株式会社ワイ・シー・シー様
“切れ目のない支援”を実現するために、富士通のPRIMEFLEX for Microsoft Azure Stack HCIによるクラウドサービス基盤に「発達・教育支援システム」のSaaS環境を構築
株式会社ワイ・シー・シー様は、児童の成長記録を自治体や各教育機関で共有する「発達・教育支援システム」を日野市様ともに開発。就学や進学、他自治体への転居も含め、ライフステージを通した“切れ目のない支援”を実現するためには、セキュリティと拡張性を備えた環境を構築し、クラウドサービス化する必要があると考え、自社データセンター内に富士通のHCI「PRIMEFLEX for Microsoft Azure Stack HCI(以下、PRIMEFLEX)」を導入。支援機関や導入自治体の増加に応じて柔軟に拡張できるHCIのメリットを活かして、同システムの全国的な普及拡大に取り組んでいます。
導入事例概要
業種 | システム開発 |
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ソリューション | 垂直統合型 仮想化基盤(ハイパーコンバージドインフラストラクチャー:HCI)
Fujitsu Integrated System PRIMEFLEX for Microsoft Azure Stack HCI |
- 課題児童の成長記録を自治体や複数の教育機関と共有するため、セキュリティや拡張性に配慮した環境が必要
- 効果自社データセンター内へHCIによるクラウドサービス基盤を導入し、SaaS環境を構築することで、セキュリティに配慮しながらの情報共有が可能に
- 課題本拠を置く山梨から、全国各地の自治体に逐一システムを提供し、管理・運用するのは負担が大きい
- 効果SaaS環境であれば地方自治体へのサービス提供も容易であり、HCIの柔軟な拡張性を活かして、スモールスタートから自治体の増加に応じた基盤拡張が可能
- 課題将来的に多くの自治体に導入いただいた際の、保守管理など運用体制に不安がある
- 効果統合管理ソフトにより、効率的な運用管理が可能
「当社は古くからの富士通パートナーであり、現在もコアパートナー認定を受けるなど密接した関係を続けてきました。今回のプロジェクトでも、拡張性の高いHCIを提案いただくことで、システムの柔軟な普及拡大を可能にするクラウドサービス基盤を構築できました」
長坂 正彦 氏
株式会社ワイ・シー・シー
代表取締役社長
導入の背景
“共生社会の実現”など、社会課題の解決への貢献を目指して
株式会社ワイ・シー・シー様は、1966年の創業から半世紀にわたり、官公庁や自治体、病院など公的分野を中心に、基幹業務システムの開発や導入サポートを行ってきました。創業以来の理念である「コンピューターを駆使して社会の価値を創造する」とは、コンピューターに象徴される情報技術を有効利用して社会課題の解決に寄与することで、より豊かな社会づくりに寄与していきたいという企業姿勢を意味しています。
「昨今の社会課題のなかでも、当社が特に重視しているのが、性別や年齢、国籍や障害の有無を問わず、誰もが平等に社会参加できる“共生社会の実現”です」と代表取締役社長 長坂正彦 氏は語ります。「当社は豊かな共生社会を築いていくために、ソーシャル分野へのビジネス展開を強化しています。その象徴的な取り組みが、日野市様とともに構築した発達・教育支援システムです」。
社会の要請を踏まえて、東京都日野市とともに「発達・教育支援システム」を開発
「発達・教育支援システム」の開発・運用を統括するアカウント推進部の部長、萩原 博貴 氏は、同システムの開発経緯を次のように説明します。
「児童の成長を支援するためには、幼児期から学齢期まで、ライフステージを通じた一貫した体制づくりが求められます。しかし、児童に支援や教育を提供する機関は、保育園や幼稚園、小・中学校、高校まで多岐にわたり、自治体の管轄部門も福祉部局と教育部局にまたがることから、相互の情報共有が不十分という課題がありました。そうしたなか、全国に先駆け、福祉と教育の一体化による“切れ目のない支援”を実現しようと立ち上がったのが日野市様でした」。
東京都の中央部に位置する日野市では、児童への一貫性のある支援を実現するため、部局の枠を超えた支援組織を設立。あわせて、児童一人ひとりの成長記録などを一元管理し、各関係機関で共有するための「発達・教育支援システム」の構築を計画しました。「自治体内の組織の枠を越え、外部の教育機関とも情報連携を可能にするシステムは、全国的にも前例のない取り組みでした。同市の取り組みに共鳴した当社は、それまで培ってきた自治体向けシステム開発の実績を活かし、同市と二人三脚で開発に取り組むこととなったのです」(萩原氏)。
導入のポイント
多くの関係機関で情報を共有するためにSaaS環境を構築
「発達・教育支援システムの構築にあたって、日野市様から要請されたのが、データセンターからのサービス提供でした」と語るのは、本プロジェクトで日野市との窓口役を務めた営業推進部の課長、深沢 賢 氏です。「児童のプライバシーに関わる情報を、学校など外部機関も含めて共有するには、自治体内に構築したシステムからインターネット経由で外部と連携するのでなく、セキュリティの確保されたデータセンター内に構築されたSaaS環境から、関係各者にクラウドサービスとして提供することが望ましいという考えです」。
折しも同社は創業50周年という節目に、社内データセンターを核にBPO機能を網羅したファシリティ強化を図っており、そこに同システムの提供基盤も設けることとしていました。「社内の限られたスペース内でかつ、将来のユーザー拡大も見据えた大規模な基盤を構築するため、ラックサーバやブレードサーバなどを比較検討していましたが、パートナーでもある富士通から、HCIという選択肢の提案を受け、今回の条件にぴったりのインフラだと感じました」(深沢氏)。
富士通のHCI PRIMEFLEXは“切れ目のない支援”を実現するために最適な選択
PRIMEFLEXを選んだ理由について、深沢氏は次のように説明します。「HCIはストレージをサーバに統合したシンプルな構成のため、省スペース化や省電力化といったメリットがあります。加えて、決め手となったのは、柔軟かつスピーディーに規模を拡大できる、優れた拡張性でした」。
同社が拡張性を重視する背景には、発達・教育支援システムが児童への“切れ目のない”支援を実現するためには、日野市内だけでなく、児童が引っ越した先の自治体との情報共有も必要だという認識があります。「当社は日野市とともに、発達・教育支援システムを全国の自治体に普及させていきたいと考えてはいるものの、児童支援の取り組みは自治体ごとに温度差があり、いつ、どの程度の規模まで拡大するか、事前の予想は困難です。その点、PRIMEFLEXであれば、最先端の技術をスモールスタートで挿入でき、将来的なユーザー数の拡大に応じて柔軟に規模を拡大できると考えたのです」(深沢氏)。
富士通のHCI PRIMEFLEXで統合運用管理の利便性と操作性を評価
PRIMEFLEXの導入にあたり、システム構築を担当した営業推進部の早川 勇貴 氏は「今回のプロジェクトがスムーズに進んだのは、富士通の支援があったからこそ」と振り返ります。「私はまだ入社2年目で、土台となる知識こそあったものの、HCIでの仮想サーバの構築などは初めての経験でした。HCIならではのシンプルなシステム構成はもちろん、きめ細かな技術サポートがあったからと感謝しています。導入前の技術情報の提供や構築に向けたアドバイス等を含め、導入支援サービスがとても充実していました」。
「システムの保守・管理にあたっても、PRIMEFLEXの強みである統合管理ソフト Fujitsu Software Infrastructure Manager for PRIMEFLEX(ISM)が役立っています。分かりやすいUI(ユーザーインターフェース)で操作性がよく、サーバの状況を視覚的に把握できる機能が充実しているため、トラブルを未然に防ぐことができます。また、万一トラブルが生じた際にも、データセンター内のどこで、何が起こっているかを短時間で把握でき、タイムリーな復旧が可能になります」と、その運用性を高く評価しています。
導入のメリットと今後の展開
HCIによるクラウドサービス基盤だからこそ、全国的な展開が可能に
同社と日野市の取り組みは、全国的にも先駆的なもので、政府も障害児童支援のモデルケースとして位置づけ、全国的な普及によって“切れ目のない支援”を実現することが望まれています。同システムの各自治体への営業活動を担う、営業推進部の鈴木 智也 氏は「HCIによるクラウドサービス基盤に構築されたSaaS環境が、営業活動上の大きな武器になっている」と語ります。
「福祉と教育の一体化に時間を要するため、本システムに興味はあっても、どの部局で予算を確保するかがネックというケースが少なくありません。そうした際にも、当社データセンターに構築したSaaS環境であれば、導入コストや運用負担を抑えることができるため、自治体の検討も比較的スムーズになります。また、全国的なネットワークを持たない当社が、遠方の自治体にもきめ細かなサービスが提供できるのも、こうした環境があればこそ。すでに、複数の自治体で同システムの導入が決定しています」(鈴木氏)。
“共生社会の実現”へ、富士通のさらなるサポートに期待
「当社は山梨を本拠としており、これまで縁のなかった地方の自治体に提案する機会はなかなか得られません。日野市様の事例を基に、他の自治体からの照会があった際には、当社も一緒にシステムのご説明をしていますが、それだと“待ち”のみになります。その点、全国的な知名度とネットワークを持ち、自治体分野で豊富な実績を持つ富士通から同システムを積極的に紹介してもらえるのは、非常にありがたいことです」(萩原氏)。
「発達・教育支援システムに限らず、情報システムが豊かな社会づくりに寄与するには、一自治体だけの取り組みだけでなく、全国での自治体連携が重要になります。その点でも富士通のネットワークに期待しています」と長坂氏は今後のビジョンを語ります。「当社は古くからの富士通パートナーであり、現在もコアパートナー認定を受けるなど密接した関係を続けてきました。今回のプロジェクトでも、拡張性の高い富士通のHCI PRIMEFLEXによるクラウドサービス基盤を提案いただくことで、システムの柔軟な普及拡大を可能にする基盤を構築できました。こうした信頼のもと、今後もともによりよい社会づくりに貢献していけるよう、富士通のサポートに期待しています」(長坂氏)。
担当営業、担当SSBメッセージ
本案件は、就学や進学、他自治体への転居も含め、ライフステージを通した“切れ目のない支援環境”のご提供と将来のシステム拡張の両立を実現する為にPRIMEFLEXをご採用いただきました。
最新IT技術の活用やシステムの最適化/最新化をすることでセキュリティを確保すると共に、新築されたパートナー様のデータセンターでの運用を前提に、利用者様及び管理者様が使いやすいシステム、少人数で運用できるシステムとなっております。
仮想環境上でサーバを動かし、今後の導入自治体増加を見越し、フレキシブルな対応を行える環境となっております。PKGのパッチ適用も各自治体一括で行え、管理者様の作業負荷軽減にも繋がります。
富士通はワイ・シー・シー様のシステム最適化だけでなく、経営パートナーとしてこれからもお手伝いさせていただきます。
富士通株式会社 東京支社 山梨支店 逸見 勇介
株式会社ワイ・シー・シー 様 概要
所在地 | 〒400-0035 山梨県甲府市飯田三丁目1番2号 |
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代表者 | 代表取締役社長 長坂正彦 |
設立 | 1966(昭和41)年5月 |
社員数 | 172名(2019年9月現在) |
事業内容 | 創業以来、半世紀以上にわたって自治体、公共団体、病院、介護事業者など、社会の基盤を支えている公的分野において、基幹業務システムの開発や導入サポートなどを行っている。 |
ホームページ | https://www.ycc.co.jp/ |
[2019年9月掲載]
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