PHCホールディングス株式会社様

VPS導入における2つのかたち
~要望型と提案型、2種類の導入~

    コンカレントエンジニアリング、フロントローディングを進められる中で、課題解決のため現場からの要望に合わせてCOLMINA デジタル生産準備 VPS(以下 VPS)をツールとして導入した「要望型」、VPSの導入によるコンカレントエンジニアリングでの効果を提案しながら取り組みをされた「提案型」。
    これら“2種類のVPS導入”による経過と効果について具体的な活用事例をモノづくり推進管理部)モノづくり企画課 伊藤 泉 様よりご紹介いただきます。


モノづくり推進管理部
モノづくり企画課
伊藤泉 様

要望型のVPS導入(工場Aでの取り組み)
~VDR・VMRにより、設計部と各部門のコミュニケーションを強化~

    各部門では個別最適に取り組まれているものの、部門間のコミニュケーションは旧態依然の手法のままでした。そこでVPSによるVDR・VMRを導入し、設計へのフィードバックの効率化と製造へのスムーズな連携を目指しました。
    VDRでは試作前のデータを分析して、課題や気になる点を抽出します。現物の試作前に反映できるものは修正した上で、現物の試作にてDRを行うことで、品質を高められます。更に、それを多人数で行うことで試作に多くのアイデアや知識を集めて商品の完成度を向上することができます。
    VMRでは仮想空間で組立を何度も確認しながら、工程フローや治工具、設備などを前倒しで検討します。作業指図書においても、できるところから少しずつ前倒しして作成するという考えで仕組みを構築しました。

どの様にVPSを導入するか

    仕組みとしては、まず当部メンバーで構成したチームVPSにて、設計の情報から実際にVPSを活用してVDR・VMRを実施して作業指図書まで作成します。
そのデータを活用するためにVDR専門部とデータを共有できる環境を作りました。各部門の垣根をなくして情報を共有することで、知識やアイデアを試作前に収集しやすくしました。この仕組みを各試作ごとに実施して、要望や課題点を改善し、更に多方面から周知を集めて設計完成度の向上させることができました。

VDR・VMRの導入

    導入の効果としては、試作品質の向上、試作組立の工数削減、生産準備の前倒し、作業指図書の作成工数削減などを達成しています。

VPS導入効果

提案型のVPS導入(工場Bでの取り組み)
~コンカレントエンジニアリングにより、設計者の業務負荷を大幅低減~

    導入したところは設計部門で、導入のポイントはコンカレントエンジニアリングです。開発リードタイムに影響を与えている設計者の業務が集中する部分を改善するよう提案しました。
    課題背景として、国内設計・海外生産する商品において、試作から一部を製造部門が制作、試作時にBOMと簡易組立仕様書が必要の中、試作資料作成に負担がかかっている、BOMと組立仕様書の整合性が後回しになり、仕様変更が集中するという課題があがっていました。

提案の背景

    課題解決のため、VPS網羅検証の導入、新しいルールのリファレンスナンバーの導入、新フォームの組立仕様書導入の3本柱で取り組みを進めました。
    開発ステップごとに網羅検証(伊藤様が実演)を行って設計者とイメージ合わせを数回行い、試作前に製造部門へ3Dと組立仕様書のデータを渡し、製造で試作が行えるデータの一つとします。親子関係で紐づけしたリファレンスナンバーで部品のロケーションが分かり、BOMと仕様書、3Dデータの整合性を保ち、品番・品名が無くてもリファレンスナンバーがあれば、設計と製造での会話が成り立つという仕組みを構築し、課題解決を進めました。
    また、組立仕様書上でEXCELマクロにて3点照合を行うことで、PDMへのBOM登録も精度を向上させています。

VPSを新商品開発にて実演

    活動結果としては、試作前に網羅検証を実施して、組立仕様書の形で製造に渡し、試作で課題点を抽出してもらうことで、商品の完成度が向上しました。
更に、組立仕様書では、設計完了フェーズで組立仕様書発行を可能にしました。
    また、3点照合の仕組みの中でVPSを活用することで、仕様変更の発行件数を大きく改善する事ができました。

提案によるVPS導入まとめ

今後の展開

海外製造会社にて、オペレーターへのOJT教育を実施するなど、更なる運用改善を進めています。
    また、補修部品のパーツリスト作成にVPSを活用してPDMと連携して作成するという活動を進めています。VPSデータにて作成できるSCREEN様の自在空間パーツリストビルダーを活用してWeb上での配信を検討しています。

今後の展開

PHCホールディングス株式会社(PHC Holdings Corporation)(2021年9月末現在)

所在地東京都港区西新橋2丁目38番5号
代表者代表取締役社長 | 最高経営責任者(CEO) ジョン・マロッタ
設立2014年3月31日  パナソニック ヘルスケアホールディングスとして設立
事業内容各種ヘルスケア機器・サービスの開発・製造・販売
資本金364億円(2021年3月期)
従業員数連結、9,753人(2021年3月31日現在)

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