FUJITSU Manufacturing Industry SolutionCOLMINA CAE 電子基板構造解析(旧名称:SimPRESSO)

「COLMINA CAE 電子基板構造解析(SimPRESSO)」は、プリント基板のシミュレーションに特化したシステムです。シナリオ(手順)に従ったオペレーションで、解析初心者でも簡単に解析が行えます。実装基板の高信頼性と開発期間短縮・コスト削減に大きく貢献します。
COLMINA CAE 電子基板構造解析が選ばれる理由
電子機器シミュレーションにフォーカス2次元CADの情報から基板形状と部品配置情報を取得し、データ読込みと解析用3次元モデルを作成します。使い慣れない3次元CADを使ったモデリングや、簡略化・省略化などは必要ありません。
豊富な便利機能電子機器シミュレーションに特有な便利機能が豊富にあります。例えば、ガーバーデータから残銅率や配線方向の影響を自動計算したり、はんだバンプ配列が簡単に作成できます。
シナリオに従うだけの簡単操作シナリオのガイドにより、解析専任者でない方でも悩むことなく簡単に操作できます。各シナリオにはモデル作成や条件設定のノウハウが組み込まれていますので、確実に解析できます。
COLMINA CAE 電子基板構造解析の特長
基本部と各シナリオ(BTS/RFL/BSA/BHT)の組み合わせで一連の解析作業が行えます。また、複数のシナリオの組み合わせにより連成解析が行えます。
基本シナリオ
基本部(SimPRESSO/MS)
モデルや結果表示を行うためのプリポスト基本機能です。各オプション(シナリオ)との組み合わせで一連の解析作業を行うことができます。
- (1)基板温度サイクル解析シナリオ(SimPRESSO/BTS)
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温度サイクル試験による、実装基板の熱歪みを予測する解析シナリオです。はんだバンプに蓄積されるダメージを予測する事ができます。(注)
- (2)リフロー炉伝熱解析シナリオ(SimPRESSO/RFL)
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リフロー炉内を搬送される実装基板の温度分布を予測する解析シナリオです。炉の条件を選択するだけで、各時刻での温度/ピーク温度/耐熱超過温度のフリンジ図や着目点の時系列グラフが確認できます。
- (3)基板応力解析シナリオ(SimPRESSO/BSA)
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外力や自重による実装基板の応力を予測する解析シナリオです。基板破損の危険度、結合部の負荷状況を確認することができます。(注)
- (4)基板発熱・変形解析シナリオ(SimPRESSO/BHT)
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稼働時の部品発熱による実装基板の温度分布や熱変形を予測する解析シナリオです。熱源の分散配置やレイアウトの放熱効果などを事前評価する事ができます。(注)
- (注)解析ソルバはLS-DYNA(※別売)を利用します。
非線形動的構造解析ソフトウェア(LS-DYNA)
世界トップクラスの機能と性能を持ち、さまざまな現象をシミュレーションできる計算プログラムです。COLMINA CAE 電子基板構造解析の計算モジュールとして、BTS/BSA/BHTシナリオで使用します。
連成解析
はんだバンプズーミング解析シナリオ((1)BTS+(3)BSAシナリオ)
基板温度サイクル解析の結果を利用して、指定したBGAはんだバンプの負荷状況を詳細に予測する解析シナリオです。結果からはんだ寿命を予測することができます。
リフロー実装冷却変形解析シナリオ((2)RFL+(1)BTSシナリオ)
リフロー後の冷却時に発生する基板変形、接合部の負荷を予測する解析シナリオです。残留応力や残留歪みの検討が行えます。
リフロー炉内基板たわみ解析シナリオ((2)RFL+(3)BSAシナリオ)
リフロー炉内部搬送時の温度分布(熱荷重)と自重による基板の変形や応力分布を予測する解析シナリオです。実装基板の配置ズレや接続不良を事前に検証することができます。
解析例
温度サイクル試験時の熱歪み解析
- シナリオ1 /基板温度サイクル解析シナリオ(SimPRESSO/BTS)
- 温度サイクル試験に相当する時間刻みの熱荷重を与えて、基板・部品・はんだバンプの変形・応力・歪みを解析しています。基板取付のボス位置を変更する前は、着目するBGA部品に高い応力が発生し、はんだバンプのダメージが予測されましたが、ボス位置を変更することにより応力が緩和され、はんだ寿命の延長が見込めます。

リフロー加熱による基板/部品温度解析
- シナリオ2 /リフロー炉伝熱解析シナリオ(SimPRESSO/RFL)
- リフロー炉の温度プロファイルを変更して、基板/部品の時間刻みの温度を解析し、最高到達温度の比較をしています。プロファイルA(左)の結果では温度にバラツキがあり、特に丸印部分では十分に加熱されておらず、はんだが溶融しない可能性があります。プロファイルB(右)の結果では均一に加熱されておりよりよい加熱条件であることが確認できます。

外力/自重による基板の変形/応力解析
- シナリオ3 /基板応力解析シナリオ(SimPRESSO/BSA)
- インサーキットテストにおける基板の変形/応力状態を解析し、押さえピンの位置検討をしています。初期の押さえピン位置(左)で応力集中している箇所(丸印)に、押さえピンを追加することによって応力集中が緩和され(右)、テスト時の不具合(はんだや部品へのダメージ、プローブの未接触等)を低減することができます。

部品発熱による基板の変形/応力解析
- シナリオ4 /基板発熱・変形解析シナリオ(SimPRESSO/BHT)
- 部品が発熱した際の基板の温度/変形状態を解析し、冷却用メタルシートの効果を確認しています。冷却シートを付けることにより、温度上昇と変形が抑えられているのがわかります。

BGAはんだバンプのズーミング解析
- 連成解析((1)BTS+(3)BSA)/はんだバンプズーミング解析シナリオ
- 温度サイクル試験時の基板/部品の熱歪み解析の結果から、特定BGA部品の着目するはんだバンプのみを解析対象として、詳細なズーミング解析をしています。バンプの詳細な挙動が確認でき、塑性歪みの結果から予測寿命サイクルを算出することができます。

リフロー工程の基板そり変形解析
- 連成解析((2)RFL+(1)BTS)/リフロー実装冷却変形解析シナリオ
- リフロー工程で加熱した基板温度分布の解析結果(左)を初期条件として、冷却工程(常温になるまで)の熱収縮による変形/応力状態(右)を解析しています。リフロー後の基板のそり変形と応力集中を抑えることは、実装基板の高信頼性につながります。

多面取り基板の強度解析
- 連成解析((2)RFL+(3)BSA)/リフロー炉内基板たわみ解析シナリオ
- 多面取り基板を分割する時の外力を想定し、基板/部品の変形/応力を解析しています。ミシン目のパターンを変更することにより、分割のし易さ、基板/部品への影響を確認することができます。つなぎ目が1か所の方がつなぎ目部分のみに応力集中し、他の部品に影響が少ないことがわかります。

導入効果
リフロー炉条件の事前検討によるテスト回数の低減
はんだ融点や部品の耐熱温度を考慮したリフロー炉の加熱温度の調整は、熟練の技術と長年の経験値が必要です。CAEによる事前予測によりテスト回数の低減とより良い条件出しを実現できます。
BGA接続信頼性評価の期間短縮、品質向上
温度サイクル試験は実測による評価では、数か月の期間がかかります。CAEによる評価なら、数時間で部品レイアウト、接続方法、材質等の複数回のパラメータスタディを実行することができ、実装基板の信頼性/品質向上につながります。
製品情報
名称 内容 備考 SimPRESSO/MS 基本部 必須 SimPRESSO/BTS (1)基板熱歪み、温度サイクル試験評価
・LS-DYNA必須オプション SimPRESSO/RFL (2)リフロー炉内基板温度分布評価
・解析計算プログラム同梱オプション SimPRESSO/BSA (3)外力や自重による実装基板の変形や負荷状況
・LS-DYNA必須オプション SimPRESSO/BHT (4)稼働時の部品発熱による基板温度分布・熱変形
・LS-DYNA必須オプション LS-DYNA 解析計算プログラム 解析種別により必須 上記オプションの組み合わせで、下記の連成解析が可能になります。
- RFL-BTS :リフロー後冷却変形解析
- RFL-BSA :リフロー時の基板たわみ解析
- BTS-BSA :BGA部品のバンプ詳細解析、寿命予測
項目 必要条件 OS Windows 10 / 11 メモリ容量 2GB以上 ディスク容量 約500MB以上(OS、データ領域除く) グラフィックス OpenGL対応グラフィックスボード
RAM:256MB以上
SimPRESSOサポートセンター
電話・Fax・メールによるソフトウェアサポート契約をご用意しております。
お客様がお困りになった場合、専門スタッフが細かくサポートいたします。受託解析サービス
お客様からお預かりしたデータで解析を実行し、報告書を作成します。
導入支援サービス
ソフトウェアのインストールおよび初期設定作業を行います。
カスタマイズ・コンサルサービス
お客様ニーズに合わせた開発やシステム導入後のコンサルテーションを行います。
操作教育サービス
COLMINA CAE 電子基板構造解析(SimPRESSO)の機能・操作方法の教育です。
お客様のご都合に合わせた日程、場所、内容にて教育を行います。
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