郡山市 様
IPKNOWLEDGE 財務情報・文書管理・電子決裁システム

電子決裁率100%(注)を達成し、コロナ禍においてもスムーズな決裁を実現

(注)各行政委員会の委員長などでシステムの利用権限がない専決者の決裁を除く

郡山市役所庁舎外観

郡山市様では、20年近く前に構築した財務会計・文書管理システムをIPKNOWLEDGEへと移行し、ほぼノンカスタマイズで運用しています。電子決裁率の向上と定着化に取り組み、20%程度だった電子決裁率は100%(注)へと飛躍的に向上し、コロナ禍におけるリモートワークにも大いに役立っています。東京都モデルの公会計(日々仕訳)も含めて豊富な稼働実績があるIPKNOWLEDGE導入後は、非効率的で属人的な運用課題に対し、効率化が進んでいます。

課題
効果
課題 旧システムの電子決裁では、添付データの容量が少なく、資料の閲覧性にも課題があり、電子決裁率は20%程度に留まっていた
効果 IPKNOWLEDGE 文書管理システム・電子決裁システムを導入し、機能が改善。同時に電子決裁の運用アドバイスを受け、電子決裁率100%を達成している。持ち回りが不要となり、端末に縛られず出張先やテレワークでも決裁が可能となり、業務の効率化が進んだ
課題 保存文書を収納する書庫の管理が、文書システムと表計算ソフトで二重に管理されており、分かりにくくミスも発生していた。また、借覧申請も煩雑で非効率的だった
効果 起案から決裁後の保存文書の管理、廃棄までをすべてシステムで管理できるようになった。借覧の手続きは大幅に簡略化され、今後書庫の文書は削減される見込み
課題 システムにない機能については、データを抽出して表計算ソフトで行っており、一部の担当者にしかできない業務になっていた。さらに非定型的なデータの抽出には、ベンダーに依頼が必要なこともあり、手間と時間がかかっていた
効果 IPKNOWLEDGEのEUC機能を活用し、システムの中でデータの抽出や加工ができるようになり、効率化された

背景

IPKNOWLEDGE採用の決め手は何でしたか

20年近く前に構築した旧システムにも電子決裁機能はありましたが、添付データの容量や閲覧性などに課題があり、電子決裁率は20%程度にとどまっていました。旧システムのリース期間満了に伴い、更改が必要となり検討に入りました。選定にあたっては、当市の運用にパッケージを合わせるのではなく、各パッケージの持ち味を生かしてどう運用を変えられるかという視点で数社の製品を比較・検討しました。IPKNOWLEDGEには全国の自治体のノウハウが蓄積されており、以前はカスタマイズで対応していた機能も標準パッケージに備わっていて、優れたシステムという印象を持ちました。
郡山市では、東京都モデルの公会計(日々仕訳)を採用し、「1課1目」で整理した予算科目により詳細な財務諸表を作成していますが、新システムでは東京都モデルで日々仕訳を行うことができるかも重視しました。同じ東京都モデルの公会計を採用しているIPKNOWLEDGEユーザーの東京都町田市へ視察に行き、直接システムを触らせてもらい、運用イメージを固めました。このように、公会計を含めて中核市で豊富な稼働実績があることや、各システムの連携性から同一ベンダーであることも考慮し、2018(平成30)年度に、IPKNOWLEDGE 財務情報、文書管理、電子決裁システムそれぞれの調達に至りました。

郡山市 人事課 主任 渡辺 俊之 氏の写真郡山市 人事課
主任 渡辺 俊之 氏
(構築時の担当)
郡山市 文化振興課 主任 岩淵 成公 氏の写真郡山市 文化振興課
主任 岩淵 成公 氏
(稼働初年度の担当)
郡山市 財政課 主査 新田 泰広 氏の写真郡山市 財政課
主査 新田 泰広 氏
(現担当)
郡山市 総務法務課 主査 鈴木 美奈子 氏の写真郡山市 総務法務課
主査 鈴木 美奈子 氏
(構築時~現担当)

導入時の工夫

導入にあたり、工夫された点を教えてください

2019(令和元)年5月に先行して文書管理システムと電子決裁システムが稼働となり、翌2020(令和2)年4月に財務会計システムも含め全面稼働となりました。当地域では近隣の自治体が連携中枢都市圏の形成を図る取り組み「こおりやま広域圏」を推進しており、郡山市を中心とした16市町村で連携し様々な行政課題に取り組んでいます。将来的には他自治体と情報システムを共有することも視野に、システムのオープン化のため、カスタマイズを最小限にして導入運用するようにしました。
新システムで公会計を運用するにあたっては、予算科目を決算統計および公会計ベースに分析し、極力1対1の仕訳となるように見直しました。予算要求の段階から仕訳の内容を考慮することで、年間数万件行っている支払いの際の仕訳および財源充当の手間が省かれました。
富士通からは、現場で電子決裁を定着させるための各種アドバイスももらいました。特に、運用基準を設け、起案する文書の種類や様式、枚数などによってどう運用するかを富士通と相談して図案化した「電子化マップ」は、各種マニュアルとともに各課で活用し役立てています。

各課間はどのように調整されましたか

財務会計システムの構築にあたってはあらかじめアンケートを取ったうえ、会計課、財政課など関係する9所属の職員が、1年半で数百回におよぶベンダーとの打ち合わせを行いました。財務会計システムの総括担当者がそのすべてに出席し、ヒヤリング、調整を行いましたが、時には相反する要望があり、説得しすり合わせるのは大変でした。ただ、次工程に渡すデータのフォーマットなどを含め丁寧に要件を固めたので、その後はスムーズに移行できました。

導入効果

電子決裁率約100%による効果について教えてください

添付データの容量や閲覧性も改善され、各課に運用を周知し、電子決裁が定着しつつあります。各行政委員会の委員長など、システムの利用権限がない方の決裁については押印決裁により運営しており全体では約98%、それを除けば市長決裁も含めほぼ100%の電子化率となっています。決裁の判断に必要な書類のみを添付し、それで判断できないときには起案者に説明を求めるIPKNOWLEDGEの機能を活用し、電子起案をしやすくしました。特に財務での文書起案では、複数のシステムを確認する必要がなく、同一の画面で文書起案および財務起票の決裁ができるため、大変使いやすくなりました。またグラフィカルバインダー機能は、複数年契約の決裁時、過去の資料を大量に持ち運ばずに済み、非常に便利だと評価しています。
紙の押印決裁が必要だった時には、庁内を歩き回ったり決裁の行列ができたりしていましたが、これが電子化され効率的になっただけでなく、コロナ禍において不要な移動、接触を減らすこともできました。決裁者が自分のペースでじっくり吟味し決裁できるというメリットもあります。
当市では、新型コロナウイルス流行前からシンクライアント端末の環境を整えてあったことから、どの端末からでも業務情報にセキュアにアクセスできるため、電子決裁を徹底することで、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としてのテレワークの導入がスムーズにできました。自宅や出張先から決裁できますし、密を避けて庁内の別室で勤務するときにも、電子決裁が大変役立っています。

そのほかの導入メリットについて教えてください

押印決裁の保存文書が大量に書庫に保管されており、その書類の管理が当時の文書管理システムと表計算ソフトの二重管理によるものであったため、分かりにくくミスも発生していました。さらに書庫の書類を見る時に行う借覧申請は、文書システムと連携しておらず煩雑で非効率的でした。今では起案から決裁後の保存文書の管理、廃棄までをすべてシステムで管理できるようになったため、借覧申請も非常にシンプルになりました。現在書庫にあるのは、ほぼIPKNOWLEDGE導入前のものですので、今後書庫の文書は減らせる見込みです。
各種分析をする際のデータ収集も改善されました。以前はデータの抽出はシステム管理者にしかできない業務で、時にはベンダーに有償で依頼することもありました。IPKNOWLEDGEのEUC機能を使えば、さまざまな形式でデータを結合して抽出できるのが非常に便利です。一部の人しか作業できなかった複雑な手順が不要となり、誰でも扱えるようになりました。

今後の展開/富士通への期待

現在ならびに今後の運用について教えてください

公会計の財務諸表作成についてはこれから本格運用となります。財務諸表の作成、分析・活用を行うことが公会計の目的にありますが、IPKNOWLEDGEの機能を活用し、予算科目にとらわれないセグメントの設定、例えば類似施設の集合体で分析するなど、より市民の方に分かりやすい情報を提供できるよう検討をしています。
また現在、リモートメンテナンスをお願いしており、何かトラブルが発生したときにも即座に状況の確認と解決策の検討をしていただけるのが非常に助かっています。スピード重視の業務も多い中、特にコロナ禍においてはリモートで作業いただけて大変ありがたいです。引き続き手厚いサポートをお願いします。
今後、人事給与システムや庶務事務システムの更改も予定されています。富士通には引き続きパッケージ機能の強化と、他自治体ユーザーとの仲介、先進事例の紹介などを期待しています。

郡山市の皆様の集合写真左から 郡山市 渡辺 俊之 氏、新田 泰広 氏、岩淵 成公 氏、鈴木 美奈子 氏

郡山市様 概要

所在地福島県郡山市朝日一丁目23-7
代表者郡山市長 品川 萬里(しながわ まさと)
人口321,394人(2021年1月1日現在)
職員数2,055人(2021年4月1日現在)
ホームページhttps://www.city.koriyama.lg.jp/
郡山市のご紹介郡山市は福島県の中央に位置し、東北地方で第3位の人口規模を誇る拠点都市です。首都圏から東北新幹線で約80分というアクセスの良さに加え、鉄道や東北・磐越両自動車道が縦横に交差するなど、交通の利便性が良いことから「陸の港」とも称され、経済県都として成長を続けています。
近年はSDGsの達成に積極的に取り組んでいるほか「音楽のまち」としても知られ、2008(平成20)年には音楽都市を宣言。楽都をイメージした市のキャラクター「がくとくん」が市民に親しまれており、ホームページでは、がくとくんがAIを使ったチャットボットで、様々な問い合わせに答えています。
郡山市のキャラクター「がくとくん」郡山市のキャラクター「がくとくん」
郡山市章郡山市章

[2021年6月30日掲載]

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