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  7. オーテピア高知図書館(高知県立図書館・高知市民図書館)様

国内初の県市合築図書館。200万冊規模の図書館システムをiLisfieraV3で統合し、県市2組織で運用。

オーテピア高知図書館様 外観の写真

オーテピア高知図書館(高知県立図書館・高知市民図書館)様 導入事例


2018年7月に高知市中心部に開館したオーテピア高知図書館様は、国内初の県市合築の図書館です。iLisfieraV3にて、県立図書館の蔵書90万冊、市民図書館の蔵書113万冊のデータを統合し、県市2組織が共同で運営しています。収蔵能力約205万冊(うち、開架約34万冊)となる、中国四国地区最大級の図書館となっています。セルフ貸出機を9台備え、貸出しの約7割をシステムで処理し、創出された時間でレファレンスサービスやイベント運営などを拡充。貴重資料や科学館の収蔵品はMusetheque V4で管理し、1万4千点以上の画像を登録した結果、閲覧性と利便性が向上し、貴重資料のデータの利用数も増加しました。さらにUfinity for Publicで県内の市町村立図書館、高知県内の大学図書館等への蔵書の横断検索機能を構築し、県内相互貸借業務のオンライン化も実現しています。
新館オープンとシステム統合によるサービス向上などにより、開館後1か月間の1日当たり利用者数は、前年比3.2倍に、開館翌月の8月から11月までの個人貸出点数は前年比1.8倍になるなど、成果が表れています。

[ 2019年2月19日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 文教
ソリューション: FUJITSU 文教ソリューション iLisfiera V3
FUJITSU 文教ソリューション Ufinity for Public
FUJITSU 文教ソリューション iLiscomp V3
FUJITSU 文教ソリューション Musetheque V4

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注目されるポイント

国内初の県市の合築による図書館を、2つの組織体で運営

2018年7月、高知県高知市中心部の追手筋に図書館等複合施設「オーテピア」が開館しました。5階建てで延べ床面積は約2万3千平方メートル。地元紙である高知新聞が「まるで知の客船」とたとえたこの施設は、1階がオーテピア高知声と点字の図書館、5階が高知みらい科学館、そして2階から4階部分がオーテピア高知図書館(以下、同館)となっています。同館は高知県立図書館と高知市民図書館本館の機能を融合した施設で、全国初の県市合築図書館となりました。分館や分室も含めた市民図書館の蔵書数は113万冊で、このうち本館の蔵書が55万冊。オーテピア高知図書館では、県立図書館の蔵書90万冊と市民図書館本館の蔵書55万冊を合わせた145万冊を所蔵します。

利用者に寄り添う案内カウンター利用者に寄り添う案内カウンター

高知市教育委員会図書館・科学館課 課長の小新 貴士氏は、合築の経緯を次のように説明します。「従来から年に1回、県市の首長同士が様々な議題について話し合う、県市連携会議という会議がありました。2010年にその会議の中で図書館事業を県市合同で運営できないか、との話が持ち上がり、基本構想検討委員会がスタートしました」。施設を県市合わせた経費で建設すれば、効果的に経費の削減ができます。しかしこの施設の目的は、経費節減ではないと言います。「余剰経費を別の用途に回すのではなく、より県民・市民の教育環境を充実させるため、利用者サービスの拡充に使うという方針でした。オーテピア高知図書館自体の充実はもちろんですが、例えばオーテピア高知声と点字の図書館や、高知みらい科学館の機能強化にも充てています」(小新氏)。

オーテピア高知声と点字の図書館は、点字図書だけでなく声の本(録音図書)の存在も多くの方に知っていただけるように、移転前の高知点字図書館から名称も新たに、オーテピア1階にリニューアルオープンしました。運営は市が行いますが、県も支援することにより、県内全域の視覚障害者、病気、高齢、その他の障害などで読書が困難な人を対象にサービスを提供することとしました。また高知みらい科学館に関しては、高知市子ども科学図書館を拡充する形で、県市が協力して事業をスタート。県内では40数年ぶりとなるプラネタリウムも備えました。

オーテピア高知図書館の蔵書145万冊のうち約30万冊が、来館者が自由に手に取って読める開架本です。県と市の蔵書が合わせて配架され、同じタイトルの複本は、県市それぞれ色の違う背ラベルが貼られて並んで棚に収まっています。組織も高知県立図書館と高知市民図書館の2組織が同居し、館長が2人在籍されています。このように1つの図書館の中に2つの組織体があり、2人の館長がいるのも、全国初の試みです。

高知県立図書館 館長 渡辺 憲弘 氏高知県立図書館
館長 渡辺 憲弘 氏

高知県立図書館 館長の渡辺 憲弘氏は、「組織を統合すると、手薄になってしまう業務が発生することが懸念されました。それぞれの組織が今まで同様、責任を持って業務を全うするために、県と市の組織が置かれています。もちろん、県市がお互いに情報を共有し、密に協力しながら業務にあたっています」と2組織制の効果を説明します。高知市民図書館 館長の貞廣 岳士氏は、「県立図書館、市民図書館それぞれの本来の役割を踏まえ、基本構想検討委員会の中で2組織制が決まりました。職員を増やし、音読教室、出前図書館など様々なイベントを行い、県と市で図書館サービスの充実に取り組んでいます。県民、市民の期待に応えなければなりませんので、責任重大です」と語っています。

同館では、レファレンスサービスにも力を入れています。高知県立図書館 専門企画員の山重 壮一氏は、レファレンスサービスについて次のように説明します。「レファレンスという言葉は一般の方にはわかりにくいので、調べもの案内デスクという名前のデスクを作りました。そのほか、健康・安心・防災情報デスク、ビジネス支援デスク、高知資料デスクと合計4種類のレファレンスデスクを設置しています。ビジネス支援デスクなど、今までになかったサービスですので、司書の研修も行いました。開館前に、先進的なサービスを提供している図書館に職員を派遣し、長い人で3か月間、専門的なレファレンス業務について学んでいます。そのほか産業振興センターや商工会議所などにも実践的なレファレンスの協力をいただきました。実際、新館オープン後のレファレンスの件数は着実に増加しています」。

高知市教育委員会 図書館・科学館担当理事 高知市民図書館 館長 貞廣 岳士 氏高知市教育委員会
図書館・科学館担当理事
高知市民図書館
館長 貞廣 岳士 氏

市民図書館には、オーテピアの本館のほかに6分館、15分室があり、そのどこからでも市内の本を利用できます。これはオーテピア開館前と変わらない基本方針ですが、県立図書館の本も同じように利用できるようになったことで、市民サービスの向上につながっています。また、小中学校の支援について、高知市民図書館 図書利用担当管理主幹の武井 一仁氏は、「市民図書館として学校への貸出しを行っています。オーテピア高知図書館では、高知市内の小中学校へのサービスは市民図書館、高知市外は県立図書館が担当しています。学校への本の選定支援に提供する児童書の全点購入は県立図書館の業務ですが、選定支援は市の職員も協力しますし、学校への貸出しや図書館見学への対応なども、県と市が協力して行っています。こどもコーナーにあるこどもカウンターも県市合同で運営しています。組織は別でもこういった現場の業務は共同で行っています」と県市が上手く融合した運営方法を説明しています。

導入の経緯

県立図書館と市民図書館の書誌・所蔵を統合し、180万冊のデータベースに

高知県立図書館は、富士通の図書館ソリューションの約20年来のユーザーです。高知市民図書館は別のシステムで運用されていましたが、オーテピア高知図書館開館にあたって、図書館システムも一本化する必要がありました。企画調整担当 司書の上岡 真土氏は、システム統合の経緯を次のように振り返ります。「新図書館の基本構想が決まったのが2011年3月。その後1年間で基本計画を策定し、システムの検討を始めました。システムの基本設計が完了したのは2012年12月です。市民図書館と県立図書館の担当者が、相当の工数をかけて検討、設計を行いました」。県と市、両方の蔵書と利用者データを統合して管理し、それぞれの業務を行えるシステムを基本設計に沿ってハードウェアやインフラも含め、2013年から何度かに分けて調達を行いました。そして iLisfiera V3の採用が決まりました。

統合された新システムは、オーテピア高知図書館オープンに先立つこと3年、2015年6月から稼働しています。「新システムが稼働したのは、それぞれの旧館です。物理的には分かれているけれど、1つのシステムで、データを統合したうえで運用を開始しました。今はシステムなしでは、ほとんどの業務は実施できません。逆にシステム統合できれば、業務もスムーズに統合できるのです。システム統合が、新館オープンの3年前で良かったと思います。開館と同時だったら相当混乱していたでしょう」(山重氏)。「システムを一本化するということは、実際は県市の図書館内文化をすり合わせることです。非常に難易度の高い仕事であり、それだからこそ、システム統合を先に行うべきです」(小新氏)。

高知市教育委員会 図書館・科学館課 課長 小新 貴士 氏高知市教育委員会
図書館・科学館課
課長 小新 貴士 氏

書誌のデータは市民図書館のデータを元にiLisfieraのデータ形式に移行。県立図書館のデータはこのとき、MARC(デジタル目録)のクリーニングを行っています。「もともと県市で、別の会社のMARCを使っていましたので、今回を機に市のMARC形式に合わせる形で県のデータを整備しました。県市で使っていた請求記号の桁数さえ異なり、そのままだと同じ本が同じ棚に並びません。同じMARCから請求記号を抽出して、オーテピア高知図書館に持っていく図書に対し、背ラベルを貼り替える作業を委託して行いました。この作業と合わせて、今回新たにICタグも市民図書館分館・分室の資料を含めた約170万冊へ貼付しています」(上岡氏)。

オーテピア高知声と点字の図書館オーテピア高知声と点字の図書館

高知みらい科学館高知みらい科学館

セルフ予約受取コーナーセルフ予約受取コーナー

セルフ貸出機セルフ貸出機

設計理念「大きな樹を育む」をコンセプトにした開放的な2階開架スペース設計理念「大きな樹を育む」をコンセプトにした開放的な2階開架スペース

セルフ貸出機9台で7割の貸出しを処理。県内図書館の横断検索と、システムによる相互貸借も実現

今回新規に導入したICタグについて上岡氏は、「新しい図書館は広いため、BDS(Book Detection System、入退館ゲート)の導入は必須と考えていました。BDSに対応するためにもICタグを導入しています。入札の結果、UHF帯ICタグの採用が決まりました」とその経緯を語ります。「当館では利用者1人当たり、県立図書館と市民図書館の貸出冊数を合計した20冊まで借りられます。セルフ貸出機で10冊近くの資料のタグを一度に読ませることも多いため、大量の読み取りに向いているUHFで結果的に良かったと感じています」(山重氏)。セルフ貸出機を最初に使い始めたのは、県立図書館の旧館だったそうです。まずは1台だけ設置し、iLiscomp V3と連動して円滑に運用できることを確認されました。 上岡氏は「旧館では、貸出しの1割程度がセルフ貸出機で行われていました。新館オープン後は全部で9台導入し、貸出しの7割をさばくまでになっています」と現在の利用状況を説明します。「意外と高齢者の方にも抵抗なく使っていただいている印象です。カウンターやデスクが多いので、レファレンス業務に注力するためにも、貸出業務の省力化は必須でした」(山重氏)。

予約した本を受け取るのも利用者自らが行います。こういったセルフ貸出機やセルフ予約受取コーナーのすぐ隣には、カウンターを設置して職員が常駐。利用者が困っている際には、すぐにサポートするようにしています。BDSの近くにもカウンターを設置し、アラームが鳴った場合には迅速に応対できるようにしました。レイアウトを工夫し、職員が丁寧に案内することを心がけられたため、利用者の混乱も少ないそうです。

新システムでは Ufinity for Publicを導入し、県内図書館の蔵書の横断検索ができるようになりました。上岡氏は「新システム導入前は横断検索が古くなり、スムーズに機能していませんでした。県立図書館として市町村を支援する役割は重要です。他の県立図書館の事例などを参考に、ぜひ横断検索と相互貸借機能の連携をシステムで実現させたいと思っていました」と導入前の課題を語ります。現在は同館のWeb OPACサイトに、横断検索のメニューを用意。Ufinity for Publicを使って、オーテピア高知図書館をはじめ県内の市町村立図書館、大学図書館等の蔵書を統合検索できるようになりました。

システムでの相互貸借運用も実現しました。「オーテピア高知図書館で各市町村立図書館向けにIDを発行し、各図書館の職員の方が、直接ログインして相互貸借の機能を使っています。また、Ufinity for Publicになって、システムで直接、相互貸借の申込みまでできるようになりました。住民が直接、オーテピア高知図書館へ申し込んで地元の図書館へ配送するのではなく、地元の図書館職員を介してもらうことで、各市町村立図書館の職員が住民のニーズを把握することができると考えています。県民の方には、それぞれの地元の図書館も、積極的に利用する機会にしていただきたいと思っています」(上岡氏)。

レファレンスサービスにこだわった「調べもの案内デスク」レファレンスサービスにこだわった「調べもの案内デスク」

Musethequeで図書館と科学館の収蔵品を管理し、利用の拡大に貢献

収蔵品管理には、Musetheque V4を採用しました。武井氏は、「当館では様々な貴重資料を所蔵していますが、データベースを公開して利用者により便利に使っていただきたいという構想がありました。現在、ウェブサイト上に『収蔵品検索データベース』という項目を設け、Musethequeの検索画面にリンクしています。高知みらい科学館が所蔵する標本なども、Musethequeで管理、公開しています」と新しい機能について説明します。「市民図書館では、画像付きの資料だけで1万4千点以上登録しています。例えば寺田正写真文庫という、高知の昔の写真を多数収録している文庫があるのですが、今までは目録のタイトルや写真の名前から、どんな写真かを想像して調べるしかありませんでした。Musethequeに写真も併せて登録したことで、画面上で写真を確認できるようになりました。非常にわかりやすくなり、利用数も大きく伸びました」(武井氏)と利用者サービスの向上につながっていることを説明しています。

高知市民図書館 図書利用担当管理主幹 武井 一仁 氏高知市民図書館
図書利用担当管理主幹 武井 一仁 氏

導入の効果

開館1か月間の1日平均利用者数は、昨年度の3.2倍に

高知県立図書館 専門企画員 山重 壮一 氏高知県立図書館
専門企画員 山重 壮一 氏

新システムの機能について山重氏は、「Webの検索画面から使える分類選択画面は、とても良いですね。一般の方には分類番号はわかりにくいものですが、この画面では階層形式で表示されるので、体系がわからなくても適切な番号を選択できます。図書館活用講座などでも紹介しています。今後小中学校で進められる、『探究的な学習』にもつながる、注目される機能だと思います」と検索画面を評価しています。

新館がオープンしたことで、利用者数は大きく増加しました。上岡氏は、「一番多い日には、利用者カードを新規発行・再発行した方が600人近くいました。このときは、臨時の窓口を作って対応しました。オープン後1か月は平日でも1日200人以上の方が登録してくださり、開館から3か月たった10月まで週末は1日100枚以上のカードを発行していました」と利用状況の手ごたえを説明します。

中高生の利用も多いそうです。上岡氏は、「学習室を設け、96席分の机を設置しました。この学習室は、近隣の中高生に多く利用されています。グループ室や研究個室を使うには利用者登録が必要なこともあり、中高生の登録数も大きく伸びました。あとは中高生に、いかに本に興味を持ってもらうかが今後の課題です」と語っています。同館では、ティーンズコーナーとしてはかなり広い8,000冊を配架できるスペースを設けており、今後も課題となっている中高生の利用促進を図ります。取材時にも、制服姿の学生が学習室や共同楽習スペース(ラーニング・コモンズ)に多数いらっしゃって、盛況ぶりがうかがわれました。そのほか静寂読書室、対面音訳室、こども用トイレや授乳室を備えた広く充実したこどもコーナー、足の不自由な方向けの楽々カート、補助犬トイレまである徹底したバリアフリー設計などで、利用者の様々なニーズに応えています。

こうした新しい設備とシステム統合、職員の研修などの成果は数字にも表れています。開館から1か月間の1日平均利用者数は、昨年度の県立・市民、両方の1日当たり利用者合計数の3.2倍となり、11月末の利用登録者は前年同月比で1.5倍に、8月~11月の個人貸出点数は前年比1.8倍に、開館5か月で来館者数が50万人を超過。地域活性化の拠点として大きな役割を果たしつつあります。

今後の展望

さらなるシステムの活用で、より一層のサービス向上を目指す

将来の運用について山重氏は、「レファレンスサービスに関しては、まだシステムで運用しきれていません。今後、富士通と協力してレファレンスの機能をもっと活用し、その成果を国立国会図書館が中心となって構築している『レファレンス協同データベース』にも登録できるようにしていきたい」と語ります。また「広い図書館なので、配架場所を利用者によりわかりやすく提示できるよう、システムで工夫できないかと考えています。富士通の担当者と相談して、検索結果が印刷されるレシートに項目を追加するなど、より便利な使い方を検討していきたい」(山重氏)とも語ってくれました。

企画調整担当 司書 上岡 真土 氏企画調整担当
司書 上岡 真土 氏

上岡氏は、「富士通の強みは、豊富な専門知識や多様なパッケージを提供してくれることだと思います。図書館のシステムは、関連する周辺機器なども多いので、関連ベンダーを束ねるコーディネート力にも期待しています」と今後の期待を述べています。

今後も富士通は、確かな技術と総合力でオーテピア高知図書館様を支援してまいります。

【オーテピア高知図書館様 概要】
所在地

オーテピア高知図書館(高知県立図書館、高知市民図書館)
〒780-0842 高知県高知市追手筋2丁目1番1号

オーテピア高知図書館様のロゴマーク

蔵書数 約203万冊(県立:90万冊、市民:113万冊(分館・分室を含む))
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【導入事例(PDF版)】

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