株式会社ニデック 様

全社標準ツールVPSの生産準備業務での適用深化

    株式会社ニデック様は、目に関する病気の治療や検査、診断に必要な機器を 開発・製造する「医療分野」、快適で高品質なメガネづくりの支えとなる機器を開発・製造する「眼鏡機器分野」、メガネレンズのコーティングや液晶画面の反射防止膜、 光学部品にコーティングをおこなう「コーティング分野」の3つの事業に取り組まれ、眼科医療の発展に貢献されています。 同社では、2012年に開発部門にてCOLMINA デジタル生産準備 VPS(以下 VPS)Standard を導入して以降、活用の幅を広げていき、生産技術領域でも全社標準ツールとして使っていただいています。 VPS Standardを利用してバーチャルデザインレビューや組立手順書などの帳票を作成しています。2017年にはVPS GP4も導入し、工程検討を詳細化して動線改善や人と機械の協調ラインの検討を行っています。
    本事例では具体的な取組事例として①VPS Standardを全社標準ツールに根付かせる取り組み、②VPS Standardの活用事例、③VPS GP4を利用した工程設計について、株式会社ニデック    生産技術二課    副主席技師    杉村    正広様よりご紹介いただきます。


杉村    正広    様
生産技術二課    副主席技師

VPS Standardを根付かせる取り組み

    3DITツールは導入をすればすぐに誰でも使えるというものではありません。運用ルールの策定や操作の習得が必要になります。導入当初は専任者を設けてVPSオペレーションを集中利用していましたが、部内方針が変わり、生産技術部のメンバー全員がVPSを利用できる環境にする取り組みをはじめました。
    まず運用ルールとしてVPSを使わないと業務が回らない状況を作りました。操作習得に関してはテキストとテストを作成し、1グループ(4名ほど)の単位で30名程に教育しました。教育には1ヶ月の期間を設け、座学で説明したあと、月末にテストを実施します。テストでは主体的にVPSを使ってもらいたいという観点から、自作のカンペに限り持ち込み可として対応しました。少し間が空いて操作を忘れた時も、自作のカンペを見て思い出してもらいたいという思いもありました。こういった地道な活動からVPSを全員が使える環境を作ることができました。

教育の様子や教材など

VPS Standardの活用範囲

    VPS Standardを利用して、組立検証、工数算出、帳票作成に取り組んでいます。組立検証の際にはVPSの機能を使って効率よく進めています。組立構成編集モードを利用することで直感的な操作で組立順序を作成し、一括生成機能を利用してアニメーションと視点を作成しています。また、工具のデータを69種類用意しており、1,800種類もの工具設定ルールと組み合わせることで締結部品のほぼすべてに工具の情報を割り振ることができます。この工具付きアニメーションを利用してデザインレビューに取り組んでいます。3Dデータの完成度が高まってくると工数算出も実施します。作業ライブラリ機能と一斉挿入ルールを組み合わせて、60%程度の作業は自動で工数算出ができるようになっています。帳票はVPSから出力した情報をエクセルマクロに連携して作成しており、エクセル側では編集を行っていません。VPSの情報を正とすることで変更への対応などがスムーズになります。
    組立検証の効果として、直近の機種では部品点数約700点の製品で98件の指摘を行い、91%の採用率、部品点数約500点の製品で205件の指摘を行い、89%の採用率、となっています。早期から指摘できていることと、改善案が具体的に提示できるため採用率が高くなっています。手順書作成業務では以前より約50%の工数を削減しています。

VPS GP4による工程設計と動線改善

    Standardでは製品を中心に工程設計を行ってきましたが、工場のレイアウト検討などより詳細な工程設計を行うべく、VPS GP4を導入しました。
    利用初期段階では狭い作業室での動線検討にポイントを絞りシミュレーションをしました。2D図面でレイアウト決定間近でしたが、VPS GP4を利用することにより、15%程度の動線の改善や、隙間が狭くなる動線を無くすなどの効果が得られました。また、シミュレーションなので色々なアイデアをすぐに試して結果を確認することができました。
    続いての活用では、フロア全体の動線シミュレーションも実施し、新製品の生産エリアの確保と9%の動線改善を実施しました。このレイアウト検討では複数案を作成して検討会を行うなどしています。
    また、設備導入にあたっては、最適なレイアウトにするため山積み表を利用してマンマシン検討を行いました。動線検討から各作業と工程の細かいデータ作りを実施し、データ作成では苦労しましたがサポートセンターも活用して複数案を作り、決定まで至りました。

フロア全体の動線改善

今後の展開

    VPS Standardを業務に根付かせる活動は進んできましたが、さらなる適用範囲の拡大を模索しています。
    別ツールを利用して作成しているパーツリストをVPSだけで作成する運用に変えたり、Standardで作成した情報からGP4に連携させ、工程設計の効率化を図ったりしようと考えています。
    また、GP4に関してはまだまだ使用できるメンバーが少ないため、Standard同様に業務に根付かせたいと思っています。

株式会社ニデック (NIDEK CO., LTD.)(2020年3月末現在)

本社愛知県蒲郡市拾石町前浜34番地14
代表者代表取締役社長 小澤 素生
設立1971年7月7日(創業日同年8月8日)
事業内容眼科医向け医療装置、眼鏡店向け機器、コーティングの加工
資本金4億6,189万円(非上場)
従業員数1,628名    役員・顧問除く

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