アダプティブラーニングの推進により子どもたちの学習意欲が向上
タブレットと「ペンまーる」の利用でドリルの採点時間を軽減
杉並区教育委員会 様、杉並区立桃井第三小学校 様、杉並区立高井戸東小学校 様
導入事例
杉並区教育委員会では、2017年より小中一貫タブレット活用研究校(小学校12校、中学校6校)を指定し、 PC教室に加えて、小学5、6年生が1人1台のタブレットを活用しています。さらに2018年に区内全小中学校 (小学校47校、中学校24校)の全教室と体育館に無線LANを設置しました。同年よりアダプティブラーニング検証校 (小学校6校)を指定し、自動採点型手書き電子ドリル「ペンまーる」を導入することで、子どもたち1人ひとりのペースに合わせた 学習と教員の作業負荷軽減に取り組んでいます。
[ 2019年7月掲載 ]
業種: | 文教 |
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製品・ソリューション: |
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1 | Society 5.0 の時代に向けてアダプティブラーニングに取り組みたい | → |
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2 | ICTツールの活用で多忙な教員の働き方改革を進めていきたい |
導入の背景
Society 5.0の時代に向けてアダプティブラーニングを検証
倉澤 昭
氏
杉並区教育委員会事務局
庶務課 学校ICT推進担当
グローバル化の進展やAI(人工知能)などの技術革新により、働き方や社会の仕組みが大きく変化していく中、電子黒板機能付きプロジェクターやデジタル教材などを活用したICT教育を進めてきた杉並区。2014年より、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、小学5、6年生に対して1人1台の学習用タブレットの配備を進めています。
杉並区教育委員会事務局 庶務課 学校ICT推進担当 倉澤昭氏は「AIやIoT、ビッグデータが当たり前になるSociety 5.0の到来に向けて、子どもたち1人ひとりの関心・理解度・性格に合わせたアダプティブラーニングが求められています。その課題に対して、自動採点型手書き電子ドリル『ペンまーる』を用いたアダプティブラーニング検証校を設置しました」と語ります。
導入のポイント
杉並区独自教材の自動採点や手書きでの解答ができることを評価
ICT環境の整備を積極的に推し進めた背景には、多忙を極める学校の先生方の採点作業の負荷を軽減し、働き方改革につなげたいという狙いもありました。倉澤氏は「杉並区には、各授業の理解度を測る“杉並算数ドリル”という独自の教材があり、算数の授業の最後にドリルによる小テストを実施しています。教員が給食中もワークやドリルの採点をしている多忙な状況を解消するためにペンまーるを採用しました」と導入目的を話します。他社の自動採点型電子ドリルでは実現が難しかった“杉並ドリル”を教材として取り込める点は、採用を決める大きなポイントになったそうです。
「選択肢ではなく、タブレットに直接ペン入力できる点、分数・記号・単位も自動採点できる点も評価しました。児童が紙のテストと同じように実際に手を使って書き込む作業はとても大切なことですし、国語などの記述式問題にも対応できるため、幅広い活用を視野に入れています」(倉澤氏)
導入の効果
児童の学習意欲が向上
教師の採点・印刷作業は軽減
アダプティブラーニング検証校の桃井第三小学校と高井戸東小学校では、2018年9月に「ペンまーる」を導入しました。桃井第三小学校の末永弘校長は「ドリルの採点の自動化は、子どもたちに問題を解く楽しさを与えることにつながりました。ドリル実施から採点までのタイムラグがないので、間違えた問題をすぐに解き直せるようになり、基礎学力の向上に寄与しています」と、導入効果を語ります。
「ドリルがデジタル化されたので、印刷や採点にかかる時間が実質的にゼロになったと感じています。デジタル化によって生まれた時間は、解答できずにつまずいている子どもたちのフォローに充てられるようになりました」と話すのは、桃井第三小学校でICT導入を担当する大山努主任教諭。クラス単位でドリルの正誤を一覧表示されるようになったことで1人ひとりの習熟度や理解度をリアルタイムに把握できる点も、授業スタイルが変わった要因になっています。
また、高井戸東小学校の管祐介教諭は「子どもたち1人ひとりのペースにあわせてドリルを進められるので、アダプティブラーニングをするうえで最適なツールだと思います。既に中学校の数学の問題に挑戦する子どももいますよ」と語ります。
実際にタブレットと「ペンまーる」を活用してドリルを実施している子どもたちからは「すぐに正解か不正解かがわかるから楽しい」「漢字の“筆順”や“はね”まで正確に採点してくれる」「一度間違えてもやり直せばマルがつくので嬉しい」といった声があがっています。
末永 弘
氏
杉並区立桃井第三小学校
校長
大山 努
氏
杉並区立桃井第三小学校
主任教諭
管 祐介
氏
杉並区立高井戸東小学校
教諭
今後の展望
ICT環境を活用することでアダプティブラーニングを進めていく
安田 富士成
氏
杉並区立桃井第三小学校
主任教諭
タブレットと「ペンまーる」の活用で、子どもたちの主体的な学習とともに教員の働き方改革も推進している杉並区。今後の「ペンまーる」の活用法として「積み重ね学習が重要な算数では、間違えたときに関連する単元に戻って復習できる機能があると嬉しいですね。現在、富士通と推進中ですが、この機能が実現したら、子どもたちの主体的な学びがさらに促進されるでしょう」と、桃井第三小学校の安田富士成主任教諭は期待を寄せています。
未来を生きる子どもたちに向けて、倉澤氏は「まずは基礎基本をしっかりと身につけてほしいです。なぜなら、基礎基本を軸にすることで自分のよさが発見できますし、個性の発揮にもつながっていくからです。そのためにも、今後もICT環境を活用したアダプティブラーニングに取り組んでいきたいと考えています」とICT教育への想いを話しています。
[ 2019年2月取材 ]
写真左から、倉澤 昭 氏、白井 誠之 氏、安田 富士成 氏、末永 弘 校長、大山 努 氏
概要 | テクノロジーの発展で変化し続ける世の中に対して、早くからICTを活用した授業に取り組む杉並区教育委員会。電子黒板や学習用タブレットをはじめ、ICTの持つ特長を授業に有効活用することで、子どもたちの学びの可能性を広げています。 |
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