エンジニアとデザイナーをつなぐ存在に

エンジニアとデザイナーをつなぐ存在に

掲載日 2024年1月24日

黒田 紗也子

2007年 新卒入社
富士通を代表するパソコンブランド「FMV」のサービスサイトやキャンペーンサイトの企画・運用プロジェクトで活躍。2022年には社内公募に応募しデザインセンター所属のエンジニアとして活動を開始。現在は富士通オリジナルのデザインシステムである「Fujitsu GUI Next Plus」の開発に取り組んでいる。

技術で誰かに貢献したいという希望があった

Q 黒田さんが富士通を志望された理由を教えてください。

親の職場で使っているシステムが富士通製というのを聞いていたので、以前から親しみを感じていました。
メーカーで働きたいと考えていたので、富士通についてももちろんリサーチして働く環境の良さも感じましたし、技術で誰かに貢献できるような仕事がしたいという希望もあったので、インフラ関連などの公共性の高いシステムや製品をたくさん手がけている点にもひかれて応募しました。

Q 入社前後で会社のイメージに変化はありましたか?

入社前は企画や要件定義、設計といった「上流工程」の仕事ばかりで、自分で手を動かせる仕事に携わるチャンスは多くないのではとイメージしていましたが、実際には上流工程から開発、運用まで一気通貫で手がけるケースが多く、さまざまな業務が経験できました。

社内公募でデザインセンターへ異動

Q 黒田さんはエンジニアとして入社され、どのようなきっかけでデザインセンターに異動されたのでしょうか?

デザインセンターで働くエンジニアを募る社内公募があったので、思い切って応募してみました。

デザインというとアート的なものをイメージしがちですが、デザインを生み出す思考は経営や営業、サービスの設計などのあらゆる領域で活用できるという考え方が「広義のデザイン」です。 この「広義のデザイン」を社内に広めるという、デザインセンターの方針に共感したのが応募のきっかけでした。
それまでITとデザイン、どちらの業務にも取り組んできたので、「広義のデザイン」はすごく納得できる考えでしたし、クリエイティブ寄りの業務に本格的に取り組みたいという気持ちもありました。

Q デザインセンターに来て最初に感じたことは?

美大出身の人ばかりかと思っていたのですが、「そうではないデザイナー」や「デザイナーではない人」も多いことに驚きました。

私のようなエンジニアもすでに何名かいました。異動後も少しずつ増えてきていまでは15名(2023年7月現在)が在籍しています。エンジニア以外では、企画職やマーケティング担当の人などもいます。

Q 現在はどのような仕事をされているのですか?

「Fujitsu GUI Next Plus」という富士通のデザインシステムの開発です。
「Fujitsu GUI Next Plus」は、市販されているものではなく、富士通社内のエンジニアや開発者向けに開発しています。WebサイトやシステムのUIや見た目を「富士通らしさ」のあるデザインに統一し、年齢や性別、国籍や職業などに関わらず、どなたにも使いやすさを感じてもらえる画面を簡単に作成できるツールセットです。

このプロジェクトに参加しているデザイナーの役割は富士通らしいデザインとは何かを考え定義すること、そしてそれをパターン化してWebサイトで使用するバナーやボタンといった要素のデザインに落とし込んでいくことです。私たちエンジニアはデザイナーから受け取ったデザインを実際にFGNPに実装してきます。こういったシステム開発の場合、エンジニアは別組織にいて、デザイナーがエンジニアの組織に作業を発注することが一般的でしたが、FGNPではアジャイル開発の手法を用いており、同じチームで緊密に連携をとって動いています。同じチームに属することでコミュニケーションのコストが下がり、開発スピードがあがるというメリットがあります。

富士通のデザインシステム Fujitsu GUI Next Plus
Q デザイナーと仕事を進める中で、苦労されたことはありましたか?

バックグラウンドが異なる人たちとの作業では、相手が考えていることや重視するポイントが違うのでコミュニケーションの方法に日々試行錯誤しています。
実際、エンジニア同士なら一言二言ですむ説明でも、相手がデザイナーだとずいぶん時間がかかることがあります。また、デザイナーからの要望に対して、実現性が乏しくNOを出すこともありましたが、どこまでどんな風に説明すれば相手が理解しやすいのか、そういったコミュニケーションにいつも悩んでいました。

Q バックグラウンドが異なるさまざまなメンバーが一緒に働くことで生まれるメリットは何ですか?

自分とは違う意見や視点に常に触れ、丁寧に説明を尽くすことで、私自身も以前に比べてモノづくりのプロセス全体を深く捉えることができるようになりました。
コミュニケーションが深まれば、開発全体もスピーディになります。何よりいろんな発想が集まることで、自分たちも思いもしなかった全く新しい仕組みなど、斬新なアイデが実現する可能性も大きくなります。

エンジニアが感じる、デザインセンターの今とこれから

Q デザインセンターにはどんなタイプの人が多いですか?

褒め上手な人が多く張り合いがありますね。
ちょっとしたコーディングでもデザイナーさんに「すごい」っていってもらえて、単純ですがうれしいものです。人の良い面を伸ばしてくれるような雰囲気がデザインセンターにはありますね。

Q 現在、意識的にチャレンジしていることはありますか?

画面のデザインにチャレンジしたり、エンジニアとデザイナー両方が参加する勉強会を定期的に行い、デザインに関する知見を深めることに積極的に取り組んでいます。

周りがデザイナーばかりなので、どんどん質問して、チャンスがあればスキルを磨いています。逆にデザイナーさんからは、テクニカルな質問を受けることもあります。教えたり教えられたりを楽しんでいます。

Q エンジニアとデザイナーの違いはどこにあると思いますか?

モノづくりに関し、見ているところや軸足の置きどころが根本的に違う気がします。
家づくりに例えるなら、デザイナーは理想の家の全体像が最優先、エンジニアはどうやって築き上げていくかのプロセスを重視するといった違いです。いい家を完成するためには「どちらも欠かせない」という意識を持ってしっかり対話することが大切だと思っています。

Q 今後のキャリアについてのお考えをお聞かせください。

デザインとエンジニアリング、どちらにも魅力があるので、それぞれの良さを伝えることで橋渡しができるような存在になりたいです。
私自身はデザイン寄りの仕事もしてきたエンジニアですが、「広義のデザイン」という考えがさらに浸透すれば、従来のエンジニアもデザイナーと呼べるような存在になるかもしれません。技術とデザインのそれぞれの力を信じる人間として、両者の間をつないでいきたいと考えています。

プロフィール

  • 所 属
    経営デザイン部
  • 入 社
    2007年 新卒入社
  • 出 身
    電気通信大学 情報工学科ヒューマンインターフェース専攻
  • 業務内容
    富士通のデザインシステムの開発
  • 趣 味
    ものづくり、ゲーム、家のスマートホーム化


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