「デザインはビジネスにもっと深く関わっていける」有澤氏がそう信じる理由

「デザインはビジネスにもっと深く関わっていける」有澤氏がそう信じる理由



掲載日 2021年9月21日

富士通株式会社(以下、富士通)のデザインセンターは、富士通が提供する多様なサービスやプロダクトのデザインを担い、また富士通全社に向けてデザイン思考を浸透させる活動を行う、富士通のデザイン部門です。そこではどのようなデザイナーが働いているのでしょうか。

有澤寛則氏は富士通で工場の生産管理のためのダッシュボードや、ビルや道路の監視画面など、データを可視化してモニタリングする画面デザイン等の仕事を行っています。それはどのような仕事なのでしょうか。また、学生時代はどのような活動をしていたのか、富士通に入ってからどんなことに驚いたのか、仕事のやりがいは…などを聞きました。

記事のポイント

  • 3週間のインターンシップが決め手となって入社を志望
  • 「デザイン」「経営」「工学」の3分野を横断的に学んだ学生時代がいまに活きている
  • 表だって見えづらいが、社会の核を支えると確信できる仕事に携わる

入社のきっかけ

——— 就職活動の際に検討していた業界や企業はありましたか?

有澤 寛則氏
デザインセンター ビジネスデザイン部所属(2021年3月時点)

有澤: 私はデザイン経営工学部という学部に所属していました。名前のとおり、「デザイン」「経営」「工学」の3領域について基礎を学んだうえで、それらを組み合わせて商品企画やサービス企画など、ビジネスの現場に近い経験ができる学部です。社会に出るときも、企業でその延長線上にある仕事ができれば良いなと、漠然と考えていました。

研究室は「プロダクトデザイン」の専攻で、同窓生の多くは家電や自動車メーカーのデザイナー職を志望していました。私は「何か新しい物事を生み出す仕事がしたい」「働いていて楽しい仕事がしたい」といった思いで、家電メーカーのデザイン職を中心に玩具や消費材メーカーの企画職も視野に入れて就職活動をしていました。

——— そんななかで、富士通入社に至ったきっかけを教えてください。

有澤: デザインセンターのインターンシップに参加したことが大きなきっかけになりました。当時のインターンシップでは3週間、実際の職場で先輩と一緒に仕事を体験しました。私は「富士通の自社工場内にある展示ルームのコンセプト企画」といったテーマで業務に取り組み、様々な調査をしながら企画案を考えました。

インターンシップを通じて、職場の雰囲気や富士通の関わる領域の広さを知ることができ、志望度が高まったのを覚えています。インターンシップで働いた部署と入社後の配属先は違っていましたが、社員の方々の雰囲気や業務環境などは前もって感じていたものと差がなく、入社後にギャップを感じることもありませんでした。

——— 学生時代には具体的にどのような活動をされていたのですか?

有澤: 毎年、2~3個の産学協同プロジェクトに取り組んでいました。先輩・後輩と共にチームを組み、携帯メーカーやお菓子メーカーといった企業に対して、リサーチからコンセプト設計、デザイン制作まで行い、企業に直接プレゼンするなどの活動です。

他にも、エンジニア・マネジメント・デザインといった別々の領域を専攻する学生同士でチームを組み、新規プロダクトの企画提案を行ったりもしました。こういった「複数人のチームでプロジェクトに取り組む」という活動に精を出していたように思います。

——— 富士通入社後の新人研修ではどのようなことを学び、経験できましたか?

有澤: 全体研修ではSEや営業、研究開発、コーポレート部門担当などの同期30人1クラスで、社会人マナーの基礎や富士通の歴史などを学び、グループワークも1ヶ月間ほど経験しました。まるで学生時代に戻ったようなリラックスした気持ちで研修を受けて、同じクラスで研修を経験した同期たちと仲良くもなれました。彼らとは今でもプライベートで遊んだりしています。

デザインセンターに配属された後はOJTで先輩に指導を頂きつつ、高速道路のトンネル監視システムのUIデザインを担当させてもらいました。高速道路のトンネル内の状況を監視する業務の方が利用するシステムで、トンネル内に設置された非常用電話からの情報確認や、トンネル内で火災が発生した際の緊急放送のコントロールなどを行う画面です。異常が発生した際に素早く気づき、対処できるように、ひと目で状況が分かるようにUIを設計していました。

実際に配属されるまでは高速道路の裏側でこのようなシステムが使われていることも、それを富士通が作っていることも知りませんでした。陰ながら社会の役に立つ仕事ができていることに面白さを感じたことを覚えています。



社会の基盤となる仕事に携わっている確信

——— 携わっている仕事のやりがいや魅力を教えてください。

有澤: 製造業のお客様に対してソリューションを提供する富士通のSE部門ともに、工場での生産管理の状況をモニタリングする画面のUI/UX設計等の業務に携わっています。奇しくも先ほどの高速道路のトンネル監視システムと近い仕事ですね。

富士通では製造業向けのソリューションをたくさん作っています。そうしたシステム設計について、まず私たちデザイナーは、SEや営業の方々と一緒に工場に行き、工場全体を見ている工場長や工場の現場で働く方々からヒアリングを行います。その後、モニタリング画面に必要な要素の選定や、業務の流れに沿ったレイアウト設計など、ユーザー視点で画面設計のイメージを固めていきます。常にユーザーであるお客様と実際に画面の開発を行うSEと共にソリューションを作り上げていく仕事です。

富士通で私が携わる仕事は、私たちの生活の表面にはなかなか現れることはないかもしれません。しかし、生活を営む上では必要不可欠なシステムに携わっており、社会に直結しているものばかりだと確信できます。「自分の関わった仕事が世の中を良くすることに繋がり、皆さんの生活に貢献できている」と感じられることが一番のやりがいです。

——— 会社全体や所属するチーム、有澤さんが一緒に働く仲間はどういった雰囲気ですか?

有澤: 私が所属するチームに対して持っている印象としては、皆さんが若々しく、楽しそうに仕事をする人が多いということです。「上司が怖くて言いたいことが言えない」といった雰囲気はなく、お互いが思ったことを素直に伝え合うことができる良い関係が築けていると思います。



「ビジネスのことを考えられるデザイナー」が目標

——— 有澤さんがデザイナーとして目指しているビジョンや、今後の目標にはどのようなものがあるのでしょうか。

有澤: 今よりもっと、「ビジネスに深く関わった仕事ができるデザイナー」になりたいと考えています。デザインは、経営にももっと幅広く関わっていけるものであり、また関わっていくべきだと思っています。例えば、画面のUIだけデザインして終わるのではなく、画面以外のサービス全体はどうあるべきか、また経営者の視点ではどうよくなるのかなど、より関わる範囲を拡げて、デザイナーとしてデザインだけでなくビジネス領域でも活動出来るようになっていければと思います。

——— 最後に、就活生の方へ向けてのメッセージをお願いします。

有澤: 富士通の仕事は関わることのできる領域がとても幅広く、また様々な経験やスキルを会得した人材が在籍しています。さらに、やりたいことにチャレンジさせてくれる文化があります。幅広く色々な挑戦をしてみたいという方は、ぜひ富士通で働くことを検討してみてください。

■データ

  • 所 属 :デザインセンター ビジネスデザイン部(2021年3月時点)
  • 入 社 :2010年
  • 出身大学:京都工芸繊維大学院デザイン経営工学専攻修了
    デザイン・マネジメント・エンジニアリングについて学ぶ
  • 趣 味 :テニス、お菓子作り、ゲーム
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