グローバル・サステナビリティ・トランスフォーメーション調査レポート 2023
今、気候変動、地政学的な緊張や金融市場の混乱などの外部要因が、私たちのビジネスに大きな影響を与えています。このような環境において、ビジネスリーダーはサステナビリティに関わる問題をどのように捉え、ビジネスの変革を推進しているのでしょうか。
2023年1月、富士通はオックスフォード・エコノミクスに委託し、9カ国1,800人の意思決定者を対象にサステナビリティ・トランスフォーメーションの最新の状況と、デジタル・トランスフォーメーションがサステナビリティの実現にどのように寄与しているかに関する調査を実施しました。
本調査では約7割の意思決定者が、経営におけるサステナビリティの優先順位が高まったと回答しています。一方で、先行しているデジタル・トランスフォーメーションと比較して、サステナビリティ・トランスフォーメーションはこれから本格化する段階であることが浮き彫りになりました。
本調査レポートでは、サステナビリティ・トランスフォーメーションの取り組みの実態や成功要因について分析を行い、企業が取るべきアクションについて提言しています。
ぜひ本レポートを一読いただき、皆様のサステナビリティ・トランスフォーメーションの推進や経営戦略の策定に役立てていただければ幸いです。
サステナビリティ・トランスフォーメーションを成功に導く4つの要因:推進力の鍵はデジタル
1. サステナビリティを志向したパーパスに基づく経営
サステナビリティとビジネス戦略を緊密に連携させていることが、変革の実践と成功に強く関係していると考えられます。
- サステナビリティ・リーダー企業の9割が、サステナビリティを志向した企業パーパスを定め、パーパスに基いたストーリーをつくり、様々なステークホルダーに一貫したメッセージ発信を行っています
- また、同じくリーダー企業の9割がパーパスに基づいて事業の改善や撤退・売却、新規事業開発を実行しています
インタビューコメント
2. 顧客・従業員の共感を醸成
サステナビリティ・リーダーは、サステナビリティの取り組みを通じて、顧客や従業員の共感を呼び、業績を向上させることに成功しています。
- リーダー企業の98%が、サステナビリティの取り組みが顧客の共感を呼び、その結果、82%が自社のブランドや商品への選好が高まったと回答しています
- リーダー企業の90%が、サステナビリティの取り組みが従業員の共感を引き起こし、その結果、88%が従業員のエンゲージメントや生産性向上を引き起こしたと回答しています
- さらに、リーダー企業の86%が従業員のダイバーシティやインクルージョンの促進、また、85%がサステナビリティ・トランスフォーメーションに必要なスキルを持った人材を確保しています
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3. サステナビリティをビジネスと一体化して推進
サステナビリティ・リーダーは、リーダー企業以外を大きく上回って、サステナビリティをビジネスと一体化し、事業戦略に統合しています。
- リーダー企業の71%が、サステナビリティ・トランスフォーメーションによって新しいビジネス機会を創出し、事業戦略に統合していると回答しています
- リーダー企業の80%が、サステナビリティに関する非財務KPIとビジネスパフォーマンスに関する財務KPIの関係性をデータで理解し、総合的なマネジメントを実施しています
- リーダー企業の78%が、サステナビリティのパフォーマンスと連動した組織・人材評価、報酬、制度とガバナンス体制を整備しています
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4. サステナビリティとデジタルのツイン・アプローチ
デジタル・トランスフォーメーションのスキルや手法はサステナビリティ・トランスフォーメーションの実行に不可欠であり、この両方を連携させるツイン・アプローチが非常に重要です。
- リーダー企業の74%が、デジタル・トランスフォーメーションがサステナビリティ・トランスフォーメーションの重要な鍵であると回答しています
- リーダー企業の76%が、データやデジタル技術を活用した自社製品・サービスの提供に取り組んでいます
- リーダー企業の74%が、イノベーティブな製品やサービスを生み出すためのプロセス変革を行っています