「DXで北海道神恵内村の人々を幸せにしたい。」
持続可能なまちづくりに取り組む、富士通Japanの挑戦

富士通Japanは、豊かで持続可能な社会の実現に向けて、北海道神恵内村にDX専門人材を6月1日より派遣しました。これは、自治体のDX人材不足の課題を解消するとともに、社員自らが神恵内村の住民となることで、現地と一体となって人々が豊かに安心して暮らせる環境ファーストでレジリエントな社会を目指すものです。
神恵内村で、様々な取組みに奔走する社員の様子をご紹介します。

目次
  1. 北海道神恵内村とは。富士通グループとの歩み
  2. ニューノーマルへの対応を迫られる自治体。富士通Japan社員が「村の一員」としてDX加速を目指す
  3. 現地の住民と共に、地域の未来を作る。富士通Japanが目指す、持続可能なまち

北海道神恵内村とは。富士通グループとの歩み

北海道神恵内村は、札幌から車で2時間30分ほどの日本海に面した積丹半島西側中央部に位置し、人口約802人(2021年4月30日現在)の道内で2番目に人口が少ない村です。村の基幹産業である漁業は、担い手不足や高齢化などの影響により多くの課題を抱えており、富士通は2019年度より神恵内村の課題解決に取り組んできました。
IoTを活用したウニ・ナマコ陸上養殖の実証実験では、ウニ・ナマコの陸上養殖作業の生産性が30%向上。環境面では、廃棄野菜をウニの餌として活用することで2トンのフードロス削減に貢献しました。内閣府「第3回 日本オープンイノベーション大賞」での農林水産大臣賞や総務省「ICT地域活性化大賞(奨励賞)」などさまざまな賞を受賞しています。

ニューノーマルへの対応を迫られる自治体。
富士通Japan社員が「村の一員」としてDX加速を目指す

IoTによる養殖での成果をもとに次のアクションを検討していたところ、新型コロナウイルスの影響により働き方や生活が一変しました。地域社会もニューノーマルへの対応を迫られる一方、これまでのように東京からの支援だけでは、神恵内村とのコミュニケーションに限界が生じてきました。
また、神恵内村としても、DXのノウハウや知見を外から享受するだけでなく、自治体としてスピード感をもって推進していきたいという意向もあり、富士通Japanは2年間、DX推進エンジンとしてのDX専門人材を総務省の地域活性化起業人制度を活用して派遣することとなりました。

派遣にあたっては、富士通Japan全社公募を実施。地域への適応能力やマインドセットを含め、10年後のまちづくりに貢献できる人材を総合的に評価し、福地 達貴さんが選出されました。

福地さんは、大学在学中に地域社会に関心を持ち、農業を経験。農家の方々とやりとりを通して課題認識を持ち、最先端のAgriTechを学ぶべく米国農業留学をされました。富士通に入社後もSEとして農業に携わり、「農業テーマのみならず、水産業やまちづくり全体などへ自身の経験の幅を広げたい」という志望動機の下、6月1日より神恵内村役場 企画振興課にデジタル化戦略担当として着任しています。

――着任からおよそ5か月が経ちました。これまで、どのような取り組みをされてきたのか教えてください。

福地さん: 神恵内村が抱えるたくさんの課題から優先課題を見極めるため、まずは村の事を知らなくてはと思い、神恵内村(約800名)の全戸を訪問しヒアリングを行いました。若手役場職員と、神恵内村の未来を考えるワークショップも実施し、神恵内の村民の皆さんの意見を集約しました。それらの意見を参考にして、DX技術で村をより良くする構想を検討し、次年度のデジタル改革予算として提案する予定です。
並行して、1人でも神恵内村の関係人口を向上させるべく、ワーケーションの企画/立案/実行を行いました。5名の社員が参加し、神恵内村の関係人口を増大させただけでなく、ワーケーションメンバーと村内の企業とのワークショップを設け、村の課題を掘り起こしました。

――福地さんは、たった一人で移住されたとのことですが、住民とはどのように関係を築いているのでしょうか。

福地さん: 私は、デジタル化戦略担当である以前に、村の一員です。業務を超えて、村の様々なコミュニティやイベントに参加しています。平日の夕方にはソフトボール、休日にはパークゴルフに参加しています。
趣味のカメラを通して、漁協女性部の新商品撮影や、漁師の作業風景の撮影などもおこなっています。先日、初めて船に乗せて頂きました。

――地域の課題を解決するだけでなく、神恵内村のプレゼンス向上にも貢献されようとしているのですよね。

福地さん: はい。全国TV-CMの放送や、富士通のグローバルフラッグシップイベント「Fujitsu ActivateNow 2021」で神恵内村の高橋村長にご登壇頂き、富士通Japan社長の砂田との対談を実施しました。

TV-CMの撮影にあたっては、村長や地域にお住まいの多くの方々に出演いただきました。ドローン撮影による北海道の美しい景色とともに、村の雰囲気を感じていただけると思います。是非ご覧ください!

現地の住民と共に、地域の未来を作る。
富士通Japanが目指す、持続可能なまち

――今後実現されたいことを教えてください。

福地さん: 全戸訪問によるデジタル現況調査を経て、まずは、「教育」を優先課題と考えました。今年度中に「DX×キャリア教育」の基本構想やビジョンマップを作成し、これをもとに来年度、実証に入る予定です。
神恵内村には高校がありません。村外に家から通える高校も一校しかありません。子供たちの未来の選択肢を増やすこと、自然と子供たちが未来の神恵内村ついて語り合うこと、富士通Japanとして神恵内村の子供たちと伴走していきたいと考えています。
さらに、現地の人とのヒアリングを通じて課題を抽出し、豊かさ、安心・安全、サステナブルな街づくりに貢献できるよう神恵内村の一員として最大限励みたいと思います。

さらに、今後は、富士通Japanの強みである自治体、ヘルスケア、文教の現場で培ったノウハウを活かし、クロスインダストリーとテクノロジーによって、様々な地域の豊かで持続可能な社会づくりを目指してまいります。

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