マックスプル工業株式会社 様
ウインチで国内シェア約70%
トップ企業の製品開発と海外展開を「iCAD SX」が支える
ウインチ専門メーカーとして国内トップシェアを誇るマックスプル工業。同社は、設計作業の効率化を目的に、1994年に富士通九州システムズ(以下、FJQS)より「iCAD SX」を導入。以来、四半世紀に渡って活用されてきました。過去モデルの一部を流用して配置したり過去データを参照するなど、設計資産(図面)を活かすことが容易になり、設計作業自体もスピードアップ。小ロット多品種、スピード開発が求められる中で、開発効率を高めていくにも、今や「iCAD SX」は欠かせない存在になっているといいます。現在、海外展開を積極的に進めて、世界でもNo.1をめざして取り組む同社を支えています。
- 課題元々は、手書きで図面を描いていたが、小ロット多品種、スピード開発が求められる中で、設計・開発を効率化する手段を求めていた。
- 効果装置や生産設備の設計に特化した「iCAD SX」は、2次元3次元の両用設計のため、2次元CADとしても非常に高速な処理が実現している。
- 課題製品の特性から、過去モデルの一部流用や過去データを参照するケースが多いが、紙の図面では、必要なデータを探し出すのが大変である。
- 効果過去モデルやデータ参照も、全文検索エンジンで容易に参照できるようになり、設計の効率化に貢献している。
四半世紀に渡って「iCAD SX」を活用
ウインチは、回転するドラムでロープなどを巻き取ることで、物体の上げ・下ろし、運搬、引っ張り作業などに使用する機械で、マックスプル工業は、世界的にも珍しいウインチ専門メーカーとして44年の歴史を誇っています。
「当社は、手動・電動ウインチで国内シェア約70%をもち、5年前からは海外展開も積極的に進め、東南アジアを皮切りに、インド、欧州、北米に拠点を展開。現在、10カ国12拠点を展開しています」と営業部 海外営業課の村田 浩司氏は語ります。
マックスプル工業の強みは、お客様の現場にベストマッチしたワイヤロープの取り回しを提案できることです。安全性を高めるギアボックスなどのボディデザイン、ブレーキシステム、高い耐久力と信頼性など品質の高さを評価され、先進諸国の大手企業における採用も急増しているといいます。
その同社では、1994年9月に「iCAD SX」を導入。以後、四半世紀に渡って「iCAD SX」を活用し、トップシェアを誇るウインチ製品の開発にフルに活用してきました。社長をはじめ、かつて設計は手書きで図面を描いていましたが、作業を効率化し、開発をスピードアップするための手段としてCADの導入を決定しました。
導入当時を振り返り、製造部 設計課の米澤 俊秀係長は次のように語ります。「比較した海外のCAD製品は、日本語対応が遅れており、ユーザーインタフェース、マニュアルなど、ほとんどが英語でした。それでは操作に慣れるまでに時間がかかり生産性が落ちます。一方、iCADは日本製のソフトで、iCADを作っている人自身が担当してくれたことで、すぐに馴染むことができました。実際、操作もわかりやすかったですね」
ウインチは、汎用製品をそのまま導入するだけでなく、お客様の要望に合わせたカスタマイズ製品が少なくありません。同社では、カスタマイズ製品を導入するお客様に向けて、設計者が取扱説明書を作成しています。その作業では、富士通のワープロソフト「OASYS」を使用していました。
「当時は、マシンパワーなどの問題もあり、『iCAD SX』はUNIX OS(EWS)上で動作するCADでした。そのEWS上に「OASYS」を載せられることもメリットでした。加えて、頻繁に行う一連の操作を自動実行できるようにするマクロ機能も使いやすかったですね」(米澤係長)
過去モデルやデータ参照が容易になり、設計が大きく効率化
「iCAD SX」の導入により、マックスプル工業における設計作業は大きく効率化したといいます。
ウインチは、10年、20年単位といった長期スパンで使用されるお客様が少なくないといいます。同社にはかなり古い時代の製品の問い合わせをはじめ、改良、機能追加などの要望も寄せられます。
「そこで過去モデルの一部を流用して配置したり、過去データを参照するなど、設計資産(図面)を活かすことが不可欠なため、当社では『iCAD SX』を2次元主体で利用しています。私が前職で使用していたCAD製品は、過去データを参照する際に、面倒な作業が必要で、かなり深い階層にまで入る必要がありました。それが『iCAD SX』では非常に簡単に行うことができるため、設計作業がかなり効率化しています」と製造部 設計課の平形 聡氏は語ります。
また、製造部 設計課の武松 喜重氏も、次のように評価します。「以前使用したことのある有名なCAD製品は、さまざまな設計に対応した汎用的な製品でした。しかし、当社のような製品には、装置や生産設備の設計に特化した『iCAD SX』を使う方が設計が遥かに容易で、圧倒的に高速処理できます。また、過去データの参照も、全文検索エンジンによって、全てのテキスト情報を対象にした高速検索ができます」
「最近は高速な3次元CADとしての認知が高くなっている『iCAD SX』ですが、2次元3次元両用設計となっており、2次元CADとしても非常に高速処理ができるようになっています。マックスプル工業様では、2次元CADとしての『iCAD SX』の機能を十分に活用いただいております」(FJQS:杉山 尚昭)
小ロット多品種、そしてスピード開発が求められる中で、開発効率を高めていくにも、今や「iCAD SX」は欠かせない存在になっているといいます。
製品開発に解析を取り入れ、高品質なモノづくりを効率化
現在、同社では、CADシステムと富士通の生産管理ソリューション「GLOVIA smart 製造 PRONES」との連携など、設計の効率化だけに留まらず、設計、製造、生産に至る効率的なシステムの実現に向けた取り組みを進めています。
今後については、製品開発に解析を取り入れていくことを検討しています。新製品作りでも、いきなり設計に取りかかるのではなく、まず、シミュレーションをして製品性能を予測しターゲットを設定してから設計に入ることで、これまで以上に高品質で低コストな製品づくりに貢献できるといいます。
「予め構造を解析し、強度計算を実施してから行うことで、より確実な強度を達成できるモノづくりが効率的に行えるようになります。同時に、お客様に対する説明責任も果たせるようになると考えています」(米澤係長)
「当社は、日本のみならず、世界でもNo.1をめざして取り組んでいきます。それだけに、グローバルでの競争に向けて、FJQSの支援を期待しています」(村田氏)
「今後、デジタル分野に積極的にチャレンジされる予定のお客様であり、世界一をめざしてチャレンジを続けるマックスプル工業様の取り組みに、これからもしっかりサポートしていきたいと思います」(FJQS:吉池 洋)
マックスプル工業株式会社 様
事業内容 | マックスプルウインチの製造・販売、各種の手動・電動巻上機の設計・製作・販売、産業用諸機械の設計・製作・販売 |
---|---|
設立 | 1976年1月31日 |
所在地 | 本社:千葉県流山市西深井中谷1296-22 流山工業団地 |
代表者 | 代表取締役社長 小野幸一 |
資本金 | 1,300万円 |
ホームページ | http://www.maxpull.co.jp/ |
概要 | 「ライバルは引力です。」をキャッチコピーとする世界的にも珍しいウインチ専門メーカー。国内トップシェアを誇り、吊り上げる、引っ張るのスペシャリストとして、培ってきたノウハウと技術を活かし、グローバルに活動拠点を広げている。 |
[ 2019年3月22日掲載 ]
本製品に関するお問い合わせ
Webでのお問い合わせ
-
入力フォーム
当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。
お電話でのお問い合わせ
-
富士通コンタクトライン(総合窓口)
0120-933-200(通話無料)受付時間:平日9時~12時および13時~17時30分 (土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
本事例中に記載の肩書きや数値、 固有名詞、またダウンロード資料等は取材当時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。