国立教育政策研究所様事例

教育政策のEBPMを加速させる教育データ利活用プラットフォーム

近年、政策の有効性を高め、国民の行政への信頼確保につなげるEBPM (エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング︓証拠に基づく政策立案)が推進されています。

教育領域においても、教育に関するデータや研究成果のさらなる蓄積・活用が進められています。しかし、組織ごとに個別管理されているデータもあり、組織間で高度にデータを連携して総合的に分析することに対し、国や自治体の教育施策や研究活動への二次利用などを含め、課題がありました。

そこで富士通では、国立教育政策研究所様において、教育データの集約を目的とした「公教育データ・プラットフォーム」を構築しました。「公教育データ・プラットフォーム」は、文部科学省や国立教育政策研究所が実施した教育分野の調査データや研究成果・事例を集約し、可視化することで教育政策の現状把握や課題発見を支援します。また、検索可能な形で⼀覧化し、貸与可能な調査の手続などを掲載することにより、研究者によるデータ取得を容易にし、研究活動の効率化と質の向上を図ります。本事例では、教育領域におけるEBPM の実践事例とあわせて、取り組み推進時のポイントなどをご紹介します。

背景・社会課題

GIGAスクール構想などの進展により、教育に関するデータ利活用の可能性が広がる中、該当データを横断的に連携し、各政策の効果検証や新たな知見を創出する取り組みの重要性が増しています。
こうした中では、文部科学省などが各部局で所有している教育に関するデータや研究成果を活用して、総合的な状況の把握、可視化を踏まえた分析を進めることを検討。国や自治体の教育施策や研究活動において、従来以上にデータ活用されることが期待されています。 *1

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    デジタル庁「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和3年6月閣議決定)において、教育政策等に資するエビデンスに関するプラットフォーム構築について言及されています。また、「教育再⽣実行会議第⼗二次提言」(令和3年6月)においても、教育データの収集・分析や大学・研究機関等への貸与等を行う公的な教育データ・プラットフォームの必要性が提言されています。

取り組みの概要

富士通では、教育領域におけるEBPM 進展に貢献すべく、国立教育政策研究所様が推進する教育データの集約・公開を目的としたシステム「公教育データ・プラットフォーム*2」の構築を受託し、その取り組みを支援しています。

「公教育データ・プラットフォーム」の狙い

  1. データ収集

    文部科学省様や国立教育政策研究所様、研究機関から教育データを集約し、安全に管理します。

  2. データ可視化

    集約されたデータを分析し、視覚的にわかりやすく表示することで、教育政策の現状把握、課題発見、より効果的な教育政策の立案・実施を支援します。

  3. オープンデータによる透明性と利便性の向上

    教育データや研究成果をオープンデータとして公開し、誰でもアクセスできる環境を提供します。研究者は、本プラットフォームを通じて、必要なデータを容易に取得でき、研究活動の効率化と質向上を図ることができます。

取り組み推進のポイント

  • 多様なステークホルダーの巻き込み
    お客様の情報部門に加え、関係部署や関係機関と仮説提案に基づく議論を進め、お客様とデータ利活用のあるべき姿や機能などをブラッシュアップしました。
  • 自治体・学術機関で実績のあるコンテンツ管理システムの導入
    国立情報学研究所様が開発しているOSSをベースにした学術情報ポータルSaaS「Ufinity*3」を利用。自治体や学術機関で豊富な実績を有するOSSベースのSaaSを利用することで、安定した運用と将来的な機能拡張に対応しています。
  • オープンソースソフトウェア(OSS)の活用
    高い汎用性と拡張性を備えたOSSであるCKANを採用することで、閉鎖的なシステムとなることを抑止し、将来的なシステムの拡張性やデータ活用の可能性を確保するとともに、システムの開発コストを削減しました。
  • モデルプランに基づく推進
    本システムの構築検討に際して、自治体データ分析によるモデルプランを策定することで、プラットフォームおよびEBPMの有効性を確認・検討しながらプロジェクトを推進しました。

将来展望

本取り組みは、教育領域におけるEBPM の実践事例として、教育データの横断的な利活用を促進し、より良い教育環境実現に貢献するものです。
富士通は、今後もデータの充実、機能の強化、利活用範囲の拡大を進めることで、教育政策の質向上と研究活動の活性化への貢献を目指します。
また、EBPM に関する知見を活用し、教育領域以外においても、データに基づく有効・適切な政策の立案と推進、そのためのシステム環境の整備に貢献していきます。

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