富士通
歯科クラウドサービス

掲載日 2020年11月16日



日本の予防歯科の浸透を目指して

最近の研究で、むし歯や歯周病の原因菌が心臓病や糖尿病などの疾患にも大きな影響を及ぼすことが明らかになってきました。そのため予防歯科は口腔内の健康に効果的なばかりではなく、全身疾患の予防にもつながることが知られてきています。一方、日本の歯科医療では「歯は悪くなったら病院に行って治せばいい」という考え方が根強く、メンテナンスのために治療完了後に定期的に継続して歯科医院に通う習慣が浸透していません。

「富士通歯科クラウドサービス」(2020年11月現在:導入実績 60医院以上)は、口腔内の状況をデータ化し、歯科医院と患者が安全にデータを共有することができる、予防型歯科クラウドサービスです。本サービスを通して、患者は自分の口腔内の情報をスマートフォンやPCで気軽に見ることができます。また、医療スタッフは診療情報やアドバイスを提供することで、歯の健康の大切さを直接伝えることができます。



患者だけでなく、医療スタッフにも寄り添ったデザインに

本サービスをデザインするにあたり、医療現場でヒアリングを行ったところ、患者に少しでも予防歯科の大切さを伝えるために、医療スタッフが日々努力と工夫を重ねていること、一方でそれはスタッフの業務の負担にもつながっていることがわかりました。
そこで、診療結果や口腔情報について、従来医院ごとに紙で患者に渡していた運用を見直し、資料をデジタル化し、共通フォーマットを作成しました。共通フォーマットは、スタッフが診察結果やコメントを入力するだけで、簡単に患者の口腔情報をまとめた資料データが完成するため、業務の効率化とともに、患者にとってもわかりやすく、気軽にスマートフォンなどで確認できるものになりました。また、共通フォーマットはスタッフが自由にカスタマイズできるため、患者ひとりひとりに合ったかたちで、予防歯科の大切さをしっかり伝えられるようになりました。こうした取り組みは、患者の歯の健康に対する理解の深まりやモチベーションの向上にもつながります。



歯科医院へのネガティブなイメージを払拭する

サービス全体のデザインは歯科医院や治療に対する恐怖心や抵抗感を緩和し、幅広い年齢層の方にも利用していただけるよう、明るく親しみやすいデザインにしました。また、患者の口腔内の状態や歯の健康の大切さを伝えるためには、専門的な内容が多く出てきます。そこで、医療スタッフの方の協力をもとに検討を重ね、イラストや図解を多用することで、難しい歯の情報も患者に正しく伝えることができるようになりました。



予防歯科を継続してもらうために

予防歯科の課題の1つとして患者の意識を継続させることが挙げられます。メンテナンス直後は意識が高く、ホームケアもしっかり行うものの、しばらく経つとそれを怠ったり、メンテナンスの頻度が減ったりなど、患者のモチベーションの維持が難しいのが現状です。そこで、ユーザーからの簡易ヒアリングを行ったところ、それらの要因は、「成果が見えにくい」、「予防歯科を身近に触れる機会が少ない」などが挙げられました。

こうした意見を参考にし、本サービスでは診察結果のデータを蓄積してグラフ化することで成果を見えやすくする、定期的に情報配信することでホームケアの継続を促すなど、メンテナンス前後だけでなく継続的に利用していただくために、ユーザーや現場の声を大切にしながら繰り返し検討と改善を重ねています。

予防歯科が当たり前となる社会を目指して

「富士通歯科クラウドサービス」は予防のために歯科医院に通い、予防意識を生涯に亘り継続させるための重要な仕組みです。
本サービスは今後も歯科医院と企業とが連携することで、予防歯科の浸透と生涯自分の歯で食せる健康長寿社会の実現を目指しています。また、当社健康推進本部、健康保険組合とも連携し、社員へ予防歯科の啓蒙と、その社内実践モデルを社会に発信することで、歯科医療への関わり方とその重要性を変革させます。

私自身もこの取り組みを通して、予防歯科の重要性を認識することができました。今後もデザイナーとして、本サービスの理念や取り組みが広く社会に浸透するよう、サポートし続けていきます。

デザインセンター菅原 由貴
 金子 一英
(左より)金子、プロジェクトリーダーを務めた菅原
ページの先頭へ