康保険団体連合会(以下、国保連)への請求に係るデータのエラー対応といった事務処理でも、過大な負荷がかかっていました。これらの問題解決のため、根本的なシステムの改修に動き出し、公募型プロポーザルを実施。これによる業者選定の結果により、富士通「MCWEL 障がい者 V2」(以下、MCWEL)の導入を行いました。大幅に向上したデータ処理のレスポンスと充実した機能により、窓口や電話応対などでの対応力やサービスを向上するとともに、業務効率化により時間外勤務の削減にも成功しています。
- 課題前システムは、制度改正のたびに改修を繰り返し使いつづけていたが、画面構成が複雑になっていた。また、長年のデータの蓄積によるレスポンスの低下を招き、窓口業務が遅滞してしまうなど住民サービス低下の要因となっていた。
- 効果最新の性能により、データ処理スピードが大幅に向上。見やすく分かりやすい画面レイアウトで新任の職員でもすぐに操作できるようになり、窓口や電話口対応において、住民を待たせることも減り、住民サービスの向上につながった。
- 課題障害者手帳の更生指導台帳等を紙ベースで保管・管理しており、必要な情報を探すために時間や手間がかかっていた。また、住民からの問い合わせ対応などでも時間がかかるなどの課題があった。
- 効果ドキュメント管理機能により更生指導台帳等の記録をペーパーレス化。加えて、メモ機能を活用した問い合わせ対応の向上、各種データの日次更新による適切な住民対応など、MCWELの機能を活用して、住民サービスの向上および職員の負担の軽減につながった。
- 課題障害者自立支援給付費支払に関して国保連合会とのデータ連携やエラー処理に係る作業は、複雑かつ時間を要しており、特定の職員のみが作業を行っていた。作業が深夜にまで及び、時間外勤務が必要な場合もあった。
- 効果MCWELにより、作業が平準化されスキルや知識を利用することなく作業可能となった。これまでの担当者は複雑な作業から解放され、担当内の職員の持ち回りで短時間のうちに対応できるようになり、時間外勤務の削減につながった。
システム更新の背景
従来のシステムの課題を教えてください
前システムは稼働開始から約11年使用していました。その過程でデータが増大し、さらに制度改正への対応などで改修を重ねシステムが複雑化した結果、処理に時間がかかりレスポンスが低下していたほか、操作が複雑になっていました。住民検索や画面遷移といった簡単な操作でも表示やデータ処理で待つことが当たり前となり、窓口での住民サービスに影響が出ていました。加えて、障害者自立支援給付支払等システムとのデータ連携やエラー処理でも、操作に慣れていないと難しかったため、特定職員しか行えない作業となっていました。通常の業務を終えてからこの作業に集中的にとりかかっていましたが、データ抽出やエラー訂正などで複雑な操作と多くの処理時間が必要で、作業完了が深夜に及ぶことも珍しくありませんでした。そのほかの日常業務でもシステム関連の作業は時間や手間がかかり、結果的に我々の部署は時間外勤務が多くなっていました。
システム更新では、どのような機能を重視しましたか
我々の業務は住民サービスがメインです。窓口で住民を必要以上にお待たせせず対応するために、システムのレスポンス改善が前提条件でした。加えて、使いやすさも重視しました。前システムは改修を重ねたことで画面構成や操作が複雑になっていたので、使い方を教えたり、覚えてもらったりするにも多くの時間を必要としていました。我々のような行政機関は一定年限による異動があり、また新人の配属もあります。そのような際もすぐに使えて業務がこなせるような、優れた操作性のシステムを導入したいと考えていました。
システム導入の経緯
富士通の提案はいかがでしたか
評価が高かったのは操作性です。システムの画面が見やすく整理され、さらにアイコンで一見しただけでどの機能がどこにあるのかが分かりやすいデザインが好評でした。機能的にも、頻繁に使う業務が登録できるお気に入りの機能が便利でした。 加えて、我々の要件になかった提案をもらいました。それは障害者手帳の更生指導台帳等の電子化で、それまで紙ベースで管理していた手帳の情報を、新システム導入を機に電子化するという提案でした。この台帳は紙ベースで管理するのが当たり前と思っていたのですが、提案を受けて我々の業務もまだまだ効率化できると気づかされました。思い付かなかった視点からの業務効率化につながる提案をもらい、とても嬉しかったですね。
導入時、ご苦労された点はありましたか
前システムに蓄積していたデータが膨大だったため、新システムに移行するときにエラー発生が懸念されていました。既存データはシステム的に修正や削除が可能だったこと、前システムと富士通のシステムでデータ形式が多少違うことなど、複合的な理由によるものです。これに関しては富士通から担当SEを派遣してもらい、適切な修正手順などのアドバイスをきめ細かくやり取りするなどして乗り越えることができました。エラー修正はデータを熟知していないと行えないため、特定の職員がかかりきりで対応にあたっていたので、大変助かりました。
また、大きな台風の被害によりシステム更新スケジュールに大きな影響が出ましたが、その際も富士通は協力してくれました。例えば稼働開始にあたっては、準備の整ったシステムから順次テスト稼働・本番稼働させるといった、段階的なシステム稼働を行いました。これによって着実な稼働開始とともに、新システムに職員が慣れる時間を稼ぐことができました。こうした工夫は台風によるスケジュールの遅れをリカバリーするとともに、スムーズな本番稼働の実現に結びつきました。
導入の効果
MCWEL導入の効果を教えてください
MCWELにより、すべての業務が便利になったという印象があります。「富士通のシステムは仕事がやりやすい」という職員の評判を聞き、更新して良かったと思っています。
[レスポンスや機能の向上による住民サービスの改善]
一番の課題だったレスポンス改善に関しては、画面を開く、一括更新・印刷するといった作業が迅速にできるようになりました。福祉の業務では書類が複数枚にわたることが多く、それぞれに住民の名前や住所の記入が必要なのですが、MCWELなら書類を印刷した時点で名前や住所が印字されています。これは住民の皆様の負担軽減にもつながり大変ありがたいことです。こうした性能と機能の充実により、窓口対応の質の向上や対応時間が短縮されたと感じています。
[障害者自立支援給付支払等システムとのデータ連携業務の効率化]
まず、データ連携などのエラー発生件数が減少しました。以前は月に20~30件程度発生していましたが、10件以下に減っています。さらに、MCWELになって訂正作業がとても簡単になり、以前のような複雑な作業ではなくなりました。現在はデータ修正にあたる担当者を毎月決め、職員が順番で対応しています。
[ドキュメント管理機能で障害者手帳の更生指導台帳等をペーパーレス化]
富士通の提案により採用した機能です。手帳取得者の情報を読み込みシステムのデータと紐付け、保管しています。台帳はこれまで紙ベースで保管・管理しており、住民からの問い合わせがあった際、膨大な台帳の中から必要な情報を探し出していましたが、その手間がなくなりました。加えて、台帳の倉庫保管が可能になったことで、執務室が広く有効に使えるようになるなどの業務改善がみられました。
[メモ機能により電話や窓口での対応が向上]
住民の登録画面を立ち上げたときに連携してメモ機能がポップアップ表示されますが、そこに住民からの対応履歴を残しています。これまでどのような問い合わせがあったのか、それに対して職員はどのように対応したかをここに入力しています。対応履歴はこれまで紙にメモ書きで残していたため共有が難しく、円滑な対応が難しい場合がありましたが、それが解消できました。問い合わせがあった際、このメモ機能を見れば担当者が不在でも他の支所からでもスムーズな対応ができるようになり、住民との信頼関係も生まれるなど、サービス向上につながる機能といえます。
[日次更新によりつねに最新の情報を保持]
以前のシステムでは、国保や税金、生保、介護などの情報を月次更新していました。MCWELでは日次更新となり、資格情報などが最新に保たれるようになりました。つねに最新の情報で住民対応ができ、サービス向上や業務効率の改善につながっています。
[富士通からの法改正等の情報提供]
富士通からは法改正に関する情報をスピーディーに提供してもらっており、その分我々もいち早く対応することができ、非常に助かっています。また、システムへの反映も細かく対応してもらっています。
[システムに起因する時間外勤務の大幅な削減]
システム全体のレスポンス改善や機能アップ、障害者自立支援給付支払等システムとのデータ照合作業の効率改善などにより、システムに関連する業務での時間外勤務はほとんどなくなっています。
今後の展開と富士通への期待
富士通への今後のご要望をお聞かせください
これからも我々は、高品位な住民サービスの提供を追求していきたいと考えています。そのために必要となるシステムの保守や改善提案、法改正情報の提供とその対応を富士通には引き続き期待しています。
こうした通常業務だけでなく、釧路市ではICT技術の活用により将来を見すえた情報化と、それによる新サービスの住民への提供を模索しています。我々の部署であれば、音声認識システムを活用した視覚障がい者への新サービスが1つの例としてあげられます。こうした新たな可能性を探るために、庁内でワーキンググループを開き様々に検討しています。富士通には、これまでもリモートで支援していただくなど、首都圏の自治体と変わらない対応をしていただいています。今後はさらに、新たなサービス開発につながるAIやIoTなど先進技術の情報提供や、新しいテクノロジー体験の提案などにも期待しています。
釧路市様 概要
所在地 | 北海道釧路市黒金町7丁目5番地 |
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代表者 | 釧路市長 蝦名大也 |
人口 | 170,364人(2018年12月末現在) |
職員数 | 2,543人(2017年4月1日) |
ホームページ | https://www.city.kushiro.lg.jp/ |
釧路市のご紹介 | 釧路市は北海道東部の太平洋岸に位置します。2005年、当時の釧路市と阿寒町、音別町との合併により、現在の釧路市に至っています。旧阿寒町と旧音別町にあった町役場は現在、行政センターとしてこれまで同様、旧阿寒町と旧音別町の行政の拠点として利用されています。人口は道東最大で、このエリアの中核都市として社会、経済、文化の中心となっています。豊富な森林資源と広大な土地を持ち、それらを活かした林業や酪農が盛んとなっています。 太平洋岸に面した漁港では魚介が豊富に水揚げされ、国内でも有数の水揚げ量を誇っています。また、釧路は、雄大な自然に恵まれ、「釧路湿原」と「阿寒摩周」の2つの国立公園の玄関口としても人気です。こうした森林や農産物、魚介などの豊富な資源により、製紙や製薬、食品加工など各分野の工場が集まるエリアともなっています。 気候面では、夏期の最高気温が20℃前後と冷涼な気候は、長期滞在型の避暑地として北海道の中でも特に人気で、釧路市は2011年度から7年連続で全道第1位、2017年度の長期滞在者は1,419人を数えています。最近では、長期滞在しながらテレワークする拠点としても注目されています。 |
[2019年4月1日掲載]
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