多様性のある組織でさまざまな選択肢に出会うことができる
多様性のある組織でさまざまな選択肢に出会うことができる
掲載日 2023年12月8日
吉川 嘉修(よしかわ ひろまさ)
2006年 新卒入社
システムインテグレーションにおけるUX/UIデザインや、クライアントとともに新たなサービスを生み出す共創型サービスデザインなどを経験したのち、近年ではアジャイル開発や価値探索プロジェクトのコンセプトリーダーなど、デザインセンターにおいても新機軸となるプロジェクトに活躍の場を広げている。
掲載日 2023年12月8日
2006年 新卒入社
システムインテグレーションにおけるUX/UIデザインや、クライアントとともに新たなサービスを生み出す共創型サービスデザインなどを経験したのち、近年ではアジャイル開発や価値探索プロジェクトのコンセプトリーダーなど、デザインセンターにおいても新機軸となるプロジェクトに活躍の場を広げている。
身のまわりのモノを人間の特性に合わせてデザインすることで、直感的に使えミスの少ない操作を可能にする「人間工学」を勉強しました。
幼いころから家電製品の操作性やデザインに興味があって、「こうすればもっと使いやすいのに」などと考えるのが好きだったのです。「デザイン」と「情報工学」の両方を学べる学部だったので、プログラミングなどの情報系も学べました。
いち早く「ユニバーサルデザイン」を提唱、推進している企業だったということですね。
当時から富士通は、誰もが参加できるIT社会の実現を積極的に推進していて、その考えに惹かれ、まずはインターンシップを経験し、入社に至りました。
インターンシップを経験したことで、会社や職場に大きなギャップを感じることはあまりありませんでした。
ただ、世代も専門性も異なる人たちと働いた体験はなかったので、慣れるまで苦労しました。最初の1年間はさまざまな場面で「社会人ってこうなのか」と新鮮な驚きを感じていました。
自社製品のユーザビリティ評価やクライアント向けプロジェクトのUX/UIデザインでした。
大学時代に学んだことの延長線上にあるような仕事でしたが、専門性の異なる他部署の方々と連携しながらプロジェクトを進める経験がほとんどなかったので、うまく立ち回るのに苦労しました。とくにデザイナーではない人へ、自分の設計やデザインの意図を説明するのが難しかったです。
当時のトレーナーや先輩たちから、周囲とのコミュニケーションについても指導され、仕事というのは単純に知識やスキルだけでできるものじゃないと身をもって実感しました。
その後もさまざまな経験を重ねてきましたが、顧客企業の担当者やコンサルタントと一緒に業務分析や市場調査から取り組み、テーマを掘り下げながら将来性のある新しいサービスの芽を育てていく「共創プロジェクト」に携わって以降は、企画やコンセプト開発などを担当する機会も増えています。
それまでは目に見えるものや人が触るものを中心にデザインしていましたが、この経験は自分自身の視野を大きく広げるきっかけになりました。
印象深いのは、数年前に担当した東京証券取引所様の新規事業開発です。
デザイナーだけではなく、ディベロッパー、プロダクトマネージャーといったさまざまなメンバーがひとつのチームになって取り組む、いわゆる「アジャイル開発」のプロジェクトでした。
最初は戸惑うことも多かったのですが、デザイン以外の専門性を持ったメンバーとそれまでにない距離感で仕事を進めたことで、それぞれの役割や考え方に対する理解が深まりました。デザインに専門性を持つ自分が果たすべき役割について、しっかりとつかめるようになったこの経験は、自分のキャリアにとっても大切な転換点だったと思います。
社内向けアプリケーション開発チームのプロダクトマネージャー(PdM)を経て、現在は「価値探索プロジェクト」のコンセプトリードを担当しています。どちらもデザインセンターの自主企画プロジェクトです。
このプロジェクトは、解決したい課題や活動スコープがある程度明確になっている通常のプロジェクトとは異なり、テーマに関する課題発見、価値開発、そして価値検証までを自ら主体的に行うものです。不確実性の高いプロジェクトですが、さまざまなバックボーンを持つ仲間と、より少人数で取り組んでいるため、チームが成熟していることが実感できるという楽しさがさらに大きくなりました。
富士通の中でも、かなり多様性のある組織だと思います。
200名弱と、規模自体もそれなりに大きいこともありますが、一般的にイメージされるデザインから、事業企画やサービスデザインまでの「広義のデザイン」をトータルに担う組織という位置づけなので、一人ひとりの業務も非常に多彩です。働く側にとっても、さまざまな選択肢に出会うことができる職場といえるかもしれません。 さらにエンジニアやマーケティングなど、いわゆるデザイン以外の専門性を持つ方々の参加も進み、組織がもつ多様性もますます広がっています。
ここは「何かをつくりたい」という思いで入社した人が多いので、こだわりの強い人が多く、自分がやりたいことに関しては、妥協したくないと考えている人がほとんどです。仕事のほかにも、趣味のデザインや制作に取り組む人も数多くいて、自主的な取り組みを新しいプロジェクトとして提案し、実際にサービスを立ち上げるようなケースもどんどん増えています。私が入社した当時と比べると、一人ひとりが自分の適性や志向に合った業務を担当できるチャンスは広がっていると思います。
私自身、仕事で感じるやりがいや面白さが経験や年齢を重ねるごとに変わったり、どんどん多様化したりしていると感じています。
若いころは、自分のスキルや感性を生かし、心地のいいもの、満足できるものを形にすることが全てでした。そんな純粋な「ものづくりの喜び」は、今も変わらずにありますが、アジャイル開発を経験して以降は、チームとして大きな目的を達成したり、メンバーの成長を感じたりすることにやりがいや楽しさと感じることも増えてきました。
当時はあまり前例のないことだと思いますが、2016年に上司や職場の仲間に協力していただき、6か月間の育児休業を取得しました。
復帰後は育児休業を取りたいと考えている男性社員から直接相談を受ける機会が増えました。最近の富士通では、男性社員も当たり前のように育休を取るようになってきましたが、私の経験がそんな職場の変化の一助になっていればうれしいですね。
育休については周囲も協力的で、何よりも一人ひとりがそれぞれの役割を果たしている職場なので、「休むと自分の席を取られるのでは?」という不安を感じずにすむことも、男性社員の育休取得が増えている理由ではないかと思います。
デザインセンターには、デザインに関する知識やスキルだけでなく、ビジネス感覚や「主体的に仕事に向き合うためのコツ」などさまざまなことを学べる環境があります。
仕事以外で、趣味やボランティアなど、多様なコミュニティに所属しながら働いている人がいる職場なので、「社会人になってからも、職場以外の自分の居場所を大切にしたい」という人にとっても良い環境だと思います。