協業事例インタビュー

顧客のLTVを上げるためにチャットボットと連携。
ポイントは大企業らしからぬ「スピード感」

富士通アクセラレーター第9期に採択された株式会社wevnal(以下「wevnal」)。同社の事業内容は、マーケティングを支援するチャットボット「BOTCHAN(ボッチャン)」の開発・運営。オンライン接客によるマーケティングにおける各ファネルでの転換率最大化を図ります。

wevnalとタッグを組むのは富士通コミュニケーションサービス(以下、CSL)。顧客のLTV最大化を目指し様々なスタートアップとの連携を模索する中で、BOTCHANとの連携による顧客体験価値向上に期待をかけます。

両社の連携内容と富士通アクセラレーターに参加した理由や感想について、wevnalの西田氏・森川氏に話を聞きました。

チャットUIでエンドユーザーとコミュニケーションを

——wevnalの運営するサービス「BOTCHAN」について教えて下さい。

wevnal 西田氏(以下、西田)

「BOTCHAN」は、EFO(Entry Form Optimization、入力フォーム最適化)に特化したチャットボットです。どんな会社のWebサイトでも使うことができますが、BOTCHANはチャットボットには珍しい決済機能があるため、最近はEC・D2C企業にもご利用いただいています。また、AIを用いた自然言語処理で複雑な検索ができるのも特徴です。この他、解約防止、離脱防止といったさまざまな機能をどんどん追加しています。

wevnalのオンライン接客チャットボット「BOTCHAN」

西田

wevnalは元々、GMOで営業を担当していた3人が独立して10年ほど前に設立した広告代理店です。当初はお客さまのサイトの集客を中心としていたのですが、お客さまとの会話の中で、サイトに集客した後のナーチャリング等にも課題を抱えていることが分かり、BOTCHANの開発を始めました。集客したエンドユーザーがサイトに興味をもつように、ボットでコミュニケーションしていく、というわけです。

wevnal 森川氏(以下、森川)

見積りフォームや会員登録フォーム、お問い合わせフォーム等の一般的なエントリーフォームの離脱率は約68%と、非常に高い数値となっています。エントリーフォームからチャットUIに変えることで、入力の煩わしさを省き、コンバージョン率の改善に繋げることが期待できます。

2021年8月現在、BOTCHANは約270社に導入していただいておりますが、コンバージョンは平均で約130~140%改善されていて、マイナスになることはほとんどありません。これをお伝えすることでさらに多くのお客さまが使ってくれる、という好循環になっています。

西田

色々なお客様にBOTCHANを導入して分かったことは、チャットUIの導入は単にUIの変更というよりも、申し込みフォームという無味乾燥なものをコミュニケーションの場に変えるという、UXの変更だということです。チャットでコミュニケーションをとることにより、オンライン接客を実現し、よりよい顧客体験を作り上げるのです。

株式会社wevnalの西田氏(左)と森川氏(右)

森川

既存のフォームとチャットボットの違いとして「見た目」「入力補助」「設問の効果測定」という3つが挙げられます。

まず「見た目」について、既存のエントリーフォームでは、氏名やメールアドレス等たくさんの項目を一気に入力しないといけないので、入力に対しての圧があります。しかし、チャットボットは一問一答形式で会話をするように入力をしていく。会話が終わったら入力も終わりということで、入力に対してのユーザーの印象がかなり異なります。

次に「入力補助」について。氏名やメールアドレスを入力する際に「もしかしてこれじゃないですか?」といった形で入力の提案をし、それがあたっていればワンタップで入力が済みます。

最後に「設問の効果測定」についてですが、チャットボットは一問一答形式で入力するので、どの設問項目で離脱率が何パーセントなのかを把握することができます。これによりエントリーを改善して、コンバージョンアップに手をかけることができます。

西田

例えば、チャットを立ち上げた瞬間に「お名前を教えて下さい」と聞かれたら「突然個人情報を聞いてくるなよ」と、ユーザーが身構えてしまうケースが多いんです。そこで「お悩みはなんですか?」と先に要件を聞く、といった具合で、導入企業ごとに最適なチャットボットとなるように調整しています。

——他のチャットボットサービスとBOTCHANの違いを教えて下さい。

森川

まず、チャットボットでクレジット決済できるボットは、日本では4社ほどしか扱っておらず、そのうちの1社がwevnalです。また、ボットというとFAQや問い合わせに使われるケースが多いと思いますが、それに対してBOTCHANはマーケティングチャットボットというポジションなのが、差別化要因です。

富士通CSLのスピード感はスタートアップだった

——wevnalが富士通アクセラレーターに申し込んだきっかけを教えて下さい。

西田

wevnalを展開するにあたって、アクセラレータープログラムと連携したいと思って調べていた時に、富士通アクセラレーターの存在を知りました。たまたま富士通アクセラレーターを運営している方と共通の知り合いがいたので、その方を紹介してもらい、事業を紹介したところ、うまくハマりそうな事業部もあると応募を奨められました。無事審査も通過して、紹介されたのがCSLの於久さんです。

CSL 於久(以下、於久)

CSLはヘルプデスクやコンタクトセンターといった顧客接点に関わるサービスを提供している会社ですが、当然ながら顧客企業はヘルプデスクなどだけに困っているわけではありません。なので、本来はカスタマージャーニーの始めから終わりまでをフォローする必要がありますが、CSLだけで対応するのは難しい。それでCSLは色々なスタートアップと連携することで、顧客企業のカスタマージャーニー全体の課題を解決しようとしているんです。

2人が説明して下さったように、BOTCHANはカスタマージャーニー中のマーケティングの部分で困っている顧客企業をフォローすることができるもの。チャットボット自体は珍しいソリューションではありませんが、決済できるチャットボットは希少ですし、すでに結果を出している点でもwevnalは魅力的でした。CSLが顧客のLTVを上げていくにあたって、BOTCHANとは親和性が高いとアクセラレーターでwevnalのピッチを見てピンときたんです。

富士通コミュニケーションサービス株式会社(CSL)於久氏

於久

連携にあたって、早速顧客企業の課題を解決することにしました。ちょうど、あるBtoB企業の課題が、BOTCHANで解決できそうだったんです。そこで、CSLとwevnalでタッグを組んで、顧客企業のサイトにBOTCHANを導入しました。

森川

その会社は元々一般的なエントリーフォームを使っていたのですが、申し込まれた情報をすべて同じものとして取り扱っていました。しかし、調べてみると、情報収集段階の問い合わせから受注確度の高い問い合わせまで、様々なものがあったんです。

そこで、BOTCHANを導入していただき、コミュニケーションの過程で受注確度を測定して、どの顧客から対応するべきかを自動判定できるようにしました。インサイドセールスをボット化したようなイメージです。

西田

「BtoCやD2Cに導入しているよ」と言っているのに、いきなりBtoBの、それもかなり大きな規模の顧客企業を紹介されたので、これには僕たちも最初びっくりしました(笑)。

森川

CSLとは2週間に1回と、かなりの高頻度でミーティングを重ねています。もちろん、ただ議論するだけでなく、ネクストアクションを決めて次の会議までに取り組んだり、議論の全体像をまとめてもらったりしてから顧客企業に共同提案したり……。ここまでしてもらうこともなかなか無いので、アクセラレータープログラムに参加して良かったなと感じています。

於久

その結果、顧客企業にちゃんと提案できたのでCSLとしても本当に良かったです。今後は、富士通が全体像を描いて、その手法としてチャットボットが適しているようならBOTCHANと連携していく、というケースを増やしていきたいですね。

森川

LTVを伸ばすという目的は、wevnalもCSLも同じなんです。ただ、結局チャットボットが扱っているコミュニケーションという領域は、どこかで人のコミュニケーションが必要になってくる。その部分のCSLはノウハウや知見をもっているので、両者の相性はいいと思っています。

取材現場では終始笑顔が絶えず、3名の日頃からの関係の深さが伺えました。

——富士通アクセラレーターに参加した感想を教えて下さい。

森川

CSLとは2週間に1回定例ミーティングを設けて、次までに何をするかを決めて、また2週間後に集まる、というスプリントを繰り返していました。「富士通」という大企業ですが、スピードはスタートアップのそれでした。大企業なので当然他の仕事もあるでしょうし、アウトプットが遅れることだってあると思うんです。ただ、今回はそれが一切無かった。スピード感とコミットメント力、アレンジメント力が抜群に高かったと感じています。後で話を聞いたら、於久さんは特にスピードが早いそうです(笑)。

於久

決めるのは私なので、早く決断しようとはしています。でも、そう言われると嬉しいですね(笑)。

西田

本当に感謝しかなくて、反省点みたいなものがパッと思いつかないですね(笑)。むしろこのまま関係を継続していきたいですし、それがポイントになると思います。

於久

まだ数件取り組んだだけなので、共同の商談は今後もどんどん増やしていきたいですよね。実を言うと、富士通はまだ「LTVを上げましょう」という営業に慣れていないんです。だからこそ、LTVの概念を持つスタートアップと一緒に営業できるというのは、富士通の武器になり得ます。

また、CSLでは顧客企業向けにホワイトペーパーを定期的に作っているんですが、その次の特集がチャットボットで、これはwevnalに全面参加してもらいました。これから我々もwevnalを担いでいきたいと思います(笑)。

西田

ぜひぜひよろしくお願いします(笑)。

(執筆:pilot boat 納富 隼平)

株式会社wevnal

CVR最大化に特化した会話型チャットボットサービス「BOTCHAN」や、SNS広告に特化したマーケティングサービスを通して、デジタルマーケティングを推進する企業の成長を支援する。

取締役COO 西田 貴彦 氏

有限責任監査法人トーマツにて国内監査業務、株式会社エス・エム・エスにて経営企画や国内子会社の管理部立上げ等、その後ベンチャー2社にてベンチャーの酸いも甘いを経験。
2019年12月に株式会社wevnal ジョインし、9ヶ月後には共同創業者の3名以外で初となる4人目の管理統括の取締役に。監査法人や事業会社の経営企画などを務めた前職までの経験を生かして、2021年4月からはビジネス領域にて、セールスやマーケティング、カスタマーサクセス、などを含めた総勢約40人のメンバーを統括する取締役COOに。

DX事業部マネージャー 事業推進室兼AI戦略室統括 森川 智貴 氏

2018年8月にwevnalにジョインし、マーケティング特化型チャットボットサービス「BOTCHAN」のサービスの設計・人材採用・アライアンス提携・新規事業開発を担当しております。
日本最大級AI論文メディア「AI-SCHOLAR」企画・立ち上げ、編集長に。

<協業担当者>
富士通コミュニケーションサービス株式会社

営業本部長 於久 佳史 氏

富士通(株)入社後、国内製造業のアカウント営業及びSCM/ERPの拡販に従事。
中国における広報・プロモーション、マーケティング部門にてロイヤルティ向上施策を企画立案し実践。
現在は、デジタル技術を活用しCX/EXを向上させ、ロイヤルティを高めるサービスの企画/マーケティング/営業活動を実践中。

富士通との共創活動にご興味がある方へ

富士通株式会社

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URL:https://www.fujitsu.com
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株式会社wevnal

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目11−8 渋谷パークプラザ 5F
URL:https://wevnal.co.jp/
Tel:03-5766-8877

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