タムラ: 新設されて間もないので、今もまだバタバタしていますね。2020年6月から、小針さんと一緒に富士通全体のDX推進を担う組織横断型のチームに入り、デザイナーとして、会社をデザインの力でどう支えていくのかを日々考える仕事をしています。
小針: 今年(2020年)の1月、「元SAPジャパン株式会社の福田譲さんがDX推進のために富士通に入社する」というニュースを見て、福田さんと直接会話してみたいと思い、SNSでつながりました。6月にタムラさんと一緒に福田さんとお会いすることになり、今のDX推進を担うチームに参加することになったんです。
佐久間: 僕はそのDX推進とは別で、メイン業務としてサービスデザインに取り組んでいます。新規事業のデザインや未来のサービスにおけるユーザー体験を作り出す仕事です。
たとえば、「電車に乗る」という行為を考えると、昔は切符を買って乗車していたけれど、今、日常的に切符を買う人はほとんどいません。みんなICカードで改札を通っています。「切符を買う」という行為が「改札を通る」という大きい目的に置き換えられました。すると、その目的に合わせるために、ICカードの使い勝手や改札の仕組み、人の流れなどをデザインしていくことになります。サービスデザインとは、そのように目的を多角的に捉えて実現するためのデザインとも言えます。
——— 新規事業や未来のサービスにおけるユーザー体験のほか、企業のDXなども範疇ですよね。非常に幅広い。
佐久間: その幅広さに惹かれて、学生時代にサービスデザインを学びました。僕は広い意味で「デザインで社会に貢献する」ことをやりたいんです。そういう意味では、必ずしも富士通である必要はないかもしれません。ただ富士通は、多くの顧客チャネルを持ち、社会インフラなど公共性の高い事業にも数多く関わっている。つまり、その事業規模である富士通には、非常に大きな可能性があるし、必然的に、社会サイズの仕事ができる環境だと思っています。
——— 事業規模も富士通の企業価値ということですね。
小針: そうですね。事業規模が非常に大きく、日本という国で大きな存在感を持っている会社だと思います。ここがデザイン力をどう生かすのか、それに挑戦していくなかで、日本のさまざまな企業、さらには日本全体を仕組みごと変えることができるかもしれないですよね。それは、先ほどの述べた、「日本企業を、しやなかに強くする」という思いの実現にも繋がる、私が富士通に所属している大きな理由です。