大成建設株式会社 様

「デジタルならここまでできる」
続ける提案で生産現場の変革に手応え

建設現場や業界の課題解決に向けて、「デジタル技術」をいち早く活用してきた大成建設。
最先端技術の発展が目覚ましい現代においてDXの推進を使命と捉える同社は、社内外と協働し“人のためDX”を目指し、実現に向けたビジョンを明確に持ち推進している。そんな中、富士通から即戦力として、北島 浩行が加入。全社DX活動にドライブをかける「作業所ダッシュボード」の企画・立案、プロジェクトをリードし実現しました。

富士通で得たもの

2004年にSE職として入社

  • 建設業向けアカウントSEとして、テンプレート開発型基幹システム構築、パッケージ導入などのプロジェクトに参画し、建設業業種・業務スキルを獲得。経験を活かしスマートな本稼働を遂行
  • 2020年に大成建設全社DXプロジェクト参画。DX戦略の立案サポート、データプラットフォーム基盤などの立ち上げに従事

大成建設で発揮したもの

2021年7月~現職

  • 全社DX施策の取りまとめおよびアドバイザーとして活動
  • 建設作業所向け支援システム「作業所ダッシュボード」の企画・開発・運営
  • 提案型の企画・開発で、アジャイルプロジェクトとして取り組みを進め、開始から約15か月で社内全作業所に展開。詳細を大成建設・富士通の連名でリリース

DX人材としての成果

  • 紙資料、Excelドキュメントの使用が恒常化していた既存作業所業務に対して、デジタル化・データ化による利便性や効率性を体感してもらい、データ利活用の推進、マインド変革に貢献
  • アジャイル開発により、組織に対しては「アジャイル実践知の蓄積」、情報部門要員に対しては「開発スキルの向上」を支援
北島 浩行 氏写真
小さな成功体験を積み上げながら生産現場の大きな変革につなげていく、まだ道半ばではありますがこの取り組みに手応えを感じています。今後も、業務効率化による革新的な働き方改革により、建設業界の課題解決にサステナブルな成果を出し続けられるよう取り組んでいきます

北島 浩行

出向背景と経緯

2004年に富士通に入社して以来、建設業向けの基幹システム開発に従事し続けてきた北島。2020年の後半に大成建設の全社DXプロジェクトが始まり、そこにSEとして参画したことが出向のきっかけとなったという。「漠然と、何か新しいことを始めたいと考えていた時期にいただいた出向のお話しは、自分にとってとてもポジティブに捉えることができました」と、北島は当時のことを振り返りこう続ける。「富士通側の人間としてDX戦略の立案に携わっていましたが、2021年に大成建設に出向したタイミングで、これまでに立案した戦略に基づいて施策を進めていきましょうと、施策の取りまとめや、アドバイザーという立ち位置からの支援が始まりました」。

大成建設での主な取り組み

「DX戦略立案後の実施フェーズ推進にあたり、200件ほどある各種施策の全体統括・アドバイザーとして着手したものの、戦略通りに動くためには多くの課題がありました」と北島は当時を振り返る。そこで閃いたのが「DX施策そのものを自分でやってしまおう」と、全社DX方針の一つであるデータドリブン経営の実現に向けた1施策として、作業所のデジタル化・データ化を目的とした『作業所ダッシュボード』の企画立ち上げだという。「これまでの、最適化されてた紙資料、Excelドキュメントを使用していた既存作業所業務に対して、さらに利便性を高めたデジタル化・データ化により効率性を体感してもらい、データ利活用の推進、そのためのマインド変革が狙いでした」(北島)。

プロジェクトメンバーには、デジタルで現場業務を刷新したい作業所技術者を加入し 、作業所の現状業務やマインド・課題について会話しながら進める“価値提案型”で機能検討を実施。「デジタルが作業所に提供できる価値とは何か」などを議論し、出てきたコンセプトがベースとなりスタートしたという。プロジェクトは、大成建設内ではほぼ初となるアジャイル開発とし、大成情報システムと富士通からもアサイン。「システム部門にも、要員育成や内製化に対する課題があり“育成”という観点も含めたプロジェクトとして推進しました」(北島)。
プロジェクト開始から約6か月でベータ版を公開。希望する作業所から順に利用を開始したという。「初年度導入率20%、2年目 50% と少し高めなKPIとして開発・展開しました。結果、初年度は約10%の導入に留まったものの、対象ユーザーからのリアクションが想定よりも多くあり、方向性が間違っていないという手応えを感じていました」(北島)。

プロジェクト開始から、取り組みについて社内アナウンスする中で、「一緒にやってみよう」といういくつかの部署から嬉しいリアクションがあり、土木/建築の本社部署と協業をアジャイル化により着手。早期の100%展開を目指して開発を続けることができたという。並行して、PoC止まりとなっていた「現場センサー可視化」の仕組みも、通信会社・デバイス開発会社・建機リース会社とスキームを組み、商流・展開体制を構築することで全社サービス提供が進展しました。「2023年4月より、本社現業部門との協業のもと全作業所へ導入。現状一部機能のみの全社利用ではありますが、全面展開に向けて、引き続き追加開発・展開を実施中です」(北島)。
開発開始から15か月で800ほどある全社内作業所に展開。大成建設・富士通の連名で、プレスリリースを配信すると、日経電子版から取材依頼があり取り組み記事が掲載されるなど、社内外からも大きな反響があったという。現在ではアジャイルプロジェクトがスケールアウトし、2例目となる生成AI関連のシステム開発プロジェクトが始動しているという。

取り組み効果

建設業界では就労者数の減少と従事者の高齢化が急速に進んでおり、将来の担い手を確保するためにも生産性の向上に向けた働き方改革の推進が喫緊の課題となっています。本ダッシュボードの活用により、作業所内関係者の円滑な情報共有や、本社・支店からの遠隔による作業所の状況把握が可能となり、コミュニケーション改善に寄与しただけでなく、これまであまり意識されることがなかった「デジタル・データの利点」に気づく人が出始め、報告業務などが大幅に改善されました。
また、今回“アジャイル開発”を選択したことで、組織に対しては「アジャイル実践知の蓄積」を、情報部門要員に対しては「開発スキルの向上」を支援することができました。

感じたやりがい と 今後の展望

全社DXが戦略立案から実行フェーズに入る中、"チェンジメイクのための仕掛け"としてこの取り組みを企画し始動。巨大な企業が長年積み重ねてきた業務やシステム、そしてそこに働く人々の意識を変えることはそう容易でないことを実感したという。「外部から来た人間が、しかもゼロから作り出すため、最初は見向きもされませんでした。しかし、外部から来た人間だからこその視点やこれまでにない発想を発信することで、徐々に社内外に協力してくれる仲間が増え、プロジェクトが成長していくことに喜びを感じました」(北島)。
心理的安全性が高く、新しいこと・チャレンジングなことに取り組みやすい環境であったため、大成建設内の建設技術者とスクラムを組み、アジャイルで開発した実プロダクトの提供を通して「デジタルならここまでできる」の提案を続けることができた。「小さな成功体験を積み上げながら生産現場の大きな変革につなげていく、まだ道半ばではありますがこの取り組みに手応えを感じています。今後も、業務効率化による革新的な働き方改革により、建設業界の課題解決にサステナブルな成果を出し続けられるよう取り組んでいきます」(北島)。

参加者集合写真

派遣先プロフィール

大成建設株式会社
派遣先所属・役職:社長室)情報企画部)デジタル推進室

DX施策の推進段階に富士通様から北島さんに来ていただいたことは非常にメリットが大きく、感謝しています。当初は出向社員としての立場に戸惑っておられたようですが、いざプロジェクトが始まると当社社員の立ち位置で物事を考え、社内の多数の部門と積極的に協議し、その姿は若手社員のよい手本となりました。一方で他社からの目線も兼ね備えていて、システム開発だけでなく社員では気づきにくい業務の改善にも積極的に取り組んでいただきました。

大成建設 社長室 情報企画部 デジタル推進室 次長 平賀 聡 氏

富士通ではお客様のDX促進、社会課題の解決に取り組みに向けて、出向または業務委託にて対応いたします。

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