高機能、高価格な端末が市場で目立つ中、国産メーカーとして日本の生活基盤にフィットする製品を届けたいという想いから開発がスタートしました。特にコスト観点から機能やデザインに制約がつきやすいベーシックモデルにこそ幅広いお客様に満足いただける最適なバランスが大事だと考え、有事の際に役立つワンセグアンテナや個人認証と画面操作を兼ね備える背面指紋センサーなど日常利用にあって欲しい機能を犠牲にすることなく、高品質でシンプルなデザインを目指しました。
arrows Be3 F-02L開発の背景

掲載日 2020年10月16日
「当たり前」の快適さを大事にしたい
スマートフォンが生活の中で「当たり前」になった時代に、「当たり前」の快適さを大事にしたいと考え、基本機能となる簡潔な所作、持ち心地、清潔さ、堅牢性、軽やかさと真面目に向き合い、地道に磨き上げています。日常使いにおける意識の引っ掛かりをなくすストレスフリーな仕立てが随所に詰め込まれています。
トレンドの大画面化に伴い、コンテンツの情報量は増えるがタッチ操作はしにくいという困りごとを指一本で解決するために前機種では“エクスライダー”と名付けられたセンサーボタンを本体右側面に配置していました。
本機種では使いやすさの平準化を目指し、このエクスライダーを自然に直感的操作へと促す背面センターレイアウトに変更しています。
満員電車など片手で操作したいときはたくさんあります。大画面でも片手操作を容易にする背面センターレイアウトのインタフェースに変更することで利き手に左右されず、片手で画面拡大やスクロールができます。
本体幅も前機種より細くし、丸みを帯びた断面にすることで、親指のアプローチ領域を広げ、片手での操作性を更に向上しています。

この操作感を活かしたUIを実現するために、裏側から触れた箇所に視覚的なフィードバックを与え、そのまま操作部として使えるようにしました。端末背面を使った新しいインタラクションに今後の広がりや可能性を感じたので、エクスライダーのチュートリアル等は特にインタラクティブでわかりやすい体験を意識して設計しています。


日常に馴染むかたちの探求
今、スマートフォンのトレンドは、金属製ケースと両面ガラスパネル構成が市場の主流になっています。
高品質に見える一方、金属製ケースのスマートフォンは重く、両面ガラスパネル構造は割れやすいといった懸念があります。
私たちは、日常に馴染むかたちのスマートフォンを目指してデザインしました。
生活のあらゆるシーンで必要とされる基本的な心地よさを目指して、あえてつなぎ目のない樹脂バスタブケース構造を採用しました。樹脂バスタブケース構造により、軽量で、強く、段差を極力排除し、手のひらにフィットするラウンドフォルムを実現しています。
同時にこの継ぎ目のないケースは昨今の衛生面に対する意識の高さに配慮し、洗浄がしやすい必然のかたちを兼ね備えています。また、ハイライトの映える高輝度塗装と鈍角エッジがつくりだす陰影によって視覚的な軽やかさを醸し出します。

一歩先の安心を備える
スマートフォンは私たちの生活にはなくてはならない生活必需品となっています。日常の一部となった道具には複雑さを感じさせない安心感と親しみやすさから誰にでも手にとりやすく、日本的な仕立ての良さや細部までの気配りが非常に重要であると考えます。
arrows F-02Lには、コンビニや100円ショップなど、どこでも手に入るイヤホンが使用できるイヤホンジャックを搭載し、ロッドアンテナ内蔵によりワンセグ視聴が可能な為、とっさの有事の際に情報取得ができる安心な機能を備えています。
また、泡タイプのハンドソープや液体タイプの食器用洗剤(国内メーカー製)で洗うことができるため、汗や脂、指紋などを洗え、いつも清潔に保ちます。また、背面指紋認証によってマスクを外さず使用できるため、日々の生活のちょっとしたストレスを気にせず使用できます。



万が一、本体が壊れてしまっても、microSDカードスロットを搭載し、電話帳・写真・動画・文字入力の設定など、大切なデータや細かな設定情報を自動でバックアップすることが出来るため、元通りに戻すことが可能です。
「無意識の心地よさ」
「無意識の心地よさ」。これは今後のスマートフォンをデザインする上での重要なテーマです。ICTを用いたソリューションサービスはさらにお客様のくらしを快適にし、もっと豊かなものへと変えていきます。
一方でそれらを下支えする高度な技術の複雑さをお客様に感じさせてはなりません。お客様が無意識のうちに快適な生活を享受できるよう自然に溶け込ませることがデザインの大きな役割と捉えています。その一貫した思いを大切にし、これからもお客様とともにより良い製品づくりを行っていきたいと考えています。
プロジェクトメンバー
岡本 浩平
楽 岳彦
益山 宜治
三澤 建人
野々山 拓志
出川 さやか
浦 保秀