様々な関係者がいるプロジェクトでは「メンバー全員の自分ゴト化を促すのもデザイナーの仕事」

様々な関係者がいるプロジェクトでは「メンバー全員の自分ゴト化を促すのもデザイナーの仕事」



掲載日 2021年11月8日

富士通株式会社(以下、富士通)のデザインセンターは、富士通が提供する多様なサービスやプロダクトのデザインを担い、また富士通全社に向けてデザイン思考を浸透させる活動を行う、富士通のデザイン部門です。そこではどのようなデザイナーが働いているのでしょうか。

2018年に新卒で富士通に入社し、デザインセンターのフロントデザイン部でハウスメーカーに向けたサービス設計支援などの業務を担当している小関美咲氏。学生時代はどのような活動をしていたのか、富士通に入ってからどんなことに驚いたのか、仕事のやりがいは…などを聞きました。

記事のポイント

  • 3週間のインターンシップでデザインセンターの雰囲気に惹かれ入社を志望
  • サービスづくりを支援するコンセプトの設計など「サービスデザイン」が主領域
  • 先輩社員のように「バイネームで指名されるデザイナー」が目標

インターンシップが決め手となり富士通へ

小関 美咲氏
デザインセンター フロントデザイン部所属(2021年5月時点)

——— 小関さんはどのような学生時代を過ごしていたのですか?

小関: 私は筑波大学の芸術専門学群デザイン専攻の出身です。大学では情報デザインやプロダクトデザインをベースとして勉強しながら、アイデア発想手法についての研究を行っていました。また、工学部とのつながりのある研究室だったので、工学部の学生と一緒にインタラクションデザインも行っていました。

インタラクションデザインの研究では、音楽と走る列車の作品を工学部の学生とチームで制作しました。これは電車ごっこをモチーフにした参加型メディアアート作品で、ロープに入って前進すると音楽が流れ、中に入っている人数によって流れる楽器の数が増減します。このような、体験してみてなんか面白いと感じるような作品を作るのが好きでした。

あとは、つくばの地域情報をWebサイトやフリーペーパーで発信する学生団体にも所属していました。おいしいお店や面白いスポットなどを大学生や地域住民向けに発信する活動をしていて、サイトのデザインやフリーペーパー制作、また、取材や営業活動などを行っていました。振り返ると、いろいろな活動をしていた学生生活だったなと思います。

——— そんな小関さんは、どうして富士通に入社することになったのですか?

小関: 私は大学院を出ているのですが、学部生のころにも一度就活をしており、当時はメディア系企業やモビリティ業界などかなり幅広く企業を検討していました。

その後、大学院在籍時の就活で富士通に入社したいと思った大きなきっかけは、大学院1年生の夏にデザインセンターが主催するインターンシップに参加したことです。インターンシップは3週間にわたって金融系のサービスデザイン設計を行う内容でした。メンターの方にサービス設計のアドバイスをいただきながら、最終的には子どものお小遣いを使ってお金を管理する練習ができ、親子でお金の使い方を考えられるサービスを提案しました。

そのインターンシップで感じたのは、組織がとてもフラットな雰囲気であることです。これは入社した今でも感じますね。デザインセンターには「チーム」というくくりはありますが、その垣根を越えて、プロジェクトに最適なメンバーがアサインされることが多くあります。

また、デザインセンターには本当に多様なバックグラウンドを持ったデザイナーがいて、そのなかで互いの強みを理解し、尊重しながらプロジェクトを行っています。マネージャーにもすぐに声をかけられる環境で、困りごとがあればすぐに相談できます。デザイナーとして働く上でとても魅力的な環境に感じ、入社を志望するようになりました。



デザインだけでなくサービス設計まで携われるやりがい

——— いま現在、小関さんが携わっている仕事内容を教えてください。また、そのやりがいにはどんなものがありますか?

岩井: 現在は主にハウスメーカー向けのサービスデザインを行っています。近年、家を購入する人は少なくなっており、住宅メーカーも家を建てて販売する以外のサービス展開を考える必要があります。そこで、住宅や人々の暮らしのあり方をメーカーの方々と一緒に考えるワークショップを企画・運営し、ユーザーのニーズを再発見できるようにしています。サービス全体のデザインやコンセプト設計に携わる仕事には学生時代から興味を持っていたので、とてもやりがいを感じます。

また、富士通の研究開発機関である富士通研究所(2021年4月1日に富士通に統合)が開発している新規サービス「Buddyup!(バディーアップ)」のデザイン開発も携わっている仕事のひとつです。「Buddyup!」は人をつなげるプラットフォームで、コミュニケーションの場で飛び交うみんなの興味や関心を表すキーワードをもとに、イベントやコミュニティの中でコラボレーションを生み出すサービスです。

新型コロナウイルスの影響下ではオンラインでのイベントや交流会が頻繁に開催されていますが、結局その場に参加した人と仲良くなったり、つながりを得たりするのは難しかったりしますよね。そこで、「Buddyup!」ではイベント参加者の簡単なプロフィールを見られるようにして、気になる参加者に会いたいオファーを送ったり、コミュニティを作ったりできる機能を提供しています。

「Buddyup!」は入社して1年目から継続して関わっている案件で、サービス設計の初期の段階からデザインを担当しており、特に思い入れがあります。初めはUIデザインの依頼から始まった案件ですが、現在ではプロモーションやブランディングを含めた全体的なサービス設計を開発メンバーの一員として一緒に検討しています。デザインセンターは気になる案件があったときに積極的に手を挙げれば、参加できるチャンスがごろごろ転がっている環境。働きがいがありますね。



「小関さんにお願いしたい」と言われるようなデザイナーを目指して

——— 小関さんのデザイナーとしての今後の目標を教えてください。

小関: 自分の代名詞となるような製品やサービスのデザインをしていきたいです。周りの先輩方は、富士通の営業やSEの方から「○○さんにお願いしたい」と直接言われるような方たちがたくさんいます。デザイナーはユーザーやクライアントが本当に求めることを探求するのはもちろんのこと、様々なバックグラウンドを持つ関係者がいるプロジェクトの中で、各々が自分ごととして楽しみながら取り組めるような関係性作りをデザインできるスキルも大事だと考えています。そのようなデザイナーになりたいですね。

——— 最後に、就活生の方へ向けてのメッセージをお願いします。

小関: 就活中は「自分の強みってなんだろう」「どの会社が自分に一番合っているんだろう」など本当にたくさん悩むと思うし、「間違っていたらどうしよう」と、とても不安になると思います。私もそうでした。

そんな中でこれは間違っていないと自信を持って言えるのは、やっぱり自分が経験してその中で感じたことだと思います。私はインターンシップの体験がきっかけで富士通に入社しました。もしちょっとでも気になる人や会社があったら少し勇気を出して連絡をとってみたり、会いに行ってみたりすると良いかもしれません。多かれ少なかれ、何かしらのヒントになると思います。

デザインセンターにはステキな人たちがたくさんいるので、ぜひ気軽に声をかけてみてくださいね。

■データ

  • 所 属 :デザインセンター フロントデザイン部(2021年5月時点)
  • 入 社 :2018年
  • 出身大学:筑波大学 芸術専門学群 デザイン専攻情報デザイン領域卒
    同大学 人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻修了
    情報・プロダクト・インタラクションデザイン、感性科学について学ぶ
  • 趣 味 :マンガ、イラスト、日本酒
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