働き方改革のユニークな事例を紹介。中小企業におけるメリットとは?
work style reform columnユニークな取り組みで働き方改革を実現する

働き方改革の取り組みを実施するなかで、生産性向上や有給取得率向上を達成する企業がある一方、「想定していたほどの成果が上がっていない」などの悩みを抱えるケースも見受けられます。働き方改革に適切に対応するためには、職場改善に成功した企業を参考にして自社に応用できる施策があるか模索する方法が有効です。今回は中小企業の取り組みのなかでもユニークな事例3つをピックアップして紹介します。
企業がユニークな働き方改革をするメリット
ユニークな働き方改革とは、「独自性」と「個々の職場環境に適した施策」という2つの意味に大きく分けられます。前者の場合、斬新な方法で職場の課題を解決しSNSやプレスリリースなどで発信することで、企業の前向きな情報として周知させることが可能です。
また、後者は従業員数や企業文化、業種、従業員の性格などに適した施策を行うために、細かな自社の状況まで把握することが求められます。どちらもユニークな働き方改革が成功することで、労働生産性の向上や人材の定着、企業イメージアップといったメリットが得られます。
中小企業のユニークな働き方改革事例3選
働き方改革を推進する厚生労働省や公的機関では、「時間外労働の上限規制」や「年5日の有給休暇取得」、「テレワークの導入」といった働き方改革につながる企業の取り組み事例を紹介しています。今回は生産性の向上、有給休暇取得促進、コミュニケーションの活発化に成功した3社の事例を紹介します。
3日間の連続休暇で有給取得率が向上
事業内容 | ソフトウェア開発 |
---|---|
従業員数 | 220名 |
本社所在地 | 福井県 |
取り組み内容
本企業は2012年の東日本大震災を機にテレワーク制度を構築するなど、働き方改革に先だって職場の環境改善に取り組んでいました。そのなかでもユニークな制度が、有給休暇取得を促進する「ひといき休暇制度」です。同制度は3日間連続で有給休暇を取得しやすくする制度で、土日・祝日やゴールデンウィークなどの休日と合わせて使うことで長期連休をつくり、心身のリフレッシュを促しています。同時に、働き方改革関連法の1つ「年5日以上の有給休暇取得の義務化」に対応できる点もメリットです。
取り組み効果
ひといき休暇制度は家族旅行に利用されるほか、福井県の本社では田植えや稲刈りなど農繁期に活用されることも多く、結果として有給取得率の向上のみならず、育休の取得率、復職率100%という実績にもつながっています。有給取得率が部署により50~80%と、ばらつきがある点が課題として挙げられ、今後は社員一人ひとりのライフスタイルに合わせた制度の導入を検討しています。
インセンティブの明確化で増収増益を達成
事業内容 | ビルメンテナンス |
---|---|
従業員数 | 34名 |
本社所在地 | 静岡県 |
取り組み内容
本企業では積極的に人事評価や表彰制度を策定し、ソフト面から労働生産性の向上を図っています。例えば、同社のインセンティブ制度では設備の保守点検の際に修繕提案も行った場合、獲得した新規案件の利益の1%を社員に還元。作業フローや環境を社員が改善して報告すればプリペイドカードを配布するなど、インセンティブを明確化しています。
また、社員研修では「上質なサービスを提供するためには一流を知らなければならない」というテーマのもと、一流ホテルへの宿泊や一流の飲食店での食事を実施しています。
取り組み効果
「実益」に着目して営業や職場改善を行ったことにより、営業ノルマを課すことなく増収増益を実現しました。社員研修も含めた働き方改革の結果、会社の利益確保と労働時間の削減を両立しており、2013年には51%だった有給休暇取得率が、2015年には100%を達成しています。
ニックネーム制で社員間のコミュニケーションを促進
事業内容 | 卸・小売 |
---|---|
従業員数 | 55名 |
本社所在地 | 大阪府 |
取り組み内容
本企業ではIT化とともに上下関係がないフラットな組織をつくることを目的として、役員を含めた全従業員があだ名で呼び合う「ニックネーム制」を採用しました。さらに従業員同士が評価しあい、投票数上位6人に対して賞金を贈るなど、アメリカで働いた社長の経験を活かしたユニークな制度を複数導入しています。
取り組み効果
受発注・在庫管理、自動発注管理などを備えたシステムの導入により、一部の作業工程では44%の作業時間削減に成功するなど大きな成果をあげました。また、朝礼や会議はもちろん、普段のコミュニケーションを「ニックネーム制」によって活発化することで従業員の連携強化につながり、業務効率向上を実現しています。
自社に適した独自性のある施策で働き方改革を実現
「ひといき休暇制度」や「ニックネーム制」など、日本各地のユニークな働き方改革の取り組みを紹介しました。今回紹介した取り組み以外にも、企業においてはテレワーク環境の整備や労務管理の対応など、取り組まなければならない働き方改革は数多くあります。
企業ごとに異なる職場の課題と環境を徹底的に把握して、それに対するアプローチを考案することで労働生産性の向上や人材の定着につなげましょう。
FUJITSU Software TIME CREATOR
IDリンク・マネージャー SaaS
労使ともに課題となっている長時間残業・サービス残業をシステム的に対策することで、より良い労働環境を実現。不必要な残業を抑止することは、「コストダウン」だけではなく、コンプライアンスの徹底、ワークライフバランスの最適化など、企業のあり方を変えるきっかけをつくります。
お問い合わせ
- お問い合わせフォーム
webでのお問い合わせ
当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。
-
お問い合わせ窓口(総合窓口)
0120-860-242(通話無料)受付時間:9時~12時、13時~17時(土曜・日曜・祝日、年末年始、当社指定休日を除く)